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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ不動産に対して投資判断をざっくりと数字で行う手順についてお伝えしています。
昨日までに
GRM(Gross Rent Multiplier:グロス・レント・マルチプライヤー)
1%ルール
Cap Rate(Capitalization Rate:キャピタリゼーション・レート)
の順番でみてきましたが、これら3つ全てが自分が求める基準をパスしたとすると、かなりの割合で数字としては問題ないレベルと判断されているはずです。
その投資を良しとするのか否かの最終判断は自分次第ということになりますが、ここまでの時点で少なくとも数字をもって決断するにあたり確信が持てていることと思います。
人は誰でも生きていく上では意識するしないに関わらず、判断の連続で暮らしています。
- 起きる
- 顔を洗う
- 朝食を食べる
から
- テレビを見る
- お風呂に入る
- 寝る
まで、1日を通して逐一目先の行動する内容とそのタイミングに対して決断を下しているのです。
拡大解釈するならば、アメリカ不動産に対する判断も
「決断を下す」
という一つの節目であることには何ら変わりがありませんし、そこにある唯一の違いは
「判断を間違えた時の経済的損失が大きい」
という部分です。
本シリーズで順番にお伝えする内容はまさに
「経済的損失のリスクを極小化する」
為の手法であり、物件の物理的な状態はよそにキャップレートを見る段階までくると、少なくとも数字の面でのリスク極小化は仕上がりつつあることになります。
そこで物件運用から派生する変数に対する判断要素の最後として、
「借金を返済した後のリターン」
について見ていきましょう。
NIAF(Net Income after financing:借金返済後純収入)
不動産投資の用語として使われる言葉に
「NIAF」
というものがあります。
これは
Net Income After Financing
の略で、そのまんま
「借金を返済した後の純収入」
です。
例えば昨日までの物件Bの例で言えば
NOI(年間純収益) = (($1,850 X 12ヵ月) - $6,500) = $15,700
でNOIは$15,700でしたが、この純収入には借金の返済が反映されていません。
すなわちキャップレートを語る時、その数字には返済が必要な年間借金総額が全く考慮されていないことになります。
そこでこのNOIを月間純収入に落とし込むと
$1,308.33($15,700 / 12ヶ月)
です。
そこでこの物件Bの価格は
$180,000
であり、
頭金は25%:融資75%
30年固定金利4%
だったとしましょう。
この場合は毎月の返済額は
$859.35
になります。
そうすると毎月のNIAF(借金返済後純利益)としては
$448.98($1,308.33 - $859.35)
となります。
この$448.98がNIAF(借金返済後純利益)と呼ばれるものであり、この数字は殊の外大切です。
もしもこのNIAFがマイナスになるようであればその物件への投資は確実に
「ネガティブキャッシュフロー物件」
ということになりますから、例外を残して避ける必要があります。
例外とは具体的に言えば、
⇛ 物件価値がかなりのレベルで上昇することが期待できる場合
⇛ 極めて高い家賃上昇が期待できる場合
⇛ ポートフォリオ全体としてネガティブキャッシュフローは全く影響ない
これら全てを満たす場合です。
これ以外はネガティブキャッシュフローに陥る場合、その物件は避けておいた方がよい判断となります。
NIAFを更に細かく
そこでNIAFを見ることで
「結局のところ、手元にはいくらのお金が残るのか?」
を測定することが出来ますが、上記の例の場合は月単位で$448.98、年間$5387.76のキャッシュフローが期待できることになります。
ただし、ここでもう一歩踏み込んで確認しておきたいのはその前提となる
NOI(年間純収入)
の計算に加わっている支出項目です。
今回の場合は年間の純収入である$15,700から年間の借金返済総額$10312.20を差し引くことで年間純収入が見えてきました。
けれどもその純収入$15,700を算出するにあたり、NOIの計算に使われた支出項目に漏れがないかはよく確認する必要があります。
具体的には
空室率 … 物件購入から売却までテナントが埋まり空室率100%が続くことはほぼありえない。当地の空室率予想を計上。
HOA … そのコミュニティはHOAが管理していないか。HOA管理下の場合は年間HOA料金を計上。
修繕費 … 物件の古さと状態から1年間にかかる修繕費を予想。
CapEx(Capital Expenditure:キャペックス、資本支出) … 物件そのものの資産価値にかかわる支出。
等が考えられます。
最後のCapEx(キャペックス)とは「資本支出」と訳してしまうと何のことか分かりにくいのですが、簡単にいえば
「不動産物件の資産価値を高める修繕に使われる支出(予想に使われる場合は準備金の意)」
です。
例えばトイレタンク内のポンプが故障したとしましょう。
この場合ポンプ交換が物件価値を高めるかと言えば、答えは「No」です。
別の例で屋根が老朽化して新品に交換が必要となった時、屋根の全交換が物件価値を高めるかといえば答えは「Yes」です。
このように資産そのものの価値を高める修繕はCapEx(キャペックス)と呼ばれ、物件購入前にこのCapEx(キャペックス)を含めておく理由は
⇛ 物件を保有し続ける限りはほぼ間違いなく発生する修繕
⇛ その修繕にかかるコストは高額
⇛ 故に準備金として念頭におく必要がある
からです。
毎月のNIAFが$448.98だったとしても、物件運用にかかるコストを深く掘り下げた上げた時に始めて最終的な
「ピュア・キャッシュフロー」
となるかが見えてくることになります。
そしてこの場合は答えが
「ピュア・キャッシュフローは$150」
ということであれば、そこで始めて
「この物件はポジティブキャッシュフローになる」
ということが言えるのです。
明日に続けます。
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