昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
商業物件需要の変化を直接見る前に、昨日まではリモートワークの実情を見ていきました。
リモートワークに関する統計を見ているとアメリカでは
- 若い世代(30代まで)はリモートワークを好む傾向にある
- そのキャリアのベテランはリモートワークを選ぶ傾向にある
- 環境が許されるなら誰もがリモートワークを好む傾向にある
そんな実情が浮かび上がってきます。
ちなみに私(佐藤)自身はどうかといえば、
「オフィスは必要とするけれども、オフィスは持たない」
という方針で進めています。
どういう意味かと言えば
「仕事に集中する環境は必要」
だけれども
「オフィス賃料という固定費をかけたくない」
ので地元の物件案内の時間以外は
⇒ 自宅でデスクワーク
⇒ 外でデスクワーク
のどちらかなのですが、外でデスクワークする際には
- ケラーウィリアムズ社の自由席を使う
- カフェで仕事する
のどちらかです。
スタッフも同じようにしてもらい、社内間のコミュニケーションは必要最低限に絞って後は目標に対し成果を出せるようにしています。
もっぱら業務内容として
- コンサルティング業
- 仲介業
は特定の場所に通う必要がないとも言えますが、結局のところ選択がある以上はやはり私(佐藤)もリモートワークを選びたいのです。
そして恐らくここから先の商業物件需要は
「その地域市場で多い産業の割合は何か」
に大きく委ねられると予想しますが、実際に今の商業物件の空室率変化はどのように進んでいるのでしょうか。
全米の商業物件の空室率変化を今日から3回に分けて見ていきましょう。
順番として
空室率が増加した地域市場
をトップに、
空室率が減少した地域市場
へと下に見ていきます。
データリソースは全米不動産協会です。
商業物件空室率の変化 ~ 上位市場
地域(英) | 地域(カナ) | 2020 Q1 | 2022 Q3 | 2年半の変化 |
San Francisco | サンフランシスコ | 6.28% | 15.45% | 9.17% |
New York City | ニューヨーク | 7.69% | 13.43% | 5.74% |
Green Bay | グリーンベイ | 6.96% | 12.05% | 5.09% |
Austin | オースティン | 9.08% | 13.58% | 4.50% |
Nashville | ナッシュビル | 6.21% | 10.63% | 4.42% |
Charlotte | シャーロット | 6.81% | 11.14% | 4.33% |
Seattle/Puget Sound | シアトル/ピュージェット・サウンド | 5.81% | 9.87% | 4.06% |
East Bay/Oakland | イーストベイ/オークランド | 8.60% | 12.63% | 4.03% |
Denver | デンバー | 9.26% | 13.17% | 3.90% |
Los Angeles | ロサンゼルス | 10.22% | 13.81% | 3.59% |
Portland | ポートランド | 6.80% | 10.38% | 3.58% |
Fort Smith | フォートスミス | 6.77% | 10.27% | 3.50% |
South Bay/San Jose | サウスベイ/サンノゼ | 9.38% | 12.59% | 3.21% |
Chicago | シカゴ | 12.00% | 15.08% | 3.08% |
Huntsville | ハンツビル | 5.46% | 8.55% | 3.08% |
North Bay/Santa Rosa | ノースベイ/サンタローザ | 8.60% | 11.56% | 2.97% |
Pittsburgh | ピッツバーグ | 8.01% | 10.96% | 2.96% |
Minneapolis/St Paul | ミネアポリス/セントポール | 7.65% | 10.52% | 2.87% |
St. Louis | セントルイス | 7.10% | 9.97% | 2.87% |
Columbia | コロンビア | 5.60% | 8.28% | 2.68% |
Phoenix | フェニックス | 12.07% | 14.69% | 2.63% |
Long Island (New York) | ロングアイランド(ニューヨーク) | 7.52% | 10.12% | 2.60% |
Raleigh/Durham | ローリー/ダーラム | 6.26% | 8.83% | 2.57% |
Houston | ヒューストン | 16.36% | 18.89% | 2.53% |
Santa Cruz/Watsonville | サンタクルス/ワトソンビル | 4.59% | 7.10% | 2.51% |
Columbus | コロンバス | 7.23% | 9.70% | 2.46% |
Kansas City | カンザスシティ | 6.88% | 9.35% | 2.46% |
Memphis | メンフィス | 9.75% | 12.19% | 2.44% |
Dallas/Ft Worth | ダラス/フォートワース | 15.14% | 17.57% | 2.43% |
Washington, DC | ワシントンDC | 12.77% | 15.20% | 2.43% |
Salt Lake City | ソルトレイクシティ | 6.31% | 8.70% | 2.39% |
Detroit | デトロイト | 9.09% | 11.39% | 2.30% |
Roanoke | ロアノーク | 4.93% | 7.17% | 2.24% |
Boston | ボストン | 7.13% | 9.17% | 2.03% |
Sacramento | サクラメント | 8.29% | 10.32% | 2.03% |
Omaha/Council Bluffs | オマハ/カウンシルブラフ | 6.05% | 8.03% | 1.98% |
Atlanta | アトランタ | 11.55% | 13.52% | 1.97% |
Northern New Jersey | ニュージャージー州北部 | 9.60% | 11.56% | 1.96% |
Orange County (California) | オレンジカウンティ(カリフォルニア州) | 9.44% | 11.38% | 1.95% |
Greenville/Spartanburg | グリーンビル/スパルタンバーグ | 5.54% | 7.46% | 1.92% |
Colorado Springs | コロラドスプリングス | 7.36% | 9.23% | 1.87% |
Fort Wayne | フォートウェイン | 5.57% | 7.41% | 1.84% |
Westchester/So Connecticut | ウエストチェスター/ソコネチカット | 9.41% | 11.24% | 1.83% |
Tulsa | タルサ | 9.32% | 11.12% | 1.80% |
Little Rock/N Little Rock | リトルロック | 6.07% | 7.80% | 1.73% |
Des Moines | デスモイン | 5.61% | 7.32% | 1.71% |
上の表は空室率が増加した地域順ですが、案の定増加が見受けられるトップは
サンフランシスコ
ニューヨーク
といった大都市圏の地域です。
加えて
オースティン
シャーロット
シアトル
ロサンゼルス
等の大都市圏においても間違いなく商業物件の空室率が高まっていることが分かります。
たった今の空室率が最も高い地域市場を上位から10位まで見てみると
ヒューストン
ダラス/フォートワース
サンフランシスコ
ワシントンDC
シカゴ
フェニックス
ロサンゼルス
オースティン
アトランタ
ニューヨーク
と見事に大都市圏ばかりです。
間違いなくリモートワークのトレンドは大都市を中心に進んでおり、アメリカの仕事の在り方の将来を明示しているようです。
明日に続けます。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。