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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日から物件の売り抜け方についてお伝えしていますが、その詳細に入る前にたった今市場で起こっている生々しい一幕を見ていきましょう。
南カリフォルニアで住宅用物件の購入を希望するクライアントの内覧を継続していますが、ここに書くことはつい先日の年末の実話です。
アメリカ不動産市場の年間サイクルをざっくりと語る時に
「11月下旬から2月下旬まで、年間サイクルでは最も市場の動きが鈍い」
このことは概ねどの市場にも当てはまります。
その意味ではたった今は1年の中で最も市場の動きが鈍いはずですが、それと同時に
「子供たちが冬休みの間に引っ越し先のめどをつけたい」
そんな風に考える家族世帯が多いことも事実です。
特に不動産市場の動きをそれなりに勉強しているご家庭の場合は
「物件購入には年末年始が最も交渉が有利」
「完全に買い手市場へと変化した今が好機」
であることを理解していますから、年末休暇の時期に合間を縫って物件検索を継続するものです。
アメリカ不動産市場は世界でもIT技術をかなり積極的に導入し続けてきた結果、MLSを代表とする世の誰もが簡単に物件情報にアクセスできる条件が整ってきました。
そのおかげで近年は
「ご希望の条件に適うのはこれらでしょうか」
とリストをこちらからお見せするよりも先に
「MLSで見たこの物件の内覧をしたい」
とピンポイントで物件を指定して頂ける機会が多くなりました。
このことは不動産ブローカーとしては「自分で探して頂けるから楽だ」というよりも、それ以上に
- より的確な物件候補が挙がる(本人が見て選ぶので当然)
- スピード感をもって動ける
という利点があります。
そこで年末にあるご家族を南カリフォルニアのとある地域に案内した後のこと。
市場価値$900,000の物件を内覧の結果に$770,000でオファーすることに決まりました。
過去の統計からすると、このあたりの価格であれば先の価格下落予想値にも十分納得できるクッションになると予想されたからです。
私(佐藤)は居住目的の購入であっても投資目線の見立てはお伝えするようにしています。
実際に
「いくらでオファーするべきでしょうか?」
これは十中八九頂戴する質問であり、ブローカーとして
「$〇〇〇がいいでしょう」
と数字を決定することは出来ませんが、
「今の市場価値は$〇〇〇です」
「過去の推移は$〇〇〇でした」
「現在の価格調整の傾向を見ると、$〇〇〇~$〇〇〇あたりが最もあり得そうです」
という見立てを述べることは出来ますから、その中でご本人の納得いくオファー額を決めて頂くわけです。
そうしたところ、前述のように$770,000にオファーした後に売主側から
「別のオファーも入りました。条件は〇〇、価格は考えられる中で最高の数字を再考ください」
との返答がきました。
そこで買主は更に価格を引き上げる用意があり、実際にその引き上げた数字で売主に返す書類を準備していたのですが。。
何と買主は売主への返答直前に
「ちょっと待った。MLSで少し前から観察していたこっちの物件の方が全然いいと思う」
「今の取引を中止してこっちの物件にしたい」
とちょっと待ったをかけてこられたのです。
その物件は4ベッドルームで実に素晴らしい仕上がりの大きな家で、検討した結果、$850,000でのオファーが妥当となりました。
$850,000であれば、現在価値を踏まえると十分にパンデミック以前の価格に並んで先の価格調整を吸収でき得ます。
そこで最初にオファーした物件のリスティングエージェントに連絡を入れたところ、
「明日にでも内覧できますよ」
「売主が暮らしていますが、〇時にお越しください」
との即答でした。
感触としては案の定、年の瀬のど真ん中で市場に出しても閑古鳥の様子。
その翌日には内覧に向かったのでした。
そこで入れ替わりで連絡がきたのが、最初の$770,000でオファーしていた物件のブローカーです。
「カウンターオファーに対して、どんな感じでしょうか?」
率直に、昨年前半までの売り手市場の勢いが続いていた時期であれば、リスティングエージェント側から様子伺いの連絡が来ることはまずありませんでした。
引く手あまたで買い手は陸続と現れるわけですから、リスティングエージェント達は売主から買主へのカウンターオファーの様子伺いの連絡を入れる理由もなかったからです。
かくして「リスティングエージェントが様子伺いの連絡を入れてくる」というだけでも市場が今どの位置づけにあるのか、売り手と買い手のどちらが有利なのかが分かります。
そこで買主側のブローカーとして
「残念ですが、クライアントは別の物件にオファーすることに決められました。今回はカウンターオファーへの返答はありません」
と伝えたところ、同じリスティングエージェントから翌日に
「もう一組のオファーも辞退された。売主は最初の$770,000で受け入れると言っているが、どうでしょうか?」
との連絡が再び入りました。
けれども私(佐藤)からは
「買主の気持ちが変わったら、改めてすぐに連絡させてもらいます。」
としかお伝え出来なかったのです。
。。。
年の瀬の物件仲介の一幕ですが、価格調整が進み始めたこの時期にいかに買主が有利に交渉を進めることが出来ているかがよく分かります。
このような買い手市場の中にあっては、売主は物件を売り抜けるのに相当な準備が必要なものです。
そこで昨日からの続きとして、今のような買い手市場において物件を首尾よく売り抜ける為のコツについて見ていきましょう。
明日に続けます。
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