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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
ここ最近の商業物件賃貸契約シリーズの仕上げとして、商業物件の家賃体系についてお伝えしています。
住居物件の賃貸契約の場合、その家賃体系は十中八九が昨日お伝えした
Gross Lease / Full-Service Lease(グロスリース / フルサービスリース)
であり、テナントはシンプルに固定された家賃を支払うだけで、物件オーナーはその家賃収入から
- 固定資産税
- 保険
- 各種メンテナンス料
等を賄うことになります。
これに対し商業物件の場合、その家賃体系は
Gross Lease / Full-Service Lease(グロスリース / フルサービスリース)
3種類のNet Lease(ネットリース)
Modified Gross Lease(モディファイドグロスリース)
の5種類があり、住居用物件に見られるGross Lease(グロスリース)はその一つにすぎません。
もっぱら商業物件の場合や家賃体系がGross Lease(グロスリース)ではない場合の方が多く、おそらくその割合が最も多いのはNet Lease(ネットリース)の類です。
Net Lease(ネットリース)は商業物件の家賃体系の中で最も物件オーナーに好まれる家賃体系であり、そこには
Single Net Lease/ N Lease(シングルネットリース)
Double Net Lease/ NN Lease(ダブルネットリース)
Triple Net Lease/ NNN Lease(トリプルネットリース)
の3種類があります。
ここでいうNet(ネット)とは網のネットを想像すると分かりやすいと思いますが、
「網に引っかかるモノ(この場合は支払い項目)」
が
1つあるのか(N:シングル)
2つあるのか(NN:ダブル)
3つあるのか(NNN:トリプル)
で違いが出てくるわけです。
そしてこの場合の網に引っかかる3つの項目とは
- 固定資産税
- 保険
- メンテナンス料
等のGross Lease(グロスリース)の場合は物件オーナーの負担になるだろう項目のことです。
物件オーナーの目線ではGross Lease(グロスリース)の場合は物件維持にかかる費用をすべて自分で支払わねばならないところ、入居するテナントにその負担を割り振ってテナントに物件の維持管理費を支払ってもらえることになります。
現実には単純に
「すべての費用をテナントに被せられる」
わけではありませんが、それでも結構な割合でテナントに負担を依頼できることは確かです。
3種類あるNet Lease(ネットリース)について、その詳細を見ていきましょう。
Single Net Leas(シングルネットリース)
Single Net Leas(シングルネットリース)の場合、テナント負担は
基本家賃 + 1つの項目
であり、1つの項目とは「固定資産税」を指します。
ただし厳密にいえば水道光熱費もテナント自身に負担になりますので、より正確にいえばテナント負担は
基本家賃 + 固定資産税 + 水道光熱費
ということになります。
水道光熱費は物件オーナーから請求されるものではなく、水道高熱サービスを利用する以上は自分でサービスに加入して支払っていかなければなりません。
Double Net Lease(ダブルネットリース)
そしてDouble Net Lease(ダブルネットリース)は
基本家賃 + 2つの項目
が請求される家賃体系であり、ここでの2つの項目とは「固定資産税」と「保険」になります。
けれどもここも自己責任で加入する水道光熱費も必要となりますので、正確にはテナントの負担は
基本家賃 + 固定資産税 + 保険 + 水道光熱費
です。
ちなみにこれは全てのNリースに言えることですが、固定資産税や保険をテナントが負担するとはいっても建物全体にかかる料金を単独のテナントが負担することはありえず、その割り当ては常に
「占有するスクエアーフィート単位の割合」
で各テナントに負担が割り当てられることになります。
例えば12,000スクエアーフィートの建物に3,000スクエアーフィートの賃貸スペースが4つありかつ満室の場合、それぞれの専有面積が同じ1,000であれば
固定資産税
保険
がすべてスクエアーフィート単位の割合でそのまま4テナントに割り振られますから、それぞれが
基本家賃 + 固定資産税の1/4 + 保険の1/4 + 水道光熱費
を支払うことになります。
Triple Net Lease(トリプルネットリース)
そして最後はおそらくN(ネット)リースの中で最も使われる割合が多いだろう
Triple Net Lease(トリプルネットリース)
です。
Triple Net Lease(トリプルネットリース)の内訳の考え方はDouble Net Lease(ダブルネットリース)と全く同じであり、
基本家賃 + 3つの項目
が家賃体系です。
そしてここで言う3つ目の項目として、「固定資産税」と「保険」に「メンテナンス料」が加わることになります。
結果として、テナント自身が支払う水道光熱費も含めると
基本家賃 + 固定資産税 + 保険 + メンテナンス料 + 水道光熱費
を支払うことになるのです。
ちなみに3つの項目の中で「メンテナンス料」は曲者であり、固定資産税や保険は昨年比でおおよその見立てがつく一方で、メンテナンス料はやや見えにくいきらいがあります。
たとえば昨今のパンデミックに伴う緊急支出など、その前年の2019年に設定された翌年(2020年)用の予算では全く足りなかったはずで、けれどもこのような予算を超えてエキストラの支出があった場合はその翌年(2021年)に
「昨年はコロナ対策の理由でメンテナンス料が上昇し、結果としてメンテナンス料は$〇〇〇のマイナスとなりました。」
「このマイナス分を各テナントのスペース占有率を元に割り当て、$〇〇〇を徴収させてもらいます。」
と、前年に頭が出たメンテナンス料の徴収が行われるのが一般的です。
このような性質から、物件オーナーとしてはN(ネット)リースの中でもTriple Net Lease(トリプルネットリース)を最も好む傾向にあるのです。
商業賃貸物件の家賃体系について、明日に続けます。
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