昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
つい先日のこと。
南カリフォルニアの物件購入を仲介しているクライアント(買主)から夜遅くに連絡が入りました。
クロージングの1週間前のタイミングでしたが、なにやら憤慨している様子。
聞くと、自分が融資を依頼しているレンダーと揉めているというのです。
「もう頭にきた。彼(レンダー)とはもう関わりたくない。」
「新しいレンダーを紹介してくれないか?」
と怒りに震えながら尋ねてきます。
買主の立場で融資前提の取引を行う際には契約で
「Financial Contingency(ファイナンシャルコンティンジェンシー)」
という期間が設けられることになります。
この期間中に買主はレンダーとやり取りを繰り返し、融資審査の結果を出すルールです。
仮にレンダーから
「融資審査の結果、残念ながらご融資は出来ません」
と答えがくるのであれば、Financial Contingency(ファイナンシャルコンティンジェンシー)の期間内であれば
「私、買主は融資審査が通りませんでした。。」
と融資審査不合格を理由に契約を無条件に下りることが出来ます。
その為、買主はレンダーとやりとりをしてきっちりと期間内に融資可否の結果を出さねばなりませんから、それなりにスピーディーに買主とレンダーの両者が協力し合って進めていかねばならないのです。
冒頭の佐藤のクライアントさんの場合も無事にFinancial Contingency(ファイナンシャルコンティンジェンシー)期間内に融資審査を終え、
「融資可能です」
との結果を売主側にも知らせ、Financial Contingency(ファイナンシャルコンティンジェンシー)はとっくに外していたのでした。
ところがです。
融資審査の1週間前になり
「あの書類が足りない」
「この書類が足りない」
「このままでは融資が出来ない」
とレンダーから言われたとのこと。
しかも買主いわく、
「あの書類もこの種類もすでに提出してある。同じことを繰り返し繰り返し依頼してくる」
「こちらが渡した書類に全く目を通していないし、、話にならない!」
と憤慨してレンダー交代を要求してきたのでした。
これが契約初期の段階であればまだレンダー交代も考えられましたが、Financial Contingency(ファイナンシャルコンティンジェンシー)はとっくに解除していましたし、それ以前にクロージング1週間前ではとても時間がありません。
売主が今からのクロージング日延長に同意するとも思えず、買主には同情しつつも、そのまま同じレンダーでゴールして頂くより他ありませんでした。
。。。
この事例の場合、問題は担当したローンオフィサーの経験不足でした。
どれほどトレーニングをこなして経験を積んでいるのか分からず、実際は買主のみならず売主側も今回のローンオフィサーに頼りなさを感じていた様子。
私(佐藤)もアメリカで駆け出しの頃はこの手の初歩的な人的ミスをされる度に憤慨していたものですが、いつしかちょっとやそっとのことでは怒ることはなくなりました。
良くも悪しくも結果が全てですし、たとえ相手側の明らかなミスであったとしても、それすらも自己責任として捉えて解決に動いた方が
精神的にも
経済的にも
健全であることを痛感したからです。
自責の向こうに楽あり
おそらくこれは一事が万事で、あらゆる事象に対して
「うまくいかないのは、自分が悪い」
そんな自責の姿勢で取り組むことは大切なように思います。
謙虚というよりも、
「いや、その責任は自分にある」
「自分が関わる範疇に関しては、すべてを任せて頂きたい」
そんな圧を前に放出するかのような、積極的な自責の姿勢です。
あくまでも佐藤個人の私見ですが、
仕事力 = 全てを心から自責に出来る力
と言っても過言ではないように思うのです。
不動産業界の場合も一つひとつの取引に対して
- リアルター仲間
- 物件調査専門家
- 不動産弁護士
- エスクローオフィサー
等、様々な人々とプロジェクトを進めることになります。
はたまた首尾よくクロージングして物件オーナーになったとしても、今度は
- HOA担当者
- プロパティマネージャー
- 各種修繕業者
- 役所の担当者
等の物件維持で関わる人々は数知れず、そして歯に衣を着せずにいえば彼ら/彼女らと仕事を進める時に日本では当たり前の感覚で仕事を進めていると残念に感じる場面は決して少なくないものです。
けれども自分を改めて戒める意味でも繰り返すならば、
「いや、自分の判断が悪かった」
「こちらから先に〇〇をさせてもらえばよかった」
そんな自責の姿勢に徹した方が、長距離走の途中で「ふっ」と楽になる瞬間があるように、その時は苦しくともその壁の向こうには必ず楽になる瞬間が待っているのです。
目の前に壁が現れるごとに
「なぜそれが出来ないのか!」
などと相手を責めるのはおそらく時間の無駄でしょうし、
「相手を思えばこそ指摘してあげるべき」
という論もありますが、指摘されるべきは社会人なりたての時期までで十分なはず。
人様を叱責するよりもいよいよ自分を躾け続け、どんな災難が降りかかろうが、それが明らかに他者のミスであろうが
「いや、自分の判断が悪かった」
「こちらから先に〇〇をさせてもらえばよかった」
そんな風に起こる事象に対して全て責任を取っていく、くらいの姿勢が丁度良いように思うのです。
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