こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
3月中旬あたりから、いよいよ本格的に2023年の不動産市場が動き始めてきました。
⇒ 金利が高い水準にある
⇒ 物価上昇が続く
⇒ SVB(シリコンバレー銀行)破綻の余波があり得る
等、本年も引き続きあらゆる面が不透明で先が読み切れないうえで
「不動産物件など買っていられないよ」
そんな空気があるかと思いきや、現状は全くの真逆です。
特にキャッシュフローに適した市場では先のとおり3月からいよいよ市場が活発となり、10万ドル台の良質な物件にはどんどんオファーが入り続けています。
2022年末の段階でアメリカ不動産の平均は軽く46万ドルを超えており、日本円にして優に5000万円以上が平均物件価格です。
そうすると、1/4以下となる10万ドル台の物件が人気を博すのは当然かもしれません。
いずれにせよ、このような状況を鑑みるに
「アメリカ不動産市場の底は固い」
と改めて実感する次第ですが、同時に物件平均価格が着実に高くなる昨今では投資術もそれなりの思考と戦略が必要な時期に来ているように思います。
ちなみに私(佐藤)が依頼を受ける投資用物件の案件で最も人気があるのはやはりオフマーケットです。
オフマーケットには様々な種類がありますが、その中でも
⇒ 学区の良い地域
⇒ 人気のエリア
⇒ 丁寧に使われていた物件
については人気が高い為、
Aさん ⇒ Bさん
の流れで、オフマーケットでそのまま譲渡頂いているのです。
実際のところ、良好なキャッシュフロー市場では獲得競争が今でも激しいのは事実で、先日も一つの物件に対し20件を超えるオファーが入ってきました。
そうするとこれだけ多くの買主と競り合うとなると物件価格は落ちるものも落ちませんから、その意味ではやはりオフマーケットに注目が集まりがちなのです。
Distressed Property(ディストレス プロパティ)に勝機
そんな中、オフマーケット物件と同時に代わらず投資家に人気が高いのが
Distressed Property(ディストレス プロパティ)
です。
distress(ディストレス)
には
「不安、苦境、苦悩」
等の意味があり、Distressed Property(ディストレス プロパティ)となると
「不具合により運営が困窮した物件」
等の意味があります。
特定の理由により、その物件そのものの所有が困難な状況に陥っている物件です。
そしてここでいう所有が困難になる状況とは、概ね経済的苦境に立たされている状態の物件のことを指します。
物件が差し押さえ状態になるまでの経緯を簡単に見ていきますが、ある個人が家を購入したいと思った場合、住宅ローン会社や金融機関にローンを申請します。
ローンが承認されたら、その後に個人は支払いに同意したローンを毎月返済する義務が出てきます。
けれども、その借主が支払いに合意した内容を守れない場合、貸し手は当然ながら借主が受け取った金額を回収したいと考えます。
この回収を試みるプロセスが「差し押さえ」または「回収」と呼ばれるものです。
実際のところは、この差し押さえのレベルに至るには、そもそもが最初から悪意があって借金を踏み倒そうとしている場合の方が少なく
- 失業
- 離婚
- 倒産
など、どうにもならない、やむにやまれぬ事情で未払が続いてしまう場合も多いのです。
また、家が老朽化して修理が必要な状態であったり、建設が途中で止まってしまったために所有者が資金不足に陥って完成できなくなった建物など、物件状態が原因で差し押さえ状態に陥ることもあります。
REO(Real Estate Owned)の場合はすでに差し押さえられた物件であり、所有者が銀行に代わっている物件のことを指します。
これらの物件の所有者である銀行はこれ以上の出血をいち早く止めるべく、物件の売却に非常に積極的な場合がほとんどです。
またショートセール物件の場合は所有者が財政的な苦境に陥り、住宅ローンの支払いができず、ローンの残高を支払うための資産がないためにローン残高よりも低い価格で物件を売却する物件のことを指します。
この場合はローン残高よりも低い価格で売却する為に、売却した後に諸々の費用を差し引いた後の資金でもローン残高には届かないことから
「Short(ショート)」
と呼ばれるわけです。
これらの、実際の売却に至る前の経済的苦境立たされている物件をまとめてDistressed Property(ディストレス プロパティ)と呼びます。
本音では元々の所有者も売却をしたいわけではなく、
- 差し押さえ前物件
- 差し押さえ後物件
- 回収対象物件
- 銀行が所有する不動産(REO)
或いは個人的な財政上の理由で売り出されている物件がDistressed Property(ディストレス プロパティ)です。
通常はこれらの物件は最高入札者が物件を手にするオークションを通じて販売されています。
その性質上、これらの家は市場価値よりもはるかに低い価格で提供されるもので、その安さから投資家にも人気があるのです。
Distressed Property(ディストレス プロパティ)について、明日に続けます。
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