アメリカ不動産への直接投資、プロ案件への出資で将来の自分基金を着実に育て上げていきましょう。
→ 最新の案件詳細はこちらから
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
シリコンバレー銀行破綻の原因とその影響についてお伝えしています。
本年3月10日にシリコンバレー銀行が破綻して以降一気に金融不安が広がっていますが、直後に同行は米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に置かれ、
- FRB(連邦準備制度理事会)
- U.S. Department of the Treasury(米国財務省)
- FDIC(連邦預金保険公社)
がシリコンバレーバンクの全ての預金者を保護すると発表。
それからは市場はやや落ち着きを取り戻したかに見えます。
けれども世界中の投資家の間でも
「ここからは大丈夫そうだ」
「いや、破綻する銀行はまだまだ増えて、金融危機も2008年の比ではないだろう」
と二分される中で、私(佐藤)個人的には
「FRBによる政策金利上昇に真因がある以上、同様の事態に陥る金融機関はまだ増えるのではないか」
「連鎖的な金融不和は不可避ではないか」
と見ています。
シリコンバレー銀行破綻の流れを追っていますが、引き続きその真因をさぐりながら、不動産市場への影響を見てていきましょう。
本日も続けます。
取り付け騒ぎが再び起こる
昨日の続きとなりますが、シリコンバレー銀行破綻の一番の外因は政策金利の上昇です。
順番としては
1.パンデミック直後に政策金利が極端に下がる
2.政策金利を上げ、急激に金融引き締めが始まる
という流れで、シリコンバレー銀行は「1」の時期に満期保有型の債券を大量購入していた経緯があります。
単純に、今の「2」の時期にこれらの「低リスク」資産のリターンは、市場価値の半分以下になってしまったのです。
そして「1」の満期保有型とは文字通り、その債券を満期まで保有することになります。
ということは、この債券は売却しない限り、評価替えがなされることはありません。
結果として低リスクたけれどもリターンの低い債券を大量に保有していたシリコンバレー銀行は含み損の山を抱えたのでした。
実際にシリコンバレー銀行の報告書を見ると、2021年に雲行きが怪しくなる前に、このHTM(Held-to-Maturity)をどれだけ保有していたかが分かります。
そしてここに針を刺したのが2022年後半のハイテクブームの崩壊です。
Facebookは2回にわたって1万人以上の従業員を解雇し、Amazonは先に1万8000人を解雇した後に9000人を解雇、Twitterはほぼ4000人を解雇し、それに続き多くのハイテク企業も同様に解雇を実施しています。
パンデミック下のハイテクブームは終焉を告げ、ハイテクに依存した銀行が預金残高を大きく圧迫されたわけです。
加えてこのインフレ下において人々の貯蓄は大きく減少しはじめ、銀行預金残高そのものが減少していきます。
結果としてシリコンバレー銀行の預金はこのような圧力(預金引き出し)にさらされ、資本調達が必要となったのでした。
けれども資金調達をする上ではHTM債を売却する必要があり、それは含み損に直結し、ポートフォリオ全体を評価し直さなければならないことになります。
当時シリコンバレー銀行のCEOであるグレッグ・ベッカー氏は投資家との電話会談にて問題はないことを強調しつつも、
「シリコンバレー銀行がこれらの債券の多くを売却した場合、税引き後18億ドルの損失を計上することになり、22億5000万ドルを調達する必要がある」
と述べ、ベッカー氏の安堵を呼びかける言葉よりも数字からパニックが起こり、銀行への駆け込み需要が発生したのです。
ちなみにシリコンバレー銀行は事実上、他のすべての銀行と同様に「部分準備銀行制度」を採用しています。
部分準備銀行制度とは簡単にいえば、銀行は預かった預金のすべてを手元に置く必要はなく、ほんの一部(通常は10%)を保有していればよいのです。
例えば10%の準備金があり、ある銀行が100ドルの預金を保有している場合、900ドル程度の融資が可能です。
そんな、本当は10%しか保有しない状態では、預金者が一斉に引き出しを求めてくると銀行はたちまち破綻してしまいます。
事実、アメリカ史上このような銀行破綻は何度も発生しています。
そして今回、似て非なる形で破綻したのがシグネチャー銀行でした。
シグネチャー銀行の場合、シリコンバレー銀行と同じHTM債から7億6200万ドルもの含み損を抱えていました。
シグネチャー銀行の場合はより深刻な問題があり、その預金者の20%ほどが仮想通貨企業顧客で占められていたのです。
結果として、仮想通貨企業を主要な取引先として事業を展開していた商業銀行のシグネチャー銀行が、ニューヨーク州銀行当局によって閉鎖されることとなりました。
実際のところ、規制当局によってシグネチャー銀行が閉鎖された原因についてはまだ曖昧な部分があります。
シリコンバレー銀行に至っては手元資金不足だったという証拠は出ておらず、2008年に発生したサブプライムローンの類となる「有害資産」を抱えていたわけでもありません。
けれども数字上一つだけ確かなことは、これらの銀行を事実上破綻させたのは、
「高インフレの中で、安全なはずの債券を大量に保有していた」
ことです。
今回の破綻は
⇒ 金利の急激な上昇
⇒ 満期保有型債券の特異な評価方法
ここに確かな原因があるように思われ、たられば論はいくらでも語れるものの、これら2銀行の破綻は起こるべくして起こったのかもしれません。
明日に続けます。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。