こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
全米のInventory(在庫)から地域市場のInventory(在庫)に目線を移しています。
Inventory(在庫)をして市場の先を読み取らんとする時には注目する地域市場において
全体のInventory(在庫)数
新築物件のInventory(在庫)数
の双方を観察する必要があります。
言い換えると
a … 全体のInventory(在庫)の推移
b … 新築物件のInventory(在庫)の推移
をして
中古物件のInventory(在庫)の推移 = (a - b)
となるわけで、
「中古在庫はどのように推移しているのか」
「そのうち、新築在庫はどのように推移しているのか」
を見ることで、より広く見立てることが出来るのです。
そうした時に、サンアントニオ市場ではInventory(在庫)を見るだけで
「当地のデベロッパー各社は老舗が多い」
「デベロッパー各社はサンアントニオ市場のポテンシャルを深く理解している」
と見立てることもできます。
全体のInventory(在庫)の推移はもとより、新築のInventory(在庫)の推移が経済の動きにほぼ合致する場合は、相当なレベルでデベロッパーは先を見立てる必要があるからです。
もっぱらこの先の見立てはそれほど高度な技術が必要とされるわけでもなく、ある意味業界においては十分に経験値のあるデベロッパーは対応が出来るレベルのものです。
結論、サンアントニオ市場においては増え続ける人口に対して十分な住宅供給は約束されておらず、
需要 > 供給
のバランスから
「サンアントニオでは物件価格の上昇傾向は続く」
という予測が成り立つと思います。
そこでここからは目線を西海岸はカリフォルニアに移してみましょう。
Inventory(在庫):カリフォルニア州
同州はアメリカで最大の人口を擁する州ですが、税金の高さにより
法人
個人
が州外に出る割合が続いています。
とりわけカリフォルニア全体としては

このように人口は下降傾向にあり、生活コストの高さが根本的に改善されない限り、人口はネバタ州やテキサス州等、税制で優遇される地域に奪われ続けることになりかねません。
そんな未だ人口そのものは最大ながらも人口減少が続くカリフォルニア州においてはInventory(在庫)はどのように推移しているのでしょうか。
このカリフォルニア州のInventory(在庫)の推移を検証するべく
全米
カリフォルニア州 全体
サンフランシスコ市場
ロサンゼルス市場
オレンジカウンティ市場
サンディエゴ市場
の順番に並べてみてみましょう。
Inventory(在庫) ~ 全米

Inventory(在庫) ~ カリフォルニア州全体

Inventory(在庫) ~ サンフランシスコ市場

Inventory(在庫) ~ ロサンゼルス市場

Inventory(在庫) ~ オレンジカウンティ市場

Inventory(在庫) ~ サンディエゴ市場

上記に一気に並べてみましたが、全米平均と並べることでより見えてくる特徴があります。
推移そのものは比例
全米とカリフォルニア州各地のInventory(在庫) を見比べてみると、Inventory(在庫)の推移そのものは振れ幅は違えども変化そのものは比例していることが分かります。
人口の場合は地域市場毎に大きく違いがあり、必然的に全米人口の総和の変化とも乖離が出てきますが、興味深いことにInventory(在庫)の変化はほぼ比例しているようです。
そしてその高下の振れ幅については市場毎に大きく違うことが一目瞭然に分かります。
カリフォルニア州の面積は日本の面積よりも大きい中で、
北カリフォルニア
南カリフォルニア
そして各地域市場で経済圏が出来ており、少し前にはカリフォルニア州をいくつかに分断する法案も挙げられていたほどです。
実際にInventory(在庫)の推移にも各地域市場の特徴が現れていますが、最も振れ幅が大きいのは
サンフランシスコ市場
です。
ご存知の通り当地の物件価格は全米随一であり、平均収入ではとても暮らせないことになります。
そしてInventory(在庫)の高下はかなり激しく、流動性の低い不動産市場にらしからぬ乱高下がInventory(在庫)には見受けられるようです。
そしてこの乱高下は紛れもなくコロナ以前から確認されており、
「人口が集中するサンフランシスコ市場ではInventory(在庫)の格差が激しい」
ということが分かります。
ここから、今度は新築物件の Inventory(在庫) と掛け合わせてみていきましょう。
明日に続けます。
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