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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
エクイティ投資におけるデューデリジェンスの進め方についてお伝えしています。
もっぱらアメリカ不動産のエクイティ投資ならずとも、いずれの投資事業においてもなされるべき手順は同じではないでしょうか。
数字を判断する以前にその土俵が間違っているのであれば、土俵の上にあるハコモノがどんなに素晴らしいものであったとしても投資として満足のいくリターンを返してくれる可能性は低いものです。
そうすると不動産投資の場合はやはりロケーションが先にきますから、
1.立地は文句なしか?
2.数字は自分の期待値を越えているか?
3.物件は問題ないか?
の順番で見ていくのが適切だと思います。
立地が良くないのなら数字を精査する意味はありませんし、数字が成立しないのであれば建物を精査する意味はないのです。
もちろん、
「ああ、この物件からの見晴らしは素晴らしい!」
「このアパート複合施設はすごく便利そうだ!」
そんな風に物件に暮らす人々の立場に立って物件を精査していくことは大切ですし、それがデューデリジェンスの一部であることは間違いありません。
けれども物件の詳細が大切なのは立地と数字が自分の基準値に見合う、もしくはそれ以上であるという前提があってこそです。
そこで昨日は「1」の立地条件はクリアしている前提して、「2」の数字精査について実例を見ながら詳細を見ていきました。
昨日登場した数字判断基準は3つ、
キャッシュフロー利回り率(Cash on Cash Return)
投資利回り率(Return on Investment)
内部収益率(IRR: Internal Rate of Return)
でした。
それぞれの定義は昨日お伝えしたとおりですが、この中で
「どの基準が最も大切なのか?」
といえば、間違いなくどれも大切です。
投資物件を数字で評価する際には一つの指標で判断するのではなく、このような重要な複数の数値で多角的に見ていきます。
丁度宝石鑑定士が手に取った宝石を様々な方向からジロジロと見定めるように、開発プロジェクトに対しても様々な尺度をもってジロジロと見つめながら吟味することになります。
例えばキャッシュフロー利回りが良かったとしても、投資利回りが甚だ悪いのであれば
「キャピタルゲインの乱高下があり得る」
ということかもしれません、投資利回りが良かったとしても内部収益率が甚だ悪いのであれば
「純利益が手元に残り切らない原因がある」
ということかもしれません。
反対に、それぞれの数値に対して
「どれくらいの数値が良好なのか?」
という問いの答えはあくまでも自分で定めるものです。
そこで各種の数値を吟味しながら投資案件としての優良度合いを推し量ることになりますが、今日はエクイティ投資における独特の数値基準、エクイティ・マルチプルについて押さえておきましょう。
エクイティ・マルチプル(Equity Multiple)
連日使用しているプロジェクション・オーバービューを今一度見ていきます。
プロジェクション・オーバービュー (日本語訳)
計画プロジェクト | 12階建ての中層賃貸アパートコミュニティ |
ユニット数 | 259ユニット |
ユニットの計画 | スタジオ、1ベッド/1バス、2ベッド/2バス、3ベッド/2バス |
居住エリア | 233,569平方フィート |
商業エリア | 地上1階の小売りスペース:29,535平方フィート + 専用オフィス:1,584平方フィート |
敷地面積 | 77,950平方フィート(1.78エーカー) |
平均ユニットサイズ | 902平方フィート |
設備・施設 | 屋上のプール、クラブルーム、ジム、公園、オフィス、子供用ルーム |
駐車場 | 3階建てのカバード駐車場(駐車スペース数:302) |
平均賃料率(1平方フィートあたり) | 月額賃料:3,941ドル(1平方フィートあたり:4.37ドル) |
総開発費用 | 総開発費:$181ミリオン(出資:$72.2ミリオン + 借入:$108.3ミリオン) |
投資期間 | 投資期間:3.5年 |
安定したキャッシュフローおよび現金 | 安定したキャッシュフロー利回り率:9.89% |
安定した投資利回り率(コストに対する) | 安定した投資利回り率(コストに対する):6.08% |
投資家の内部収益率(IRR) | 投資家の内部収益率(IRR):21.18%(投資家への純利益) |
エクイティ・マルチプル | エクイティ・マルチプル:1.90倍 |
エクイティ・マルチプルとは上の表の一番下の欄に書いてある数字です。
エクイティ・マルチプル(Equity Multiple)は不動産投資におけるパフォーマンス指標の一つで、投資家が投資から受け取る総額を初期のエクイティ投資で割ったものを表しています。
このエクイティ・マルチプルは投資期間全体を通じて投資家が得るリターンの全体規模を示す一方で、
- そのリターンはいつ得られるのか
- そのリターンが何年にわたって得られるか
といった時間軸の要素は考慮されていません。
やや乱暴に言うなれば、
「結局のところ、最後には投資した金額の〇倍が手元に戻ってくる可能性がありますよ」
という、およそ数値による判断基準各種の中で最も大雑把で、大局中の対局的数字といえます。
エクイティ・マルチプルの計算式は
エクイティ・マルチプル = 投資から受け取る総額 / 初期エクイティ投資額
となり、例えば今回使用している実例では1.90倍とされています。
1.90倍 = 投資から受け取る総額 / 初期エクイティ投資額
ですから、
1万ドルの投資で1.9万ドル
10万ドルの投資で19万ドル
100万ドルの投資で190万ドル
と、投じた資金のほぼ2倍が手元に戻ってくる可能性がある、ということになります。
ただし前述のようにエクイティ・マルチプルは投資全体のリターンを示す指標であり、その投資がどれだけの期間にわたってリターンを生み出したかという時間の要素は含まれていません。
だからこそ他の指標(本実例ではキャッシュフロー利回り率、投資利回り率、内部収益率)と一緒に考えることで、投資の全体像をより深く理解することが出来るのです。
明日に続けます。
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