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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
リアルタイムに市場に出ている実例を使って案件の見方を網羅しています。
マルチファミリー物件に限らずとも、物件を次々と精査していていくコツは
1.立地をみる
2.数字の概要を見る
3.物件の概要を見る
の順番で進めることです。
立地が問題なければ数字の精査に進み、数字上も自分の投資基準を満たしているのであれば、そこで初めて物件そのものの精査に入ります。
物件そのものの調査とは
土地の状態
物件内外の状態
をつぶさに調べる過程ですが、最後の過程は現場に足を運んでのフィールド調査を含む意になります。
実際に足を運ぶ場合、その物件が自分が暮らしている範囲内にあればよいのですが、1時間も離れているとフィールド調査にはそれなりの時間と労力をかけることになります。
その意味でも無駄足を踏むわけにはいきませんから、先に手元に届く数字を見て
「この案件は数字上でも自分の投資基準を満たしそうだ」
という確信を持ててから、実際に現場に足を運ぶわけです。
そこで昨日は数字の概要を見る過程で大まかな項目と数字を示しました。
概要というにはあまりにも少ない項目と数字に驚く面もあるかもしれませんが、数字を見ていくうえでも
結論の数字を先に見る
納得の結果であれば更に数字を見ていく
という順番が効率的です。
ここはある意味英語のエッセイの書き方と似ており、日本の文章構成は起承転結で展開していくことになります。
けれども英語の文章構成は結論が先であり
「結論は〇〇、なぜなら。。。」
の構成で進んでいきます。
その英語のエッセイ式に
「予想される数字の結果はこれ」
「なぜなら(なぜなのか)。。」
の順番に深堀した方が効率がよいと思います。
そこで昨日確認した最も大きな結論の数字を見ながら、それ以上進めるべきか否かを検証していきましょう。
数字の各項目を注視する
昨日示した項目と数字を改めて記載します。
Price Per SqFt | $443 PSF |
Price Per Unit | $516,667 |
GIM | 13.87 |
CAP Rate | 4.97% |
NOI | $770,209 |
BuildingSqFt | ±34,953 SqFt |
Land Area | ±27,557 SqFt |
# of Floors | 4 |
Parking | Subterranean |
Year Built | 2022 |
Zoning | LAR3 |
上から見ていきます。
Price Per SqFt
この最初の項目は「スクエアーフィート単位の価格」という意味で、1スクエアーフィートあたりが$443ということになります。
1辺が1フットの正方形の価格が$443というわけで、メートルでいえば
1フット(2以上の複数でフィート) = 0.3048メートル
の正方形の面積の価格が$443です。
このPSt(per square foot)単位の価格は住居用でもよく使われており、その地域のその時の市場でスクエアーフィート単位の価格は大まかに決まっていますから、
「この物件は安めだな」
「この物件は結構強気の価格だ」
ということがスクエアーフィート単位の価格の価格を見るだけでも分かるのです。
そしてこのハリウッド近郊の地域で$443 PSFはむしろ安い方であり、しかも一番最後の項目に2022年築とあるとおり、新築でこの価格は随分買いやすい値段だと判断できます。
Price Per Unit
次に書かれてあるのがUnit(ユニット:戸)単位の価格です。
この価格が
$516,667 / 戸
となるわけで、戸とはそのまま、マルチファミリー物件に入る一戸になります。
すなわち建物全体ではなく一戸の価格を示しており、このマルチファミリー物件を構成する各戸の平均価格が$516,66だということになります。
この一戸単位の価格も高い安いを簡潔に判断する上でよく使われる指標となっており、その地域のその時の市場で見受けられる一戸単位の価格をもって、全体が高めなのか安めなのかを判断できるわけです。
GIM
GIMとは「Gross Income Multiplier」の略で、アメリカの不動産、特にマルチファミリー物件の評価に使われる指標の一つです。
GIMは以下のように計算されます。
GIM = 物件の価格 / 年間の総収入
物件の価格がその物件から得られる総収入に対してどれほどの価値があるかを示しており、GIMが低いと物件価格が総収入に対して割安であることを示し、GIMが高いと物件価格が総収入に対して割高であることになります。
このGIMもその地域のその時の市場で大まかな相場が決まっており、GIMが13.87ということは、例えば年間総収入が$1,000,000であれば物件価格は$13,870,000というわけです。
このGIMは第三者的な要素をもつ強力な指標でもあり、その時の市場で相場が決まっているということは売主が自分で操作できる数字ではありませんからより客観的に
「売主の求める物件価格が高いか低いのか」
を見る尺度にもなるのです。
CAP Rate
そしてお馴染みのCAP Rateですが、この実例では4.97%となっています。
CAP Rate = 年間純収入 / 物件価格
であり、
物件価格 = CAP Rate / 年間純収入
ですから、物件価格の適正を見る上で非常に重要な指標なのです。
このキャップレートが上昇しつつある局面にあるということですが、このハリウッド近郊の新築マルチファミリー物件で4.97%とは確かに少し前と比べると高めの割合であることが分かります。
もっぱら、「盛った数字」であることを私たちは分かっているわけですが、それでも低く見ても4%以上であることが期待できるわけです。
数字の概要確認について、明日に続けます。
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