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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ不動産市場で物件供給を増やしていく方法の一つ、ゾーニングの解法についてお伝えしています。
「この地域では住居物件の建築を許可する」
「この一画では商業施設の建築のみ許可する」
「ここでは住居の中でも一戸建てのみを許可する」
という風に、ゾーニングと呼ばれる土地利用の定義はドイツからその流れを汲み、アメリカ不動産市場においても大いに活用されてきました。
私(佐藤)が暮らす区画でも
ここは教会区域
ここは学校区域
ここはショッピングモール
ここは住居物件
と、見事なまでにゾーニングに沿った区画整理がなされ、綺麗な街づくりがなされています。
このようなゾーニングは特に
住居物件
商業・工業物件
を棲み分けするのには大いに有効であり、仕事と住環境を区別して過ごしやすい街を実現するのに貢献しているのです。
けれどもゾーニングの歴史は決して穏やかではなく、その実はよそ(ドイツ)から導入されたゾーニング法をうまく使い、マイノリティや黒人社会を白人社会と隔てる為に使われてきた史実があります。
今でこそ見た目の差別はかなり減少したといえるものの、未だにヘイトクライムの類がニュースに登場するのは周知のとおりです。
差別問題は人種間の仲間意識に紐づく心理的な問題でもあり、根本的な隔絶はなかなか難しい課題。
アメリカ社会に暮らす立場として、私(佐藤)自身は今までにあからさまに差別を受けたことはありませんが、それでも白人社会が主流である事実は変わりようがありません。
そしてこのゾーニング法の差別への利用にしても当初はあからさまな使い方であったものの、今の時代にはその色は薄れてきていると言えます。
けれども法律上は
「どの人種でもウェルカムですよ」
とされつつも、やはり空気感としては当時の流れが完全に排除され、どの人種でもどこででも気軽に暮らせるようになったとは言い難いかもしれません。
平等に補足すれば、この件に関しては白人社会をやり玉に挙げる必要もなく、実際のところどの人種も
「自分と同じ人種で固まる方が安心」
という心理はあるものです。
日本人であれば日本人相手の方が安心するのは当然ですし、同様に
白人は白人同士でつるむ
黒人は黒人同市でつるむ
方が、喋っていて感覚的のも文化的にもマッチする相手の方が心地よさを感じるのは至極当然のことだと思います。
その意味で
「この地域は〇〇の人種が多い」
という場合、大元の流れはゾーニングの歴史上でその地域に同人種が固まった結果であったとしても、それはいつしかそこで暮らす人々も
「自分と同人種が多いこの地域の方が心地よい」
と考える場合も多いものです。
かくして物件供給の拡大を狙うゾーニング法の改正には、このような歴史的な背景を踏まえる必要があります。
過去のおもむろな人種差別利用から始まったゾーニング法は現在、形を変えてその改正に意を唱える意見が出ています。
ゾーニング法にちなみ現代版の壁を見ていきましょう。
ゾーニング法改定 ~ 州政府優越権に反対する理由
ここまでにお伝えしたとおりのゾーニングの不名誉な歴史、そしてその過去を払拭してくれるはずの
- ゾーニング開放による手ごろな価格の住宅開発
- 物件供給増による価格問題の解消
という明確なゴールにも関わらず、現実には
個人
地方政府
の双方が地方のゾーニング権限を制限する法律に依然として反対しています。
2020年のRedfin調査によると、
「アメリカ人の半数以上が新しい住宅開発奨励することを支持しているが、反面、自分たちの近隣で多世帯住宅の開発を許可する政策を支持する住宅所有者は27%のみ。」
という結果が出ました。
同様の2019年の調査では
「若者とマイノリティはより密集した住宅を支持する可能性が高い」
とされています。
結局のところ、不動産物件を資産とする個人にとって最大の懸念は「近隣の変化」と「財産価値の低下」です。
確かに、需要の増加なしに住宅供給が増えると急速な価格上昇が抑制される可能性は事実です。
けれども過去のミネアポリスからの事例から、少なくとも初めは開発潜在力が財産価値を高めることが証明されているのも事実。
市域内の住宅とゾーニングの変更に影響を受けない住宅を比較した初期の研究では、一戸建てゾーニングの撤廃により、その地域の一戸建て住宅の販売価格が3%から5%上昇したとされています。
とはいえ、データによって一戸建ての住宅所有者が説得されるとしてもその影響は一時的なものであり、地方自治体としては州政府による越権的なゾーニング法へのテコ入れに強く反発する場合が多くあります。
今回ご紹介したフロリダ州のLive Local Act(ライブ・ローカル・アクト)は圧倒的な支持を受けて可決されましたが、すべての州の取り組みが成功しているわけではないのです。
実例としてコロラド州知事は地方政府のゾーニング権限を覆す法案を導入しましたが、市当局と郊外の土地所有者からのクレームにより、民主党の上院議員たちは分裂し、結果として法案は否決されています。
そして実のところフロリダ州でも、地方政府はすでにLive Local Actに従うことに対する消極的な姿勢が見えています。
すなわち昔のような露骨な差別利用はないものの、
「物件の供給増を狙うゾーニング法改定は良いと思います」
「けれどもそれは、私の裏庭ではやらないでくださいね」
そんな意図が垣間見えるのが現在なのです。
明日に続けます。
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