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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ不動産市場の今について、特に
「なぜアメリカ不動産市場は暴落が起こらないのか?」
というご質問の答えの参考になる線をお伝えしています。
アメリカ不動産市場では不動産価格が高騰し、数十年ぶりの高い住宅ローン金利、そして多くの経済的不確実性を背景に2023年には住宅市場の修正が予想されました。
その大方の予想は
「価格は大きく下がる」
というものでした。
私(佐藤)自身は年頭の項で
全米平均としては昨年までの流れを引き継いで本年2023年も価格調整は続く見込みですが、相対的には
「買い手市場」
の傾向はより顕著になり、物件購入を待ちわびていた方々にとってより有利な展開が可能な年となるのではないでしょうか。
と書いていますが、これは半分正解で半分外れです。
買い手が有利な交渉が起こりつつも、多くの人々は
「この高額な金利では動けない」
状況が続いています。
また多くの市場では予想されたような値崩れは起こらず、逆に、価格はほとんど変動していないか、一部の報告によれば実際には上昇すらしています。
住宅市場に逆風が吹いているにもかかわらず、アメリカ不動産価格はなぜこれほど強固なのでしょうか?
今日はこの点を考察してみましょう。
ヒントは経済の仕組みにあり
市場経済におけるすべての価格、すなわち不動産価格は供給と需要によって決まります。
ここは簡単なおさらいになりますが、供給とは基本的に販売される「もの」の量です。
住宅市場ではこれを在庫(インベントリー)と呼びます。
需要は、販売されている「もの」を購入したい人々の数です。
住宅市場ではこれは投資家と住宅購入者になrます。
供給と需要はそれぞれスペクトラム(経済学では曲線)上で動き、その二つの曲線が交差する点を「均衡」と呼びます。
均衡とは市場がその時点で支えられる価格と総量です。
例えば2022年7月時点でのアメリカ住宅市場の均衡は、平均価格が415,000ドルで527,000軒の住宅が売れた状態でした。
そして昨夏以降、供給と需要は大きく変動しました。
高インフレーションのためにFRB(連邦準備制度)が政策金利を引き上げ、住宅ローン金利もそれに伴い急上昇しましたことにより、需要が減少しました。
供給と需要の基本原則によれば、物価が上がると需要は下がることになります。
住宅ローンバンカー協会の購入指数を見ると購入用の住宅ローンの需要が、金融危機後よりもさらに低下しているのです。
これは金利が上昇したことによる予測された結果であり、多くの専門家が
「2023年に住宅価格が下がるだろう」
と予測していた理由です。
そして供給(住宅市場の場合は在庫)が一定のままであれば、この価格下落の考え方は成り立ちます。
けれども現時点で実際にはそうなっていません。
実際の在庫は2022年のレベルから減少しており、これは主に「ロックイン効果」によるものです。
数字としては、2022年7月の在庫は約124万でしたが、2023年7月には約98万にまで減少しています。
このように供給と需要が同時に比例して減少すると何が起こるでしょうか?
答えは
「価格は比較的安定し、数量(販売量)は減少する」
です。
均衡は依然として変動しますが、それは数量の面のみであり価格ではありません。
このような価格安定と販売量の減少を私たちは今のアメリカ不動産市場に見ているわけです。
かくして本年2023年の夏を通じて住宅価格は年間で比較的安定していましたが、販売量は15%減少しています。
当然ながら将来何が起こるかは誰も正確に予想できず、供給と需要のバランスも常に変動していきます。
けれども本年2023年までに何が起こったのか、市場がなぜ下落しなかったのかを理解するとすれば、前述の需要と供給バランスが答えになるのです。
2024年の傾向は?
今のままの流れで行くと、来年2024年はどのような傾向が出てくるでしょうか?
まずほぼ間違いないと思われるのは、供給が急激に増加することは考えられません。
そして先に触れた「ロックイン効果(Lock-in Effect)」とは、特定の状況において個々が現状から変更することが難しい、または不利になるような状態を指します。
アメリカの不動産市場においては、ロックイン効果は主に住宅ローンの利率や税制に関連するものです。
例えば現在の住宅ローンの利率が非常に低い場合、住宅所有者は新しい家に移る(つまり売却して新しい家を購入する)と当然新しいローンの利率は今の高い利率になってしまいます。
結果として、低い利率でローンを組んでいる現在の住宅に「ロックイン」されてしまうわけです。
このようなロックイン効果は心理学的に起こり、差し押さえも歴史的にみて平均よりも低い状態にあります。
新築市場は順調なものの、建築に時間がかかるため、すぐに在庫に影響を与えることは考えられません。
そのため住宅ローンの金利が下がっていかない限り、市場に出てくる物件数が大幅に増加することは考えにくいのです。
来年に向けても今の傾向は続き、市場に大きな変化をもたらすカギはやはりモーゲージ金利の変化が握っているように思います。
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