こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アパート物件レベルの調査方法についてお伝えしています。
昨日はアパート物件調査について、まずはお金のかからない外観や周辺地域の調査方法からお伝えしました。
「不動産はロケーション・ロケーション・ロケーション」
と呼ばれるとおりで、後にも先にもロケーションが最も大切です。
その意味では物件と同時に周囲の環境もよく下調べする必要があるでしょうし、別の言い方をすれば、この最初の外観や周辺地域の調査の段階で自分が気に入らないようであれば、それ以上の調査は進める必要がないことになります。
そこで昨日お伝えした手順で外観や周辺地域のチェックでは合格したとして、その次は本格的な調査に入ることになります。
ここから、専門家を雇ってのアパート物件の本格的な調査方法について見ていきましょう。
専門家に依頼しての物件検査の実施
アパート物件の更なる調査を決めたら、そこから本格的な物件検査を行う必要があります。
(注:厳密には本格的な調査が出来るのは購入契約が結ばれてからです)
これには、アパートの検査を専門とするプロフェッショナルな物件検査士を雇う必要があります。
専門家が見るのは屋根から基礎まで全てです。
ここでは、プロの調査を活用する5つのヒントを見てきます。
全戸を検査する
専門家から見積もりを取る際、通常は
「一部の戸を検査するか」
「それとも全戸を検査するか」
を尋ねてきます。
この時は一部の戸ではなく、確実に全戸を検査するようにしましょう。
一部のみの検査を行うと、それなりの確率でテナントが入居中の戸の調査を見逃す可能性があるからです。
結果としてテナント入居中の戸を見逃すことで退去させた後に結構な修繕費がかからないとも限りませんので、確実に全戸の検査は完了した方がよいです。
調査を調査する(調査中は現場にいる)
物件調査が実施される際、自分も必ず現場にいるようにしましょう。
アパート物件の調査ともなると多額のお金が発生する為、専門家一人に入らせて報告を待つだけでは不十分です。
かつ調査中は常に
「あなたの調査ぶりを見ていますよ」
と言わんばかりに、検査を行う専門家の周りをウロウロするようにしましょう。
たとえば、検査を見たいと言っていた投資家がいましたが、朝から昼まで携帯電話を使っていました。
とかく調査時間に必要なのは集中力です。
ちょっとしたことを見逃すことで数万ドルの修理費がかかる場合も起こり得ますから、
⇒ 専門家の調査を調査(仕事ぶりを監視)
⇒ 自分も目視確認に集中する
の式で進めましょう。
プロパティマネージャーを連れて行く
プロパティマネージャーは異なる視点から物件を見ることができます。
地元に詳しく、アパート運営に慣れているのが彼らです。
そしてプロパティマネージャーは運営者の観点から、そして投資の観点から物件を見てくれます。
この別の角度からの視点は非常に大切ですので、プロパティマネージャーを物件調査に連れていくことは吉と出るのです。
必要に応じて屋根屋、電気技師、配管工を連れて行く
屋根が傷んでいると思えば、屋根屋を連れて行く必要があります。
また配管が古ければ配管工を呼ぶという式で、いずれにしても後の修繕の見積もりでは再び他の業者に来てもらう必要がありますから、契約期間の物件に入れる間に全てを熟知するべく、必要な業者は全員連れていきましょう。
調査全体に立ち会う
かくして大型のアパート物件であったとしても、全調査に立ち会うことが望ましいです。
5戸を完全に調査するには約半日かかり、50戸であれば2日かかるかもしれません。
その間ずっと、調査に立ち会うのです。
物件検査チェックリスト
かくして物件調査の段取りは上記の通りですが、アパート物件調査で特に注意すべき基本事項は以下の通りです。
屋根の検査
屋根の修理や交換は大きなアパート建物で最も費用がかかるため、屋根を最優先に挙げます。
機械システムの検査
HVAC、暖房機、エアコンなど。専門家がその寿命を伝えるか、またはHVACの専門家に確認させます。
例えば、地下にある暖房機の交換は12,000ドルかかるため、不具合を見逃すわけにはいきません。
構造検査
基礎、バルコニー、支え壁、排水システム、全ての壁、クロールスペースを検査します。
電気検査
電気検査は広範囲にわたりますが、特に注意すべき点を2つ挙げます。
一つ目は、ZinscoやFederal Pacificの電気パネルが使われていないかを確認することです。
これら2つのメーカーは70年代の設置以来、火災を起こすことが知られています。
二つ目はアルミニウム配線の確認です。
アルミニウムは電気の良い導体ですが、熱くなりやすく、時には過熱して火災を引き起こすことがあります。
配管検査
例えば、24戸の中で水漏れの蛇口が見つかった場合、一つの水漏れの蛇口で月に100ドルの水の無駄遣いになります。
漏れている蛇口が複数あれば、その損失はさらに増えます。
建物内部の検査
リビングルーム、バスルーム、キッチンなど、ユニット内部をチェックし、問題点を報告します。
。。。
やや大まかに見てきましたが、上記の手順で全体を網羅していきましょう。
これらの項目
- 屋根
- 機械
- 構造
- 電気
- 配管
- 内部
に問題があれば、検査後に今度は業者を呼んで修理費用の見積もりを取る段階に入ります。
そこから、最終的に売主との交渉に入るのです。
アパート物件調査について、明日に続けます。
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