昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
物件売却のタイミングについて、
不動産市場の状況:供給と需要のバランス、市場の動向
現地の経済状況:雇用率、経済成長、産業の健全性
金利と融資条件:金利の高低、ローンの利用しやすさ
物件の状態:修繕の必要性、アップグレードの状況
税制と政策:不動産税、キャピタルゲイン税、政府の規制
レンタル市場の状況:家賃の水準、入居率
保有期間:キャピタルゲインの計算、売却による利益
個人の財政状況:現金流の必要性、投資ポートフォリオの調整
将来の市場予測:長期的な市場の見通し、成長見込み地域
個人のライフスタイルや目標:移住、退職、資産の再配分
の項目でお伝えしています。
昨年、近所に住む知人が家を購入する話になりました。
私(佐藤)が不動産ブローカーであることを知っていた彼は物件探しを依頼してきたためにいくつかの物件に案内。
そしてご夫婦で
「これに決めた」
という物件にオファーをすることになりました。
ところがです。
オファーをするためには
「頭金とクロージングをカバーできる資金を持ち合わせている」
ことを証明するのが通常なのですが、この旨を予めご夫婦には伝えていたのですが、いざ本当にオファーをするタイミングまで銀行口座には最低限のキャッシュしか置いていなかったのです。
よく知られたことですが、アメリカ人の場合は日本人のそれとは真逆で、一般家庭でも資産のほとんどは現金以外で運用しています。
このご夫婦も普段は資産のほとんどを現金以外にしていた為、いざ欲しい物件が出てきた際にすぐに銀行口座内に現金を置くことが出来なかったのでした。
この時は売主側に交渉して事なきを得ましたが、いざ現金が必要な場合は前もって余裕をもって進めておく必要があるかと思います。
そして不動産資産の場合はなおさら、現金化するには時間がかかりますので、売却のタイミングを踏まえて現金化するための予定は予め立てておく必要があります。
そこで今日は売却のタイミングを推し量る要素の一つとして、個人の財政状況を基準にする場合について見ていきましょう。
売却の検討 ~ 個人の財政状況から
個人の財政状況を物件売却の起点とするポイントは、個人が短期的な現金ニーズに対応する必要があるか、または長期的な投資戦略として資産の配分を最適化したい場合です。
このような状況では現金化を通じて財政的な柔軟性を高め、よりバランスの取れたポートフォリオを達成するための動機となります。
- 現金流の必要性
- 投資ポートフォリオの調整
という2点から、深掘りしてみましょう。
現金流の必要性
「現金流の必要性」が不動産売却のきっかけになる場合、これは通常、個人の生活状況や急な財政的要求がきっかけになります。
例えば、ある人が突然の医療費や教育費に直面したとします。
高額な医療手術や子供の大学教育は、予想外の大きな出費を伴います。
特に保険がカバーしきれない医療費の場合、患者やその家族は資金を確保するために不動産を売却することを検討することもあります。
同様に、奨学金や教育ローンが足りない場合、親は子供の教育資金を捻出するために不動産を売ることを考えることがあります。
別のシナリオでは、経済的に困難な時期、例えば失業や収入減に直面した際に、個人は日々の生活費や家計の維持のために不動産を売却することを選ぶかもしれません。
長期間の収入減による財政的な圧力は、家や投資用不動産を手放すことを余儀なくされる場合があります。
また、退職計画においても「現金流の必要性」は重要な役割を果たすものです。
退職後の生活に備えて、多くの人々は不動産を売却し、その資金を年金や退職後の生活費に充てるための資産に変換します。
これは特に、退職後の収入が大幅に減少する場合に重要です。
さらに、ビジネスの拡大や起業の機会がある際にも、「現金流の必要性」は不動産売却の動機になり得ます。
例えば、起業家が新しいビジネスを立ち上げるための資本を確保するため、または既存の事業を拡大するために不動産を売ることを選ぶことがあります。
このように、個人が直面するさまざまな経済的課題や人生の転機は、「現金流の必要性」に基づいて不動産売却を行う大きな理由となり得ます。
それは、緊急時の資金確保、教育投資、生活維持、退職計画、ビジネスチャンスなど、多岐にわたる状況での重要な財政的決定なのです。
投資ポートフォリオの調整
「投資ポートフォリオの調整」が不動産売却のきっかけになる理由は、個人の投資戦略や市場状況、生活ステージに密接に関連しています。
投資ポートフォリオは、リスクとリターンのバランス、投資の多様化、そして個人の財政的目標に基づいて構築されているものです。
たとえば、ある投資家が若い頃に不動産に重点を置いて投資した場合、時間の経過とともにその不動産投資は価値を増すかもしれません。
けれども年齢が上がるにつれて、彼または彼女はよりリスクが少なく流動性の高い資産への移行を考えることが一般的です。
この場合、不動産を売却して株式や債券などの金融商品に投資し直すことで、ポートフォリオのリスクを下げ、より安定した収益を目指すことができます。
また、市場の変動に応じたポートフォリオの調整も、不動産売却の重要な動機となります。
例えば、不動産市場がピークに達した時、賢明な投資家は市場の頂点で不動産を売却し、その資金を他の市場セクターや資産クラスに再投資することで、ポートフォリオのリターンを最大化しようとします。
逆に、不動産市場が下落期にあるときには、他の資産クラスへの移行によってリスクを分散し、資産全体の保護を図ることが目標となり得ます。
また、特定の人生のイベントも、ポートフォリオの再調整を必要とする場合があります。
例えば、結婚や子供の誕生、退職などのライフイベントは、財政的な優先順位やリスク許容度に変化をもたらすことが多く、その結果、不動産資産を売却し、よりリスクが少ないまたは必要な現金流を提供する資産に再投資することが適切とされることがあります。
このように、「投資ポートフォリオの調整」においては、不動産売却は市場条件、個人の年齢や生活段階、リスク許容度などの要因に応じて戦略的に利用される重要な手段です。
これにより、個人は財政的安定性を保ちながら、より有効な投資戦略を追求することができるわけです。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。