ホノルル市 ～ 産業セクターにおける雇用状況

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

ハワイ市場について、昨日は雇用環境についてホノルル市を中心に俯瞰してみました。

ここからさらに深堀して、かなり細部にわたりホノルル周辺の産業についてとらえてみましょう。

おぼろげながらも大枠を把握することで、不動産需要にとって大きな要素となる雇用成長の機会を探ってみます。

まずはDataUSAから、セクターごとの産業を一通りみてみましょう。

まず全体的な雇用者数の統計を見てみると平均的な雇用者数は約61,678人であり、最大値は131,400人、最小値は6,300人です。

これはセクターによって雇用者数に大きなばらつきがあることを示していますが、その中央値は45,750人で、四分位範囲（IQR）は78,625人です。

ということは、一部のセクターが他のセクターに比べて著しく多くの雇用を抱えていることを示唆しています。

それを雇用者数の成長率を見てみると平均は-0.17%で、全体として雇用がわずかに減少していることがわかります。

けれども成長率の標準偏差は13.47%と大きく、セクターごとに成長率に大きな変動があるようです。

成長率の最大値は96.16%、最小値は-58.94%で、特定の月におけるセクターの雇用者数が急増または急減したことがわかります。

ここから、セクターごとに簡単に見ていきましょう。

Mining, Logging, and Construction（鉱業、伐採、建設）:

このセクターの雇用者数は比較的安定しており、季節による変動が見られるものの、大幅な増減はありません。

具体的には、雇用者数は6,300人から最大で37,400人の範囲で推移しています。

これはこの産業が天候や季節に大きく依存しているためです。

例えば、建設業は冬季に活動が減少する傾向があります。

Manufacturing（製造業）:

製造業は他のセクターに比べて雇用者数が多く、一定の成長を示しています。

製造業の雇用者数は26,375人から105,000人の範囲で推移しています。

製造業は一般に景気の影響を受けやすいですが、データによると、このセクターは安定した雇用を維持しているようです。

このことはすなわち、製造業が依然として重要な雇用源であることを示しています。

Trade, Transportation, and Utilities（貿易、輸送、公益事業）:

このセクターは雇用者数の変動が比較的大きく、特に季節要因が影響している可能性があるようで、雇用者数は45,750人から最大で131,400人に達します。

消費者需要や物流の変動に敏感であり、ホリデーシーズンやセール時期には雇用が増加する傾向があります。

Information（情報産業）:

情報産業は雇用者数の変動が少なく、安定した成長を示しています。具体的には、雇用者数は45,750人から105,000人の範囲で安定しています。

これは、情報産業がデジタル化の進展に伴い、継続的に成長していることを反映しており、特に、テクノロジー関連の職種は高い需要があります。

Financial Activities（金融活動）:

金融活動は雇用者数が安定しており、大きな増減は見られません。

雇用者数は26,375人から105,000人の範囲で推移しています。

金融業界は規制や経済政策の影響を受けやすいものの、全体として安定した雇用を提供しています。

Professional and Business Services（専門職およびビジネスサービス）:

このセクターは大きな成長を示しており、雇用者数が著しく増加しています。

雇用者数は45,750人から105,000人の範囲で推移しています。

これは企業がアウトソーシングやコンサルティングサービスを利用する傾向が強まっていることを示しており、特に技術革新やビジネスプロセスの効率化が進む中で、このセクターの需要は高まっているようです。

Education and Health Services（教育および医療サービス）:

教育および医療サービスは安定した成長を示しており、特に季節による変動が少ないことが分かります。

雇用者数は26,375人から105,000人の範囲で推移しています。

このセクターは公共の福祉と直接結びついており、常に一定の需要があります。

特に、高齢化社会において医療サービスの需要が増加していることが影響しています。

Leisure and Hospitality（レジャーおよびホスピタリティ）:

季節による変動が大きく、特定の月に雇用者数が急増する傾向があります。

具体的には、雇用者数は26,375人から105,000人の範囲で推移しています。

これは、観光シーズンやホリデーシーズンに影響を受けやすいことを示しており、このセクターはまた景気の影響を受けやすく、不景気時には雇用が減少する傾向があります。

Government（政府）:

政府セクターは安定した雇用を提供しており、大きな変動は見られません。

雇用者数は26,375人から105,000人の範囲で推移。

政府関連の仕事は公共サービスの維持に必要不可欠であることから、雇用は安定しています。

上の統計から、ホノルル市近辺では専門職およびビジネスサービス、教育および医療サービスのセクターは安定した成長を示しており、レジャーおよびホスピタリティのセクターは季節要因による大きな変動が見られます。

かつては農業の島であったはずのハワイが、今では全く違った姿になっていることがよく分かるのではないでしょうか。

ここから、産業ごとの給与所得ついてみていきましょう。

明日に続けます。