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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
米国の医療制度は、その発展において多くの変遷を遂げてきました。
20世紀初頭には、医療は主に自己負担であり、医療保険制度はほとんど存在しませんでした。
けれども第二次世界大戦後、企業が従業員に医療保険を提供するようになり、1965年にはメディケアとメディケイドが導入されました。
これにより高齢者や低所得者層への医療費補助が行われ、国民の医療を受けられる体制が大幅に向上したのです。
そして現代。
現在の米国では、医療債務が大きな問題となっています。
CFPB(Consumer Financial Protection Bureau)の報告によると、2022年時点で約1億人のアメリカ人が何らかの形で医療債務を抱えているとのこと。
この債務は住宅ローンや自動車ローンなどの大口借入に影響を及ぼし、多くの人々の経済的な安定を損なう要因となっています。
例えば高額な医療費が発生すると、患者はその支払いのためにローンを組む必要があり、その結果に信用スコアが低下します。
これによりさらに借り入れが難しくなり、住宅購入や車の購入が制約されます。
特に低所得者層や無保険者にとって、医療債務は経済的な負担を増大させるだけでなく、医療アクセスそのものを阻害する要因となるのです。
数字にすると、アメリカの家庭の約17%が医療債務を抱えており、その合計額は約880億ドルにも達しています。
特に、低所得世帯や少数民族の間で医療債務の負担が大きいとのこと。
また2021年のデータによると、医療債務を抱える人々の約半数がその支払いに苦労しているというのです。
医療債務を除外する動き
このようなアメリカの医療債務事情を背景に、バイデン政権は医療債務を信用報告書から除外する新たなルールを提案しています。
このルールは、多くのアメリカ人が住宅ローンや自動車ローンを取得する際の障害を取り除くことを目指しています。
具体的には医療債務が信用スコアに与える影響を排除し、借り手が経済的に安定するための支援を行うことが目的とのこと。
この新しい政策が実現すれば多くの人々が信用スコアの向上を享受し、より良い金融条件でローンを取得できるはずです。
けれども予想に容易いと思いますが、この政策にはいくつかの課題もあります。
例えば医療提供者や病院は、患者からの支払いを確保するために前払いを要求するケースが増える可能性があります。
また、医療債務の削減がインフレに与える影響も懸念されるものです。
そうすると、このバイデン政権が提案する医療債務を信用報告書から除外する政策が不動産市場にどのような影響を与えてくるのでしょうか。
今のところ予想されるのは、以下のような点です。
信用評価の歪み
医療債務を信用報告書から除外することで、多くの人々の信用スコアが向上することが予想されます。
けれどもこれにより貸し手が借り手の真の信用力を評価する能力が低下する可能性は少なくないはずです。
信用スコアが実際の支払い能力を正確に反映しなくなるため、リスクの高い借り手が市場に参入しやすくなります。
貸し手のリスク増大
そして医療債務の除外により、貸し手は借り手の信用力を適切に評価できなくなる可能性があります。
その結果、貸し手はリスクをカバーするために金利や手数料を引き上げる必要が出てくるではないでしょうか。
これにより住宅ローンのコストが全体的に上昇し、借り手にとっては負担が増えることになります。
住宅価格の上昇
また医療債務が信用報告書から除外されることで、多くの人々が住宅ローンを取得しやすくなると予想されます。
これは住宅市場への需要を増加させ、結果として不用意に住宅価格の上昇を引き起こす可能性があります。
いわゆる信用不安のある層が物件を購入することで市場が湧くことそのものは多いに結構ですが、それが健全かといえば、それはまた別の話。
特に、現在の住宅供給が限られている状況では、需要の増加が価格上昇を一層加速させることが懸念されます。
インフレの影響
そして医療債務の除外は借り手の信用スコアを改善し、住宅ローンの取得を容易にする一方で、全体的なインフレを助長するリスクもあります。
住宅価格の上昇や貸し手のリスク管理コストの増加が、経済全体にインフレ圧力をかけることになる得るからです。
これにより連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制のため、さらなる金融引き締め政策を取る必要が生じる可能性も考えられるのではないでしょうか。
。。。
かくして、バイデン政権が提案する医療債務を信用報告書から除外する政策は多くのアメリカ人の信用スコアを向上させ、経済的な安定をもたらす可能性があります。
けれども不動産市場においては
信用評価の歪み
貸し手のリスク増大
住宅価格の不当な上昇
インフレの影響
といった問題点が懸念されるところ。
だとすれば、これらの影響を慎重に評価し適切なリスク管理を行うことが求められるはずです。
このクレジットチェックのプロセスにおける医療債務除外については、引き続きその後の進展を注視しておきましょう。
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