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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
ニューヨーク市で短期賃貸を厳しく制限する目的で2023年秋に施行された法律、Local Law 18(ローカル法18)をご存知でしょうか。
この法律は「短期賃貸ホストは市に登録を申請しなければ合法的に物件をリストできない」という登録制を導入しています。
エアビーアンドビーなどのプラットフォームも、登録が承認された物件のみをリストできるようになりました。
違反者に対しては厳しい罰金が課されることも規定されており、その主な目的は短期賃貸物件を減少させ、住宅価格を改善することです。
けれども皮肉なことに、施行後の初期の影響として
- 短期賃貸の減少
- ホテル料金の急騰
- 違法な賃貸市場の成長
などが報告されているようです。
ローカル法18の施行とその影響
試みとしてニューヨーク市は、ローカル法18の施行により短期賃貸を厳しく取り締まりました。
前述のようにこの法律の主な目的は住宅の手頃さを改善し、長期賃貸市場の供給を増やすことです。
ニューヨーク市では賃貸物件の供給が50年ぶりに厳しくなっており、最近の報告では住宅の空室率はわずか1.4%とのこと。
そこで市の当局は住民がより手頃に住宅を利用できるようにするべく、短期賃貸を制限することを決定した経緯があります。
そうやって制定されたローカル法18は、短期賃貸ホストが合法的に物件をリストするために登録を申請しなければならない規定です。
これによりエアビーアンドビーなどのプラットフォームは登録が承認された後にのみ手数料を徴収できるようになり、違反者には厳しい罰金が課されます。
この法律が施行された2023年秋の時点で、その施行前には10,000以上の違法なリストがあると推定されていました。
それが法律施行後、短期賃貸リストの数は22,246件から2023年10月には2,646件に急減したようです。
けれども多くのホストは短期賃貸を30日以上の中期賃貸に変更し、一時的な家具付きアパートを探しているゲストからの収入を引き続き得ようとする方向に転換しました。
結果、エアビーアンドビーのリストの総数は規則が施行されて以降も14%しか減少していません。
その一方でニューヨーク市では短期賃貸リストが急減して以来、ホテル料金の急騰と違法な短期賃貸ユニットのブラックマーケットの成長が見られます。
そのおかげで、ニュージャージー州の短期賃貸ホストはニューヨークに簡単にアクセスできる便利な立地の賃貸物件に対する急激な需要の恩恵を受けています。
そして観光客にとって宿泊施設を見つけるのはより高価で不便になりましたが、ニューヨークでの生活費は依然として高いまま。
短期賃貸収入に頼って住宅費を補っていた元ホストの中には、生活費を賄うのがさらに困難になっている人もいるようです。
今後の展望
もっぱら、新しい規則の影響は遅れて現れる可能性があり、ニューヨーク市の住宅環境の手頃さを改善するための他の取り組みや賃貸価格に影響を与える他の要因とともに、ローカル法18の影響を測定するのは時期尚早かもしれません。
その意味では他の都市が短期賃貸市場のより厳しい規制を検討する際に、今回のニューヨーク市の例を参考とするならば、この法律が価値のある試みであったかどうかを判断しにくいと思うのです。
現時点ではむしろ、ローカル法18はNYCのホテル業界にとって恩恵をもたらしましたといます。
結果として昨年のホテルの占有率は82%に達し、全国平均の63%を大幅に上回りました。
夜間料金は2022年以降8.5%上昇し、1泊平均300ドルを超える記録的な高値に達しています。
ニューヨーク市を訪れる家族は、通常、2部屋またはより高価なスイートが必要であり、多くの予算旅行者にとってニューヨークは宿泊料金だけでも手の届かない観光地となりつつあります。
同時に、冒頭のように違法な短期賃貸市場も急成長しつつあるようです。
Craigslist
などのプラットフォームでは違法なリストがすぐに見つかりますが、これらのルートはホストとゲストの両方にリスクをもたらします。
従来の予約サイトと比べてホストの責任保険、レビューによるホストの評判、支払い情報の安全な交換方法、あるいは紛争に対するサポートなどの保護が欠けているからです。
それでも、現実には低価格は時折十分な動機と言えます。
新しいリストを毎日または毎週投稿するInstagramアカウント
「Book That Sublet NYC」
には5,000人以上のフォロワーがついていますし、それでなくとも人々はニュージャージーでバケーションレンタルを探し、バケーションレンタルホストは需要の急増から恩恵を受けているのです。
。。。
かくして、ローカル法18の施行によりニューヨーク市の短期賃貸市場は劇的に変化しました。
ホテル業界は漁夫の利を得ましたが、住宅環境の手頃さという目的が達成されたかどうかは依然として不透明です。
違法な賃貸市場の成長やニュージャージーへの需要のシフトなど新たな課題も浮上しており、今後他の都市がニューヨーク市を参考にする際にはこのあたりの副作用もよく参考にする必要があるのではないでしょうか。
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