不動産取引は自分でやるべきか？

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

アメリカ不動産業界で起こった大型訴訟の結果を受けて、アメリカの不動産売買が大きく変わり始めています。

このタイミングで議論が再燃していることの一つが、

「そもそも、不動産エージェントは雇うべきか？」

です。

インターネットの発達で、物件情報がすぐに手に入る時代になりました。

「エージェントなんて要らないんじゃない？」

そんな声が聞こえてきそうです。

でも、それでなくとも終始英語で進められるアメリカ不動産取引は、思っている以上に複雑で奥が深いものです。

自分の人生最大の買い物、失敗は許されません。

そこで今日は、エージェントの本当の価値について、経験を交えながらお伝えしたいと思います。

最初に断っておくと、本項は自分のポジショントークではありません。

明日には本項とは全く正反対の

「エージェントは雇わずともよい論」

でいきたいと思いますが、その双方を読み比べながら、ここからの不動産取引をどのように進めるべきかを検討頂けると幸いです。

まずは、不動産取引の裏側から見ていきましょう。

物件を見つけるのは、実は氷山の一角に過ぎません。

その後にくるのは

• 契約
• 価格交渉
• 的手続き

これらすべてを自分一人でこなすのは、想像以上に大変です。

「でも、ネットで調べれば分かるんじゃない？」

そう思う方もいるでしょう。

確かに、情報は溢れています。

でも、その情報が正しいかどうか、自分の状況に本当に適しているのか。

判断するのは簡単ではありません。

しかもひとっからげにアメリカ不動産取引ではなく、その商習慣は地域市場毎に若干の違いがあります。

だからこそ、エージェントの真価が発揮されるわけです。

彼らは単なる「物件紹介屋さん」ではありません。

それどころか、クライアントの夢を実現するパートナーでもあります。

具体的に見ていきましょう。

まず、エージェントは市場のプロです。

彼らは日々、最新の物件情報や価格動向をチェックしています。

「この地域の相場はこのくらい」

「この物件は割高だけど、こっちは買い得」

そんな判断を、瞬時にできるんです。

そして、エージェントは交渉のスペシャリストです。

「もう少し値引きできないかな…」

素人がそう言っても、相手にされないかもしれません。

でも、エージェントなら違います。

「同じ地域で、こんな事例がありますよ」

「この物件の価値を考えると…」

という具合にプロの論理で、あなたに有利な条件を引き出してくれます。

そして、エージェントは法律にも精通しています。

不動産取引には、様々な法律が絡みます。

「この契約内容、本当に大丈夫？」

「この特約って、将来問題にならない？」

そんな不安、エージェントが全部解消してくれます。

さらに、エージェントは地域のコネクションを持っています。

「良い工務店を知らない？」

「信頼できる弁護士はいる？」

エージェントなら、これらの質問にすぐ答えてくれるもの。

実際、このあたりはすごく重要なのです。

良質なサポート体制があるかどうかで、取引後の生活の質が大きく変わってきます。

そしてエージェントの最大の強みは、クライアントの味方だということ。

利益相反のない中立的な立場で、売主/買主のどちらの立場でも、利益を最大化してくれます。

「この物件、本当にあなたに合ってますか？」

「もっと良い選択肢があるかも」

そんなアドバイスを、正直に言ってくれるのもエージェントです。

よくある疑問として

「エージェントを使うと、報酬を支払う必要がでますよね？どれくらいですか？」

というものがあり、当然タダ働きというわけにはいかず、手数料はかかります。

でも、考えてみてください。

プロの目利きで良い物件を見つけ、交渉で価格を下げ、トラブルを未然に防ぐ。

長い目で見れば、むしろプロを雇わない理由はありません。

「でも、自分で頑張れば…」

そう思う気持ちもあるかもしれません。

けれども私(佐藤)自身が当事者として率直に思うのは、プロの力を借りることで、想像以上の価値が生まれるものなのです。

不動産取引は、人生の大きな転機です。

新しい家族の誕生、仕事の変化、人生の節目…。

そんな大切な瞬間を、エージェントは全力でサポートしてくれます。

彼らは単なるビジネスパーソンではありません。

売主/買主の人生の伴走者ともいえます。

かくして、エージェントの存在意義が見えてきたのではないでしょうか。

彼らは、売主/買主の夢を実現するための強力な味方。

プロの知識と経験、そして熱意を、最大限に活用しない手はありません。

不動産取引の世界は、思っている以上に奥深く、やりがいもあります。

けれども一人で挑むには、少し難しすぎるかもしれません。

そんなとき、エージェントの存在が、売主/買主の大きな力になるはずです。

「でも、どうやって良いエージェントを見つければいいの？」

ということになると、やはり無難なのは口コミの活用です。

友人や家族で、最近不動産を購入した人はいませんでしょうか。

彼らの経験談は、とても貴重です。

「この人は親身になって相談に乗ってくれたよ」

「あの会社は、アフターフォローがしっかりしてるね」

そんな生の声は、何よりも信頼できます。

そして次に、インターネットのレビューをチェックしてみましょう。

とはいえ、ネット上の情報は玉石混交です。

極端に良い評価や悪い評価は、少し割り引いて考えた方がいいかもしれません。

あくまでも全体的な傾向を見ることが大切です。

そして、直接会って話を聞くことをおすすめします。

電話やメールでのやり取りも大切ですが、顔を合わせての対話には価値があります。

「この人なら信頼できそう」

そんな直感は、意外と大切なんです。

そしてエージェントを選ぶとき、資格や経験ももちろん大切です。

でも、それ以上に重要なのは、あなたの話をよく聞いてくれるかどうか。

「この家に何を求めているの？」

「将来の計画は？」

「今の不安は？」

そんな質問を、真剣にしてくれるエージェントを選びましょう。

なぜなら、不動産取引は単なる物件の売買ではないからです。

それは、売主/買主の人生の一部を形作る大切な選択でもあります。

だからこそ、売主/買主の想いを本当に理解してくれる人が必要です。

「でも、エージェントって、結局は自分の利益のために動くんじゃないの？」

もちろんタダ働きのはずはありません。

でも、本当に優秀なエージェントは違います。

彼らは、長期的な信頼関係を大切にします。

なぜなら、不動産業界は口コミが命だからです。

一度の取引で信頼を裏切れば、その評判はあっという間に広まってしまいます。

だから、良いエージェントは、常にクライアントの利益を第一に考えるのです。

「この物件は、実はあまりおすすめできません」

「もう少し待った方がいいかもしれません」

そんな助言ができるのも、プロの証。

不動産取引は確かに大変です。

でも、良いエージェントと組めば、その道のりはずっと楽になります。