こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
先日、FRBは来年の利下げの回数について前回想定の4回から今回は2回に減らし、金融緩和は緩やかに進めると発表しました。
これを受け、ニューヨーク市場ではダウ平均株価が1100ドルあまり急落。
50年ぶりに10営業日連続の下落を記録です。
そしてこの流れはアメリカ不動産業界にも及ぶことは必至で、特にモーゲージ金利が大きく影響を受けることになります。
住宅購入を検討している方にとって、金利の動向がいかに重要かは言うまでもありません。
けれども、実際にどれくらいの数字がどの規模のインパクトをもたらすのか、素人目にはなかなか分かりにくいものです。
そこで本項では現在の住宅ローン金利が家計にどのような影響を与えるのかを見ていきましょう。
本項で取り上げるのは、2024年12月6日時点の住宅ローン金利についてです。
この時は30年固定金利ローンの金利が前週の6.81%から6.69%に下がりました。
その一方で住宅の中央値価格は$416,880で、27週間ぶりに0.2%上昇しています。
これらの数字をもとに、月々の支払い額や長期的な節約額について見ていきましょう。
20%頭金での月々の支払い
まず、$416,880の家を現在の6.69%の金利で購入する場合を考えます。
月々の支払い額は約$2,150です。(税金と保険料は含まれていません。)
これを先週の6.81%金利と比較すると、月々の支払い額は$2,176となり、差額は月$26です。
このわずかな差額でも、年間では約$312の節約になります。
さらに、2023年10月の金利ピーク時、7.79%の金利ではどうだったか。
この場合、月々の支払い額は$2,398となり、現在との差額は月$248です。
これを年間で計算すると$2,976、30年間では約$89,280の差額になります。
このように、金利の低下がいかに大きな影響を与えるかが分かります。
家計の負担を減らすためには、金利が低いタイミングでの購入が鍵となるのです。
また、金利が下がったことで、予算内でより良い物件を選べる可能性が広がります。
例えば、同じ月々の支払い額でより広い家や好立地の物件を検討できるかもしれません。
FHAローン(3.5%頭金)の場合
FHAローンを利用する場合、少ない頭金で住宅を購入できます。
ここでは3.5%の頭金で$416,880の家を購入した場合を見てみましょう。
現在の6.69%金利では、月々の支払い額は約$2,593。
これを先週の6.81%金利と比較すると、月々$2,625で差額は月$32です。
年間にすると$384の節約になり、30年間では$11,520もの差額が生まれます。
また、2023年10月のピーク金利7.79%ではどうでしょうか。
この場合、月々の支払い額は$2,893となり、現在との差額は月$300。
年間では$3,600、30年間では$108,000の節約となります。
頭金が少ない場合でも、金利の低下は家計に大きな恩恵をもたらします。
特に初めて住宅を購入する方にとって、この金利差は購入へのハードルを下げる要因となります。
さらにFHAローンでは柔軟な審査基準が設定されているため、若年層やクレジットヒストリーが短い方でも利用しやすいのが特徴です。
これにより、金利が低い今のタイミングを活かしやすくなるはずです。
長期的な節約効果
では、30年間のローン期間で見るとどうなるでしょうか。
20%頭金の場合
現在の6.69%金利で$416,880の家を購入すると、総支払い額は$773,934。
ピーク時の7.79%金利では$863,456。
その差額は30年間で$89,522です。
この金額は、車を1台購入できるほどの差額です。
また、この余裕資金を投資や教育費に回すことで、さらに家計を豊かにする選択肢が広がります。

3.5%頭金の場合
現在の6.69%金利では総支払い額は$933,557。
ピーク時の7.79%金利では$1,041,543。
差額は30年間で$107,986に上ります。
この節約額は、家のリフォーム費用や老後資金の準備に充てることも可能です。
ローンの条件を比較検討することで、長期的な家計計画を立てる際に大きなメリットを得ることができます。
また、長期的な視点で見ると、金利差による負担軽減は心理的な安心感にもつながります。
家計の見通しが立てやすくなり、経済的なストレスを減らすことができます。
金利変動への対応策
このように金利の変動は、住宅購入に大きな影響を与えます。
では、金利が低下している今、どのように対応すれば良いでしょうか。
住宅購入を検討する場合
① 現在の金利でローンを組むことを考えてみてください。
② 計算ツールを利用して、具体的な支払い額を確認することをおすすめします。
③ 複数の金融機関から見積もりを取り、最適な金利条件を探すことが重要です。
購入時期を検討する場合
① 金利がこれ以上下がる可能性も視野に入れつつ、今後の市場動向を注視しましょう。
② 専門家の声に耳を傾けつつ、自分に最適なタイミングを見極めることが大切です。
③ 将来的に金利が上昇するリスクを考慮し、固定金利ローンを選択することも検討してください。
また、金利動向だけでなく、住宅市場全体の動きにも目を向けることが重要です。
例えば、住宅価格のトレンドや地域ごとの需要変動を調べることで、より有利な条件で購入できる可能性があります。
さらにローンの繰り上げ返済を検討することで、支払総額をさらに抑えることも可能になります。
このような方法を駆使し、少しでも金利が低いタイミングを活かして計画的に返済を進めるとよいのではないでしょうか。
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かくして、現在の金利6.69%では月々の支払い額が軽減され、長期的な節約が可能なレベルということが分かります。
ピーク金利時と比較すると、総支払い額で数万ドルもの差が生まれるのです。
ということは、金利が下がっている今こそ、住宅購入を検討する絶好のタイミングかもしれません。
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