こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
住宅を探しているときにHOA(HomeownersAssociation:住宅所有者協会)という言葉を目にすることしばしばあると思います。
統計では実に全米の物件の約40%がHO費用を支払っており、新築物件ではその割合が約3分の2にも達します。
すなわち、HOA(HomeownersAssociation:住宅所有者協会)はもはや米国不動産市場の標準になりつつあるのです。
このHOAは住宅購入に際して重要な要素となることが多く、初心者にとってその利点や欠点を理解することが物件選びの際には極めて重要です。
そして抜き差しならぬ事実としては、近年、このHOA費がどんどん値上がっているのです。
そこで今回はHOAについての基本情報からそのメリット・デメリット、さらには選ぶ際のポイントまでを改めてみていきましょう。
あえて初心者目線の説明を加えていきますがHOA(HomeownersAssociation:住宅所有者協会)は、住宅所有者が集まり、地域全体の美観や快適さを保つために活動する組織です。
たとえば、公園の維持、ゴミ収集、共用施設の管理などを行い、その費用を住民全員が分担します。
この費用はHOA会費として毎月支払われるもので、全国平均では月額約$119(年間約$1,400)とされています。
そこで改めて、HOAの利点について考えてみましょう。
HOAの利点
第一に、共用設備を利用できる点が挙げられます。
またそれらの設備は自分で所有していると維持管理に苦労しますが、プール、ゲート付きのセキュリティ、雪かき、庭の手入れなど、自分で管理するには時間や費用がかかるサービスをHOAが提供してくれます。
これにより、住民は日常生活の快適さだけを享受することができるのです。
また、HOAは街並みを美しく保つ役割も果たします。
たとえば隣人が外壁を放置したり、庭を荒れたままにしていると地域全体の見た目が損なわれ、不動産価値が下がる可能性があります。
HOAによる規定に伴う監視下の中ではこうした問題を未然に防ぐことができ、資産価値の維持や売却時の魅力向上につながります。
またHOAはトラブル防止にも役立ちます。
例えば大音量で作業を行う隣人や、不適切な物を庭に置く住民に対して、HOAのルールに基づいて対処することができるのです。
普通のアパートに暮らしている際、隣人の騒音には大家を介して対応することは可能かもしれませんが、大家が積極的に動いてくれない場合は悲惨です。
これに対してHOAの場合はその規定に乗っ取って厳格に管理が維持されていきますので、ルール違反については容赦なく警告が届きます。
けれども一方で、HOAには注意すべき欠点もあります。
まず、HOAによりもたらされるサービスは全ての人にとって必要なサービスばかりではないことです。
たとえば雪がほとんど降らない地域に住む場合、雪かきサービスの費用を払うことに納得できないかもしれません。
またプールを利用しない人にとって、その維持費は無駄に感じるでしょう。
さらにHOAのルールは個人の自由を制限することがあります。
例えば外壁の色を選べない、ペットの飼育に制限がある、といったケースが挙げられます。
また私(佐藤)が暮らす地域一体では公道を含む外はおろか、自宅の裏庭ですら「禁煙」です。
そして自分の家なのに、自分の好みに改装できないという不満を持つ人も少なくありません。

加えて、HOA会費が毎年少しずつ増加することもあります。
近年の急上昇は前述のとおりですが、通常は年間3~5%の増加になるところ、時には予想を超える大幅な値上げが行われることもあるのです。
結果として、予想外の家計への影響が無視できない場合があります。
さらに、反対にHOAの運営が非効率である場合、トラブルの原因になることもあります。
例えば管理がずさんで共用施設が荒れている、理事会が過剰なルールを適用して住民を困らせるといった問題が発生することもあるのです。
HOA物件を購入する際の注意点
では、HOA物件を購入する際にはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。
まず、照会してHOAの財務状況や過去の料金履歴を確認しましょう。
赤字運営の場合は将来的に大幅な会費増加が見込まれることがあります。
また未解決の訴訟があるHOAはリスクが高いため注意が必要です。
そしてそれ以前に、HOAが提供するサービスやルールが自分のライフスタイルに合っているかを考えましょう。
たとえばプールや共用施設を利用する頻度が少ない場合、そのための費用を払うことが妥当かどうか検討するようにしましょう。
また、事前にHOA文書をしっかり確認することも重要です。
この書類には規約や財務書類、訴訟情報などが含まれます。
また近隣のHOA物件と非HOA物件の価格を比較し、追加費用がどれだけ価値のあるものか検討することも有効です。
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かくして、HOA費用の支払いが義務となる物件においてはHOAのルールやサービス内容をよく理解し、自分の価値観や生活スタイルに合った選択をすることが大切です。
HOAは地域全体の美観や快適さを維持するための素晴らしい仕組みですが、個人の自由や経済的負担に影響を与えることもあります。
そのためHOAに関する情報を十分に収集し、慎重に判断するようにしましょう。
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