昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
近年、日本でもドラマ化された地面師により、不動産詐欺が注目を浴びることとなりました。
アメリカでも不動産詐欺は急速に増加しており、特に住宅購入者を狙った被害が深刻化しています。
米国における不動産詐欺の年間被害総額は、2021年のデータでは約3億5,000万ドル(約428億円)とのこと。
また、2023年には60歳以上の高齢者が詐欺全体で被った損失額が34億ドル以上とされており、不動産詐欺もその一部を占めていると考えられます。
これらの数字から米国における不動産詐欺の被害が深刻な問題であることが分かりますが、主にこれらの詐欺に遭いやすい人々の特徴は
- デジタルセキュリティに詳しくない人
- 取引経験が少ない初心者
- 焦っている人
- 確認を怠る人
- オンライン情報に過度に依存する人
- 高齢者や外国人
- 信頼しすぎる人
等が挙げられます。被害の形態はシンプルな送金詐欺から、巧妙な手口による巨額損失に至るまで多岐にわたります。
最近の実例として、西バージニア州のある夫婦は購入手続きを進める中で詐欺師にメールのやり取りを乗っ取られ、約255,000ドル(約3,000万円)を偽の口座に送金してしまいました。
結果として彼らはその資金を取り戻すことができず、犯人も捕まらないままです。
このような被害は決して珍しいものではありません。
新しい家の購入を検討しているなら、こうした詐欺から身を守るために注意深く行動する必要があります。
そこで本項では、よくある詐欺の兆候と被害を防ぐための具体的な対策をみていきましょう。
不動産詐欺のパターンと注意点
- 送金詐欺に注意する
不動産取引における送金詐欺は、最も一般的かつ高額な被害を引き起こす手口の一つです。
この詐欺では詐欺師が住宅ローンの手続き中にやり取りされるメールを傍受し、送金指示を改ざんして被害者を自分たちの口座に資金を送らせます。
一度資金が詐欺師の口座に送られると、そのお金は戻ってきません。
そこで銀行口座や送金情報の変更を伝える急ぎのメールが届いた場合は、特に注意してください。
詐欺を防ぐためには、変更内容を直接担当者に電話で確認し、信頼できる番号を使用するようにしましょう。
大抵の場合、タイトル会社が取引の間に入る場合は事前にタイトル会社に電話して口座番号を確かめるように言われます。
念には念で、知らされるタイトル会社の電話番号も本物であるかを確認して、それから電話確認をするのがよいと思います。
- 保証金(Earnest Money)の保護
保証金は購入の意志を示すために支払う金額ですが、これも詐欺の標的になりやすい領域です。
一部の詐欺師はこの資金を安全なエスクロー口座に入れず、運転資金として流用したり自分たちの利益のために着服します。
そこで保証金を売主個人や不明確な口座に直接支払うよう求められた場合は要注意です。
必ず信頼できる第三者(例:タイトル会社やエスクロー業者)を通じて資金を管理することを確認しましょう。
- 偽の不動産リスティング
不動産詐欺師は、オンラインプラットフォームを利用して偽の物件リスティングを作成することがあります。
たとえばCraigslistなどのサイトでは、詐欺師が他の信頼できる不動産サイトから正規のリスティングをコピーし、不当に安い価格で広告を出すケースが多発しています。
その際はリスティング情報が不完全だったり、価格が異常に安かったりする場合は詐欺の可能性があります。
Craigslistは信ぴょう性の低いサイトです。
複数の信頼できる不動産サイトで物件の情報を調査し、一致しない場合は警戒するようにしましょう。
- 権利詐欺(Title Scam)
特にフロリダ州のような売主が州外にいるケースでは、詐欺師が空き物件を標的にすることが一般的です。
偽の売主を装った詐欺師が物件を販売し、資金を持ち逃げする手口も報告されています。
売主が所有権の証明を提供できない場合や、連絡先が不明確でやり取りが曖昧な場合は要注意です。
十分な書類確認をせずに急いで契約を締結しようとする場合も警戒するようにしましょう。
- 偽のリフォーム業者
物件購入後も詐欺の危険は続きます。
悪質なリフォーム業者が家の修理やメンテナンスを名目に高額の前払いを要求し、その後連絡が取れなくなるケースがよくあります。
信頼性のある業者であるかを確認するために、Better Business Bureauの情報やレビューを調査することをおすすめします。
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かくして不動産詐欺の手口は年々巧妙化しており、被害者を守るためには自己防衛が欠かせません。
送金詐欺、保証金の悪用、偽リスティング、権利詐欺、偽業者といったさまざまな危険を回避するために、以下のポイントを実践するように心がけましょう。
- メールの内容は常に電話で直接確認する
- 保証金は信頼できる第三者に預ける
- リスティング情報を複数のサイトで確認する
- 売主の身元を必ず調査する
- 業者の信頼性を事前に確認する
これらの対策を講じることで被害を未然に防ぎ、大切な資金を守ることができると思います。
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