昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
2025年の住宅市場は大きな希望を見せています。
新築住宅の数が1年で大きく増加する予想ですが、それと同時に家のサイズが小さくなり、値段も手の届きやすくなる見込みです。
Realtor.comの2025年住宅予測によると、特に初めて住宅を購入する買い手にとってますます購入可能な選択肢が増えるとのこと。
具体的には2025年には新築住宅の供給が前年比約113.8%増加すると予想されていますが、その背景にはいくつかの要因が挙げられています。
アメリカでは長年続く住宅不足の解消を目指して多くの建築会社が建設を加速させており、特に若年層の住宅需要が高まる中で初めての住宅購入者にも手が届きやすい価格帯の住宅が必要とされる昨今です。
また新政権による規制緩和や連邦土地の開放といった政策が建築活動を後押ししており、建設コスト削減やスピードアップが可能になっているのです。
加えて過去に当ブログでもご紹介したモジュール住宅や3Dプリンターを用いた新しい建築技術の進化により、手頃な価格の住宅が迅速に供給される仕組みが整いつつある昨今。
これらの要素が複合的に作用し、市場全体の活性化につながっているのです。
結果としてシングルファミリー住宅の買い手にも、海外の投資家にも大きな機会が待っています。
家の小型化が進む兆し
よりミクロ視点でみると、小型の家はプチ流行となり初めて買う人に対しても手が届きやすい値段の家が増える見込みです。
実際、小型の新築住宅の割合については具体的なデータとして次のような数字があります。
2024年時点で新築住宅の中で30万ドル未満の価格帯に属する住宅が全体の17%を占めており、これは2023年の14%から増加しており、小型の住宅が全米で徐々に増加していることを示しているのです。
この増加傾向は建築会社が特に初めて住宅を購入する層に向けて、手頃な価格の住宅を提供しようとする動きに起因するものです。
また全米の多くの地域で小型住宅の需要が高まっている背景には、土地価格や建設コストの上昇に対応するための設計変更も含まれています。
具体的な地域ごとの分布はデータによって異なりますが、人口増加が著しい南部や中西部では小型住宅の供給が他の地域に比べて顕著なようです。
そして実際に、現在のアメリカの新築住宅における平均床面積は2015年の約234平方メートルから2023年には約203平方メートルに縮小し、約15%の減少が見られるのです。
この傾向は建設業者が上昇する新築コストを下げるために、バスルームの数や予備のベッドルームを削減していることも原因とされています。
また住宅不足と価格の高騰が深刻化する中、手頃な価格の住宅を提供するために小型の新築住宅の建設が増加していると考えられるわけです。
そしてモジュール住宅や3Dプリントハウスなどの新しい技術を使用した家は、ここから急速に増えるとされています。
住宅の建設を少しでも安価に、かつ経済的に優しい新しい選択肢が市場に出回りつつあるわけです。
政策が市場に与える影響
そして言わずもがな、新築住宅の増加に関しては政策の変化が大きく影響しうることが予想されます。
今回再選したトランプ氏は、住宅問題の解決を目指す政策を打ち出すとしています。
前回の就任時には大型減税が一つの大きな目玉であり、この政策のおかげで不動産市場も大いに活気づいたものでした。
今回はその政策が不動産市場にとってどれくらいのインパクトをもたらすかは未だ不透明ですが、新築住宅の増加に小さくない影響を与えてくることは間違いなさそうです。
一方で、制約的な政策や税を新たに実施すると買い手の課額が増大するため、手の届かない住宅が増えることもたやすく予想されます。
そこでアメリカの住宅問題の解決を目指すには、経済のバランスを守ることがことのほか大切であり、比較的に安価な買い手への住宅提供を継続するには政策の調和なるものが必須なわけです。
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かくして、2025年は初めて住宅を買う買い手にとっても、小型の新築住宅が増えるという可能性が考えられます。
けれども政策変化の影響や物価高々により、新築住宅の増加には予期せぬリスクもあるのではないでしょうか。
ちなみに、Realtor.comのレポートによると本年のモーゲージレートは6.3%に予想されています。
2025年のモーゲージレートが6.3%と予想される根拠には、複数の経済的要因が影響しています。
連邦準備制度(FRB)の利上げ政策が依然として高金利を維持する可能性が高く、これがモーゲージ市場にも反映されると見られている点が一つ。
そしてインフレ率が過去の平均水準よりも高止まりすることが予測されており、金融機関はそのリスクをヘッジするため、レートを大幅に下げることは難しい状況です。
加えて住宅市場における需要と供給のバランスも影響を与えています。
住宅価格が引き続き上昇している一方で、高金利のままではモーゲージ申請件数は減少傾向に進みますが、貸し手は高めの金利を維持する理由が強いとされています。
これらに加えて、不動産市場調査機関の分析データに基づいて2025年の平均モーゲージレートが6.3%に達するという予測が導き出されているのです。
本年を通して小型の新築物件がどのように広まっていくのか、その流れを観察しておきましょう。
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