こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
需要にお応えし、アメリカでの投資全般についてお伝えしています。
今日は、プライベートファンドとベンチャーキャピタルファンドについて初心者目線で見ていきましょう。
この2つは投資の世界でよく聞く言葉ですが、初めて耳にすると難しそうに感じるかもしれません。
とはいえ基本的な特徴を押さえれば、意外とシンプルな仕組みです。
プライベートファンドとは
プライベートファンドは、一般的に「プライベートエクイティファンド」とも呼ばれます。
特徴としては、投資会社と見なされないために投資家の数を制限している点です。
例えば、3(c)(1) ファンドという形式では投資家の数が100人以下であれば登録が不要とされています。
その一方、3(c)(7) ファンドという形式もあります。
こちらは投資家数の制限はありませんが、参加できるのは「適格購入者」に限られるという、より厳しい条件です。
適格購入者とは個人で少なくとも500万ドルの投資資産、または企業で2500万ドル以上の投資資産を持つ人々と定義されていますから、完全に富裕層レベルのグループということになります。
またプライベートファンドは、ほとんどの場合パートナーシップ形式で組織されることになります。
この場合の「パートナーシップ形式」とは、出資者が投資の意思決定には関与せず、管理運営をジェネラルパートナーに任せる仕組みです。
投資スタイルの違い
プライベートファンドの投資スタイルは、大きく2つに分けられます。
- 直接投資型
- 会社の10%以上の議決権を取得し、経営や運営に影響を与える目的で投資するスタイル。
- 例えば、スタートアップ企業の経営に積極的に関与するケースがこれに該当。
- ポートフォリオ投資型
- 支配権を取らず、株式や債券、デリバティブなどを組み合わせた投資ポートフォリオを構築するスタイル。
- こちらは、より分散投資を重視。
こうした投資スタイルの違いを知ることで、自分がどのタイプに合うかが見えてくるかと思います。
プライベート流動性ファンドとは
そして最近注目を集めているのが、プライベート流動性ファンドです。
SEC(米証券取引委員会)はこれを「短期債務に投資し、安定した純資産価値(NAV)を維持しながら収益を追求するファンド」と定義しています。
「NAV」とは"Net Asset Value"の略で、日本語では「純資産価値」と訳されます。
要するに、ファンド1口あたりの資産価値を意味するのです。
プライベート流動性ファンドは伝統的なマネーマーケットファンド(MMF)のような運用をしつつ、SECの登録を避けることで規制を軽減しています。
結果として、公開情報が少ない点が特徴です。
ベンチャーキャピタルファンドとは
次に、ベンチャーキャピタル(VC)ファンドについて見ていきましょう。
VCファンドもまた、リミテッド・パートナーシップ形式で組織されるのが一般的です。
資金提供者(リミテッドパートナー)は、富裕層、年金基金、あるいは他のファンドである場合も多いです。
VCファンドが注目するのは、まだ完全に事業が稼働していない若い企業になります。
なぜそんなにリスクのある企業に投資するのかといえば、成功すれば高いリターンを期待できるからです。
つまり、リスクは高いけれど、それ以上に大きな利益が見込めるわけですね。
またVCファンドの投資は、通常10年以内にエグジット戦略(売却や上場など)を目指すのが特徴です。
報酬体系について
ついでに、プライベートファンドとベンチャーキャピタルファンドに共通する報酬体系について触れておきましょう。
ファンドマネージャーの報酬は、通常以下のように構成されています。
- 管理費:年間でコミット資本の2%
- 成果報酬(キャリーインタレスト):事業売却時の利益の20%
こうした仕組みにより、マネージャーは高いパフォーマンスを出すインセンティブがあるわけです。
一方、投資家としてはこれらの高いコミッションを支払う必要があることを理解しておかなくてはなりません。
。。。
このようなプライベートファンドやベンチャーキャピタルファンドは一見複雑に感じるかもしれませんが、基本的な特徴を理解すると見通しが良くなります。
- プライベートファンドは長期投資が基本。
- ベンチャーキャピタルファンドは若い企業へのリスクの高い投資。
- 両者の報酬体系には共通点がある。
このあたりを プライベートファンドとベンチャーキャピタルファンドの基本として掴んでおきましょう。
明日に続けます。
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