こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
特別企画としてアメリカでの投資全般についてお伝えしています。
今回はようやく、アメリカ不動産に大いに関連のある不動産投資信託(REIT)についてです。
REITは"リート"と発音される投資手法で、不動産に関心のある方にとって非常に便利な仕組みになります。
REITとは何なのか。その基本から見ていきましょう。
不動産投資信託(REIT) とは
不動産投資信託(REIT) とは不動産投資のポートフォリオを管理し、利益や収入を株主に分配するための会社のことです。
プロが運用を担当するので、初心者でも安心して投資できます。
複数の不動産に分散投資するためリスクも軽減されることになる為、こうした点で他の投資商品と似ています。
けれどもREITには特有の仕組みもあります。
多くのREITは株式市場で取引されており、不動産プロジェクトの長期的な資金源として機能しているものです。
そして配当金やキャピタルゲイン(資産売却益)を株主に還元するという仕組み。
けれども、これらの配当金は通常の所得税率で課税される点は覚えておく必要があります。
そして
「REITにはどんな種類があるの?」
というと、REITには大きく分けて3種類あります。
- エクイティREIT:商業用不動産を所有するタイプ。
- モーゲージREIT:商業用不動産に関連する住宅ローンを所有するタイプ。
- ハイブリッドREIT:不動産と住宅ローンの両方を所有するタイプ。
どの種類も独自の魅力があるのですが、初めての方にはエクイティREITが最も分かりやすいかもしれません。
REITが税金面で有利とはよく聞くことです、実はREITは税制上、非常にユニークな位置づけにおかれています。
端的にいえば、REIT自体は法人税を課されない仕組みになっているのです。
なぜなら、REITは課税所得の90%以上を配当として株主に分配するように求められているからです。
そのためパススルー方式のように、株主は配当金やキャピタルゲインに対して課税されるのみになります。
より厳密にいえば、REITそのものが非課税であるには下の3つの条件をクリアしている必要があります。
- 資産の75%以上を不動産や現金に投資すること。
- 総収入の75%以上を不動産関連(賃貸料や住宅ローンの利息など)から得ること。
- 課税所得の90%以上を株主に分配すること。
こうした基準をクリアすることで、REITは税制上の優遇措置を受けられるわけです。
そこで、REITを保有することで株主は以下のようなメリットを得られます。
- 分配金(配当金)
- キャピタルゲイン(株価上昇による利益)
ただしREITは投資信託やミューチュアルファンドとは異なり、損失を株主にパススルーする仕組みはありません。
そのため直接参加型プログラム(DPP)とはみなされない点に注意です。
出資する側としては何に影響するのかといえば、直接参加でない以上はREIT運用に派生する費用が経費として落とせない、ということです。
これが理由で、REITの場合は減価償却の計上も期待できないことになります。
ただし良い点としては、REITは流動性が高い特徴があります。
REITは通常、株式市場で取引されているため簡単に売買できるのです。
これが、他の不動産投資と大きく異なるポイントです。
たとえば実際の不動産を購入すると、売却までに時間がかかるのものです。
けれどもREITなら株式と同じように簡単に現金化できるわけです。
とはいえ、非公開型REITも存在します。
この場合は通常の不動産投資のように流動性が低く、投資資金をすぐに引き出せないリスクがあります。
非公開REITを選ぶ際には、慎重に適合性を確認する必要があると思います。
。。。
かくして、REITに関する重要なポイントをまとめると
- REITは不動産投資の共有持分を提供する。
- 株式市場で取引されるため流動性が高い。
- 投資信託ではないため、損失はパススルーされない。
- 税制上の優遇措置を受けるための条件がある。
です。
REITは不動産投資の初心者でも手軽に始められる手段です。
もちろん投資にはリスクも伴うため、自分の目的や状況に合ったREITを選ぶようにしましょう。
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