こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
特別企画として、アメリカ投資全般についてお伝えしています。
今日は投資初心者向けに、集合投資(Pooled Investment)という概念について押さえておきましょう。
集合投資とは、複数の投資家が資金を集めて専門家がその資金を運用する仕組みです。
- ミューチュアルファンド(Mutual Fund)
- ヘッジファンド(Hedge Fund)
- REIT(不動産投資信託:Real Estate Investment Trust)
- プライベートファンド(Private Fund)
などがその代表例です。
それぞれの特徴やメリット、そしてリスクを具体的に見ていきましょう。
集合投資の共通点
まず、集合投資全体に共通する重要なポイントを押さえておきましょう。
- 分散投資(Diversification)
投資家は自分一人では手が届かない範囲の多くの証券を取引することができます。いわゆる「卵を一つのカゴに入れない」原則です。これによりリスクを分散する効果が期待できるわけです。 - 専門家による管理(Professional Management)
集合投資の運用は、一般的に投資のプロが担当します。特にミューチュアルファンドでは、SEC(米国証券取引委員会)登録の投資顧問が運用を行います。これにより、個人では得られない専門的な判断が期待できるのです。
ミューチュアルファンド(Mutual Fund)の特徴
まずは、集合投資の中でも初心者に最も身近なミューチュアルファンドから見てみましょう。
メリット
- 分散投資
ポートフォリオの中に多様な資産を組み込むことが容易です。例えば、株式や債券、セクター型ファンドなど、幅広い選択肢があります。とはいえ、完全にリスクを排除することはできません。 - プロによる運用
運用の専門家が市場状況を見極めながら最適な売買タイミングを判断します。ただし購入前には目論見書を必ず確認し、自分の投資目標に合っているか見極める必要があります。 - 流動性
解約が容易で、純資産価値(NAV:Net Asset Value)で対応します。解約の際には最大7日以内に支払いが行われます。 - 少額から始められる
初期投資額が少なく、追加投資も低コストで可能です。 - 税務の簡便性
毎年、税務処理に必要な情報をまとめた1099フォームが発行されます。
リスク
- 市場リスク(Market Risk)
株式ファンドは市場リスクを伴い、債券ファンドは金利リスクがあります。さらに、債券ファンドには満期がないため、元本が保証されない場合があります。 - 手数料と費用
販売手数料や管理費用などが発生し、これが投資リターンに影響を与えます。また、ファンドマネージャーの取引タイミングが税務効率を悪化させることもあります。 - 純解約(Net Redemptions)
市場低迷時に解約が集中すると、ファンドの運用に支障をきたすことがあります。
プライベートファンド(Private Fund)の特徴
次に、少し進んだ投資家向けのプライベートファンドについて。
メリット
- 高い収益可能性
未公開企業への投資で、将来的に大きな利益を得る可能性があります。 - 管理への関与
多くのプライベートファンドでは、投資家が経営や成長に影響を与えることができます。 - 分散効果
市場全体との相関が低いため、ポートフォリオ全体の安定性が向上します。
リスク
- 事業失敗リスク(Business Risk)
特にスタートアップ企業の場合、失敗率が高く、投資資金を失う可能性があります。 - 流動性リスク(Liquidity Risk)
取引市場がほとんど存在しないため、売却が困難です。 - 透明性の欠如(Lack of Transparency)
未登録証券であるため、規制当局の審査を受けていません。
ヘッジファンド(Hedge Fund)の特徴
そしてより複雑な運用が特徴のヘッジファンドです。
メリット
- 市場を問わない収益
上昇局面でも下降局面でも利益を目指す戦略が採用されることが多いです。 - 多様なスタイル
投資スタイルが多彩で、投資家の目標に合った選択肢が見つかりやすいです。 - 分散効果
相関性の低い投資先を持つことで、ポートフォリオのリスクを軽減します。
リスク
- 高コスト(High Expenses)
管理費用や成功報酬が高額になる傾向があります。 - リスク戦略の失敗
リスクの高い戦略が裏目に出る場合があります。 - 流動性リスク
ロックアップ期間中は資金を引き出せません。また、取引市場がないため、売却が困難です。
REIT(不動産投資信託:Real Estate Investment Trust)の特徴
最後に、不動産投資に関心のある方におすすめのREIT。
メリット
- 不動産への簡便な投資
個別の不動産を購入するよりも手軽に投資が可能です。 - プロによる管理
専門家が物件を選び、交渉力を発揮します。 - 分散効果
株式市場と異なる動きをするため、ポートフォリオ全体の安定性が向上します。
リスク
- 管理者に依存
運用の成否は管理者の質に大きく影響されます。 - 株式市場の影響
上場REITの場合、株式市場の動向に影響を受けやすいです。 - 税制上の制限
配当が“Qualified Dividend”として認められず、通常の所得税率が適用されます。
。。。
ここではざっくりいきましたが、複数の投資家が資金を集めて専門家がその資金を運用する仕組みを
集合投資(Pooled Investment)
と呼びます。
ここでは代表的なものだけをあげましたが、総じて複数が資金を集めてプロが運用する形態を集合投資(Pooled Investment)として理解しておきましょう。
明日に続けます。
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