こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ投資全般についてお伝えしています。
今日は株取引でよく聞く言葉、先物取引(Future Contract)と先渡取引(Forward Contract)の違いについてみていきましょう。
なかなか取っつきにくい概念ですが、これらの仕組みを理解することは、株取引に関する視野を随分広めることになります。
ここではアメリカで説明されている基本的な概念をもとに、追加の情報や例をもって概要をお伝えしてみたいと思います。
先渡取引(Forward Contract)
先渡取引(Forward Contract) は、商品の必要とする卸屋と製造業者の間で「互いの便利な時点で」商品を交換するために発展した個別ベースの取引です。
歴史的背景
先渡取引(Forward Contract) の初まりは中世とされています。
当時、特に農産品や粉飼といった資産の価格変動に関するリスクを回避するために発展しました。
商品を収獲した時点で確実な販売先があり、買い価格もあらかじめ固定されている、という体制であれば価格の大きな変動があっても安定した商いができるわけです。
先渡取引(Forward Contract) の要素
そんな先渡取引(Forward Contract)は、買い手と売り手の間で直接結ばれる個別的な約束が本質です。
主な要素として、以下の項目が含まれます。
- 商品の量
- 商品の質
- 納品時間
- 納品場所
- 納品時に支払われる価格
これらの要素は商品の自然な資質を保持しながら、価格変動によるリスクを最小限に抑えることを目的としてその定義が使われています。
とはいえ、先渡取引(Forward Contract)の場合はお互いの信頼性が重要で、相手の支払能力や給付能力によりリスクが伴う場合もあります。
いわゆる「カウンターパーティリスク」とも呼ばれるものです。
先物取引(Future Contract)
これに対し、先物取引(Future Contract)は商品の量や質、納品価格などが一般に標準化された取引で交換所を通じて取引されます。
この取引は「リスク」を主に考慮した投資家やスペキュレーターによって使用され、殆どのケースで実際に商品を受け取るより清算して現金化により取引を終える場合が多いのが特徴です。
先物取引(Future Contract)の主要要素
先物取引(Future Contract)は商品の量、質、納品価格、納品時間、納品場所などが標準化された形で取引されます。
価格の変動に対して「ロング」や「ショート」のポジションを構築し、買い手は商品の受け取りが義務付けられ、売り手は商品の納品が義務付けられる形で構成されています。
メリットとデメリット
先物取引(Futures Contract)のメリットは流動性の高さや清算機関の信頼性にありますが、自由度が標準化された規約に制限される点がデメリットとなります。
ここまでを一覧にまとめてみましょう。
先物取引(Future Contract)と先渡取引(Forward Contract)の比較
特徴 | 先渡取引(Forward Contract) | 先物取引(Future Contract) |
---|---|---|
カスタマイズ性 | 高い | 低い |
参加の自由度 | 自由 | 標準化されており個別対応は不可 |
信頼性の問題 | 互いの信頼が重要 | 清算機関が信頼を保証 |
流動性 | 低い | 高い |
リスクの保証 | なし | 清算機関により完全保証 |
先物取引(Future Contract)と先渡取引(Forward Contract) は、参加有無に関わらず必要な知識です。
実際にはそれなりのリスクが伴いますので初心者には推奨されないものですが、取引に関する知識を広げかつ視野を広く持つ意味で、理解を深めておきましょう。
明日に続けます。
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