こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
特別企画として、アメリカ投資全般についてお伝えしています。
それなりに
「なんとなくメディアで聞いたことのある用語」
を意識して本シリーズを書いていますが、フィードバックを拝見するに、大きく外してはいないようです。
この手の流れで、今日はコモディティ(商品)と貴金属について初心者向けにお伝えしてきます。
コモディティ投資は、名前を聞いたことはあっても具体的にどんなものかイメージしにくい分野かもしれません。
基本的な定義から、どのような種類があるのか、投資方法、そして関連する疑問までをみていきましょう。
コモディティの基本
コモディティとは、市場で広く取引される同質性の高い商品を指します。
例えば原油や小麦、金などが典型的です。
これらの商品はどこで購入しても品質がほぼ同じであり、主に価格のみで取引が決まるのが特徴です。
語源としては、ラテン語の“commoditas”(便利さ、快適さ)が由来で、「役に立つもの」という基本的な概念から発展した言葉です。
けれども現代では「一般化され、差別化が難しい商品」というニュアンスも含まれることが主流になっています。
例えば技術的に高度だったものが普及し、特別感がなくなる状態を「コモディティ化」とも呼ぶわけです。
このあたりはある技術や商品が市場で普通になり、価格競争だけに陥る現象ですね。
コモディティの種類
コモディティの種類について見ていきましょう。
1. 農産物(Agricultural Commodities)
歴史的には農産物がコモディティ取引の中心でした。
私たちが農業社会だった時代の名残です。
現在でも、小麦、大豆、トウモロコシ、オーツ麦などが取引されています。
また、動物由来の牛肉、豚肉、卵といった商品もコモディティの一部です。
2. エネルギー(Energy Commodities)
現代で最も取引量が多いコモディティは「原油(Crude Oil)」です。
原油はエネルギー市場の中心的な存在で、私たちの日常生活で必要不可欠な燃料や製品の基盤となっています。
ちなみに、「Crude Oil」とは、自然界から採掘されたままの未精製の石油のことです。
精製することでガソリンや軽油、ジェット燃料など、私たちが利用する形に加工されます。
3. 工業金属(Industrial Metals)
工業金属には、アルミニウム、ニッケル、銅、鉛などが含まれます。
これらは産業や建設業において重要な資源です。
ただしこれらは貴金属には分類されません。
4. 貴金属(Precious Metals)
そして投資の観点でよく話題になるのが貴金属です。
貴金属とは、自然界で希少で価値の高い金属を指します。
代表的なものとして以下があります。
- ゴールド(Gold): 最も伝統的な資産保管手段。投資やジュエリーとして人気。
- シルバー(Silver): ゴールドよりも手頃な価格で投資しやすく、電子機器などの工業用途も広い。
- プラチナ(Platinum): 自動車の排ガス触媒やジュエリーに使用。
- パラジウム(Palladium): 自動車産業で需要が高い。
これらの金属は投資だけでなく産業用途でも需要があるため、価格が変動しやすいのが特徴です。
コモディティ投資の方法
コモディティへの投資には、直接投資と間接投資の2種類があります。
直接投資
- 先物取引(Futures): これは、将来の特定の日に特定の価格で商品を購入または販売する契約です。投資家が直接コモディティを取引する一般的な方法です。
間接投資
- ETPs(上場投資商品): コモディティ指数を追うETF(上場投資信託)を購入する方法。
- 投資信託: コモディティ関連企業に投資するファンド。例えば、石油やガスの採掘、精製、流通に関わる企業の株式を保有するファンドです。
ここで、初心者がよく感じる疑問についても触れておきましょう。
コモディティとコモン(common)の違い
「コモディティ」と「コモン」という言葉は似ていますが、本質的に異なります。
コモディティ(Commodity)は商業的な価値や市場取引を重視した概念です。
その一方んでコモン(Common)は「一般的な」や「共通の」といった抽象的な概念を指します。
コーヒーが取引量2位と言われる理由
よく
「最も取引量が多いコモディティは原油であり、コーヒーが第2位」
と言われていますが、これは確定的なデータに基づいたものではありません。
地域や統計基準によって異なるため、「第2位がコーヒーと主張されている」という程度に留めておきましょう。
。。。
コモディティと貴金属の世界は、複雑に見えるかもしれませんが、こうやって基本的なポイントを押さえればぐっと身近に感じられるものではないでしょうか。
- コモディティとは: 同質性が高く、価格で取引される商品。
- 主要な種類: 農産物、エネルギー、工業金属、貴金属。
- 投資方法: 先物取引やETF、関連ファンドを通じた投資。
このあたりを押さえておきましょう。
明日に続けます。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。