こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
特別企画として、アメリカ投資全般についてお伝えしています。
投資用語でよく聞く言葉に
「 オルタナティブ投資(Alternative Investments) 」
という言葉があると思います。
実はここ最近お伝えしてきた投資手法の総称がオルタナティブ投資(Alternative Investments)です。
本項では投資初心者の方に向けて、オルタナティブ投資(Alternative Investments)の基本についてみていきましょう。
ここまでにお伝えしたDPP(直接参加型プログラム)やコモディティ(商品)、そして構造化商品に焦点を当てていきます。
オルタナティブ投資
オルタナティブ投資のオルタナティブは、直訳で「代替」です。
そこでオルタナティブ投資と呼ぶ場合、株式や債券などの伝統的な投資とは異なるタイプの投資を指します。
多くのオルタナティブ投資は株式市場との相関が低い、あるいは負の相関を持つことが特徴です。
とどのつまり、市場が下落してもオルタナティブ投資が影響を受けにくい場合があるわけです。
それによりポートフォリオ全体のリスクが分散され、長期的なリターンの向上が期待できることになります。
加えて一部のオルタナティブ投資では、通常では得られないような異常なリターン(高い場合も低い場合も)を得られるチャンスもあるのです。
最近のお伝えのまとめ的になりますが、 オルタナティブ投資(Alternative Investments)の典型例をみていきましょう。
DPP(直接参加型プログラム)
DPPとは、Direct Participation Programの略で、投資家が特定の事業(例えば、不動産開発やエネルギープロジェクト)に直接参加する形態を指します。
この投資手法は次の通り。
- 他者による運用管理:投資家が自分で運用を行う必要はなく、専門家が管理してくれる。
- フロー・スルー効果:事業から得られる収益や経費が投資家に直接還元される仕組み。
- 限定責任:投資家の損失は、出資額および未払いの追加資金の範囲内に限定される。
例えば不動産DPPでは、大型の商業施設や賃貸住宅を開発・運営するプロジェクトに参加できます。
これにより投資家は収益の一部や税務上の控除を受けることができます。
ただし、次のようなリスクもあります。
- 流動性リスク:市場で簡単に売却できるものではないため、現金化が難しい。
- 法改正リスク:税制が変更されると、以前期待していた税制上のメリットが失われる可能性。
- 税務監査リスク:DPPを所有していると、IRS(米国国税庁)による監査の対象となりやすい。
- 減価償却の再取得リスク:減価償却による節税効果が後で課税される可能性。
そこで
「DPPの税務上のメリットは?」
となると、これは事業の損益や経費を直接自分の税務申告に反映できる点が魅力です。
ただしこれが税務監査のリスクを高める要因にもなり得ますので、注意も必要です。
コモディティ(商品)
そしてコモディティ(商品)ですが、コモディティとは金や原油、農作物のように、原材料となる資産のことです。
コモディティへの投資は、特に次のような点でメリットがあります。
- インフレヘッジ:インフレが進むと、コモディティの価格も上昇しやすいため、購買力の低下を防ぐ手段となる。
- 分散効果:株式市場と価格変動が異なるため、ポートフォリオの分散効果を高める。
- 潜在的リターン:例えば、銅の需要が増えると予測される場合、銅を生産する企業の株価が上昇する可能性がある。
具体例として、
- 金(ゴールド):歴史的にインフレに強い資産として知られている。
- 原油:エネルギー市場での主要な商品で、供給不足時に価格が急上昇する可能性がある。
- 小麦やトウモロコシ:農作物は天候や需要による価格変動が大きく、インフレ時に高騰する傾向がある。
が挙げられます。
反面、リスクとしては
- 価格の変動性:供給や需要の影響で、価格が大きく変動することがある。
- 所得の欠如:金や農作物を長期間保有しても、配当や利息は得られず、キャピタルゲインだけが収益源。
- レバレッジリスク:特に先物取引では、価格が予想と逆に動くと損失が膨らむ可能性。
です。
ちなみに、
「なぜインフレ時に金が注目されるのか」
といえば、金は実物資産であり、通貨価値が下がるときに安全資産としての価値を保つからです。
構造化商品
最後に構造化商品について触れておきます。
構造化商品とは、特定のニーズに合わせてカスタマイズされた金融商品を指します。
これらの特徴とリスクを見てみましょう。
- 特徴:
- 特定の条件に応じたリターンを提供。
- 満期まで保有することでリターンを最大化。
具体例として、
- 株価連動型債券:株式市場のパフォーマンスに応じたリターンを得られる。
- 為替連動型商品:特定の為替レートの変動による利益を狙うもの。
- クーポン付き債券:一定期間ごとに利息が支払われ、満期時に元本が返還される設計。
- リスク:
- 流動性の欠如:市場で簡単に売買できない。
- 信用リスク:発行体の財務状況が重要。
- 価格の非効率性:市場価格が実際の価値を正確に反映しない場合がある。
ちなみに構造化商品は基本的に長期保有向けであるため、短期的な利益を求める人には向いていないと思います。
。。。
オルタナティブ投資は、ポートフォリオの分散効果やインフレヘッジとして非常に有用です。
その一方で、流動性やリスクの高さを理解しておく必要があります。
メリットだけでなくリスクもしっかり把握した上で、検討するように努めましょう。
明日に続けます。
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