こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
2025年、年明けの特別企画として投資全般についてお伝えしてきましたが、今日で最後です。
ここ数日、投資力を高める上で必須ともいえる、経済の動きにちなんだ用語を押さえてきました。
最後となる今日は、インフレーションとデフレーションについて初心者の方にも分かりやすい視点でお伝えしたいと思います。
普段の生活では物価の変動に気付くことは多いかもしれませんが、それが経済全体にどう影響するのか、詳しく考える機会は少ないのではないでしょうか。
誰もが聞いたことがある基本的なインフレとデフレ。
今回はその仕組みや関連する経済指標について見ていきましょう。
インフレーションとは
インフレーションとは、物価が全体的に上昇する現象のことです。
インフレの変化は、消費者物価指数(CPI)などの指数で測定されます。
たとえば、毎日の生活でパンやガソリンの値段が少しずつ上がるのを目にすることがあるかと思います。
これが全般的な物価上昇の一例です。
インフレーションには以下のような特徴があります。
緩やかなインフレーションは経済にとってプラスです。
なぜなら企業の投資意欲が高まり、経済成長を後押しするからです。
そして高インフレーションになると物の値段が急激に上がり、お金の価値が下がります。
これにより消費者の購買力が低下し、需要が減少することになります。
またインフレには「インフレーション慣性(Inflation Inertia)」という言葉があります。
これは、経済状況の変化に対してインフレーションがすぐには反応せず、数四半期遅れて動く傾向のことです。
慣性の法則そのままですね。
需要が急増しても、価格の上昇がすぐに追いつかない現象がインフレーション慣性です。
インフレーションの原因
そこで、インフレーションは主に以下の2つの原因で発生します。
- 過剰需要:
- 消費者の需要が供給を上回ると、価格が上昇。
- 例えば、家を購入したい人が多すぎる場合、不動産価格が上がるのと同じ理屈。
- 貨幣供給の拡大(Monetary Expansion):
- 市場に出回るお金が増えすぎると、物価が上がることがある。
- 中央銀行が金利を下げたり、国債を買い入れることで、通貨量を増やすことがその一例。
デフレーションとは
その一方で、デフレーションとは物価が全体的に下落する現象を指します。
これが起きるのは、需要が供給を大きく下回るときです。
デフレーションは一見、消費者にとって良いことのように思えます。
なぜなら、物の値段が下がるからです。
けれども企業の利益が減少し、結果として賃金の引き下げや失業率の増加につながる可能性があります。
たとえば景気後退期にはデフレーションが見られることがあり、投資家はリスクの高い資産(株式や不動産)から安全資産(米国債など)に資金を移す傾向が現れます。
インフレーションと金利、債券の関係
ちなみに
「インフレーションが上がると金利が上がり、債券価格が下がる」
とよく言われますが、この仕組みを具体例で説明します。
例:
10,000ドルの10年債券を3%の利回りで購入したとします。
すると投資家は毎年300ドルの利息を受け取ります。
その後、インフレーションが上昇し、中央銀行が金利を引き上げました。
新しい10年債券は5%の利回りで発行されるようになります。
この場合、既存の3%債券は魅力を失い、価格が下がります。
この価格が7,000ドル程度まで下がれば、利回りが5%に近づき、新しい債券と競争力を持つようになります。
かくしてインフレーションの上昇は金利の上昇を促し、既存債券の価格を押し下げるのです。
ちなみに、インフレーションやデフレーションの影響を理解するには、いくつかの重要な経済指標があります。
まずGDP(国内総生産)は、一国の経済活動全体の規模を示すもので、GDPがマイナスになる場合、デフレーションの兆候である可能性がある、ということです。
そして失業率も経済の健康状態を表す重要な指標で、一般的に失業率が4%前後であれば「完全雇用」の状態とされており、この状態では過剰なインフレーションを引き起こしにくいと考えられています。
またCPI(消費者物価指数)は生活必需品やサービスの価格変動を測定するものであり、この指数の変動が大きい場合、経済の安定性に影響を及ぼす可能性がある、と理解できるのです。
これらの
- GDP(国内総生産)
- 失業率
- CPI(消費者物価指数)
といった三つの指標は経済全体の状態を理解し、適切な政策判断を行うための基盤となるものです。
かくして、インフレーションとデフレーションは私たちの生活に密接に関連しています。
これらの変動が経済全体や投資環境に与える影響を理解することで、より良い意思決定ができるようになると思います。
。。。
約一か月にわたり、投資全般について初心者目線でお伝えしてきました。
明日から、アメリカ不動産に特化した記事に戻りたいと思います。
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