こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
カリフォルニア州の不動産市場やアメリカ全体の経済動向について、最新の動向が発表されました。
昨年からの動きを踏襲するものですが、要点を押さえておきましょう。
カリフォルニアの不動産市場は2024年、力強い年末で一年を締めくくりました。
前年からの販売数の伸びは約4.3%で、実はこれ、3年ぶりの増加です。
とはいえ、販売件数自体はコロナ以前の40万件というレベルにはまだ達していません。
この伸びの背景には2023年12月の販売数が極めて低かったことも関係しています。
それでも、昨年や前月と比べての改善が見られたことは、今後の希望につながると言えます。
カリフォルニア州物件の価格変動
価格については、2024年のカリフォルニア州の中間価格は安定的に上昇しています。
12月時点で18カ月連続の前年同月比プラスを記録し、年間全体で6.3%増加しました。
この増加は、2023年に見られたわずか0.6%の下落からの大きな回復と言えます。
価格は今後、季節的な変動により若干緩やかになる見込みですが、2025年第1四半期には一桁台前半の成長が続きそうです。
特に春以降の住宅購入シーズンが始まると、価格の動きがさらに活発になるかもしれません。
インフレと消費者動向
インフレや消費動向についても触れておきましょう。
アメリカ全体の消費者物価指数(CPI)は、2024年12月に0.4%上昇し、前年同月比で2.9%増加しています。
この増加は主にガソリン価格の上昇によるものですが、食品やエネルギーを除いたコアCPIは0.2%の上昇に留まりました。
とはいえ、住宅関連コストの上昇率が鈍化したことで、全体的なインフレは少し落ち着いていると言えます。
このインフレ鈍化の影響で、住宅ローン金利が下がり、買い手にとっては少し有利な状況が生まれているのです。
小売業
消費者の購買活動、小売売上高についても見ておきます。
2024年12月の小売売上高は前月比0.4%増加し、前年同月比では3.9%増加しました。
特にスポーツ用品店や家具販売が好調でしたが、一方で建築資材店やレストランの売上は減少。
レストランの売上減少は意外ですが、年末のギフト購入が活発だったため、消費者が外食費を控えていた可能性があります。
全体的には雇用市場が引き続き強いこともあり、小売市場の見通しは明るいといえるのではないでしょうか。
差押え件数
そして不動産業界における差押え(フォークロージャー)の状況についてですが、2024年、アメリカ全体の差押え件数は32万2,103件で前年比10%減少しました。
リーマンショック時のピークに比べると89%も低い水準にあります。
カリフォルニア州ではわずかに増加しましたが、全体的には安定しており、今後もこの傾向が続くと予想されています。
住宅価格が上昇基調にあるため、差押え件数が急増するリスクは低そうです。
。。。
かくして、カリフォルニア州の不動産市場は回復基調にありますが、地域や価格帯によっては未だ回復とはいえない地域もあるようです。
また、金利やインフレの動向が市場に与える影響も引き続き注視する必要がありますが、同時にロサンゼルス地区で発生した大火事についても触れておきましょう。
今回の火事は地域全体に大きな影響を与え、多くの住宅が被害を受けました。
そのため、一部のエリアでは物件価格が一時的に下落する可能性があります。
ただし、過去の事例を見ると災害後は復興需要が高まり、不動産市場が回復する傾向があるのです。
被害を受けた方々にとっては厳しい状況で本当にお気の毒ではありますが、皮肉なことに、大火を起こした地域のその後は全体としては長期的な成長が期待されるのです。
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