こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
2024年アメリカ経済の総括が発表されました。
おしなべて、2024年のアメリカ経済は堅調な成長を維持したとの評価。
年間成長率は2.8%と、前年の2.9%とほぼ同水準です。
個人消費が引き続き成長を牽引し、経済の基盤を支えています。
第4四半期(10月~12月)のGDP成長率は年率2.3%。
事前予測の2.4%をわずかに下回りましたが、それでも力強い成長を見せました。
かくして、2024年のアメリカ経済は安定した成長を記録し、堅調な形で年を締めくくられたようです。
個人消費は加速、一方で企業投資は減速
消費者の購買意欲は依然として強く、第4四半期の個人消費は年率4.2%増。
これは2023年1月~3月期以来の最速ペースです。
また前期(7月~9月)の3.7%から加速しており、消費者の支出が依然として経済成長の原動力であることが分かります。
ただし、企業投資は振るいませんでした。
設備投資が急減し、2四半期連続の堅調な伸びから一転して大幅な落ち込みを記録しています。
この点は先行き不透明感を見据えると、モノとサービスの値段が上昇している昨今、企業としてもおいそれと設備投資はできないということでしょうか。
そしてインフレも引き続き注視すべきポイントです。
FRB(連邦準備制度)が重視するインフレ指標、PCE(個人消費支出)価格指数は、第4四半期に年率2.3%上昇。
前期(1.5%)よりも加速しました。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEインフレ率は2.5%。こちらも7月~9月期の2.2%から上昇し、依然として高止まりしています。
物価上昇のペースは鈍化しているものの、FRBが目標とする2%にはまだ届いていません。
トランプ大統領が引き継ぐ「堅調な経済」
2024年末の時点で、失業率は4.1%。雇用市場は安定し、経済全体も堅調な成長を維持しています。
こうした状況のなかで、トランプ大統領が新たに政権を引き継ぎました。
トランプ大統領の経済政策は減税と規制緩和を柱としており、これが経済成長をさらに加速させることが期待されています。
その一方で大幅な関税の導入や不法移民として働く数百万人の強制送還計画が進めば成長が鈍化し、物価上昇のリスクも高まる可能性はあるのではないでしょうか
FRBの動きと市場の見通し
そしてFRBは1月下旬の水曜日の会合で、政策金利を据え置きました。
昨年9月以降3回の利下げを行いましたが、FRB議長のパウエル氏は
「急いで追加の利下げを行う必要はない」
とコメント。
インフレ率は2022年半ばのピークから低下しましたが、ここ数カ月は鈍化のペースが停滞しており、FRBは慎重な姿勢を維持しています。
その一方、欧州経済は低迷が続いています。
ECB(欧州中央銀行)は木曜日に政策金利を0.25%引き下げました。
これは、米国経済の堅調な成長と対照的に、ヨーロッパ経済が低迷していることを示しています。
2024年末の成長率はゼロと、停滞が続いている状況です。
。。。
かくしてアメリカ経済は引き続き堅調な成長を維持していますが、今後の見通しは一筋縄ではいきません。
トランプ政権の経済政策次第では成長が加速する可能性もありますが、貿易戦争や移民政策の影響がどう出るかは未知数です。
昨年までの成果が本年はどのようにアメリカの投資環境に影響してくるのか、引き続きモニタリングしていきましょう。
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