こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
住宅ローンの申請件数が再び減少しています。
これから春の住宅市場が本格化するはずですが、買い手の動きは鈍いままです。
なぜでしょうか?
実のところ、先週の住宅ローン申請件数は前週比で4%減少しました。
前年同週比では横ばいですが、2019年2月と比べると39%も少なくなっています。
住宅の売買件数自体も30年ぶりの低水準です。
金利は少し下がったのに、なぜ買い手は増えないのでしょうか?
30年固定金利の住宅ローン金利は 6.97% に低下しました(前週は7.02%)。
これは6週間ぶりの低水準であり、けれども、それほど大きく下がったわけではなく、依然として高いままです。
ということは、要するに
「家の購入に踏み切るほど、十分に金利が下がっているとは感じていない」
ということです。
一方で、借入額の平均は $447,300 に上昇しています。
これは2024年10月以来の高水準で、政府系ローン(FHAやVAなど)の利用が減り、高額の住宅ローンを組む人が増えていることが分かります。
そして住宅価格は相変わらず高止まりしています。
売り手は値下げをするものの、その割合は 15.6%(前年は14.7%)。
つまり一部の売り手は値下げしていますが、まだまだ強気の姿勢を崩していません。
そして物件の供給量だけは増えています。
市場に出ている住宅の数は 前年同月比で25%増加。
けれども冷静に見ると、これは「売れ残り」が増えているだけで、住宅市場全体の供給は2019年比で25%少ないままです。
春の住宅市場は静かな気配
春は一般的に住宅市場が活発になるシーズンですが、今のところ勢いは感じられません。
前述までにお伝えしたことも含め、理由は以下の通りと考えられます。
- 金利が依然として高い(6%台後半)
- 住宅価格が下がらない(一部は値下げしているが、依然として高い)
- 供給は増えたが、2019年よりは少ない
買い手にとっては「価格が高い上に金利も高い」という状況が続いています。
そのため、無理に購入しようとする動きが鈍っているわけです。
そうすると
- 住宅ローン申請は4%減少、2019年比で39%減
- 金利は6.97%に低下したが、依然として高水準
- 住宅価格は下がらず、供給は増えたが売れ残りが多い
- 春の住宅市場は厳しいスタート
この状況が続くと、本年は売り手側が少しずつ値下げを余儀なくされるかもしれません。
今後の市場の動きに注目です。
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