こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今回は最近改めて注目されている
「アフォーダブル・ハウジング・ロトリー(Affordable Housing Lottery)」
についてお伝えします。
「抽選で格安住宅が手に入るなんて、まるで宝くじみたいで当たる気がしない…」
そう思うかもしれません。
けれども実は、この制度は純粋な運頼みではありません。
コツを押さえれば、当選する可能性をグッと高めることも可能です。
特にサンフランシスコやシカゴ、ボストンといった大都市では、この制度を活用して手ごろな家賃の住宅に住んでいる人がたくさんいます。
そこで今回は、アフォーダブル・ハウジング・ロトリーの仕組みと当選のコツについて見ていきましょう。
そもそもアフォーダブル・ハウジングとは?
「アフォーダブル・ハウジング」は、政府の補助を受けて家賃が市場価格よりも大幅に安く設定された住宅のことです。
家賃は世帯収入に応じたスライド式になっており、一般的には「収入の30%以下」が基準とされています。
例えば:
- 月収3,000ドルなら家賃は900ドル
- 月収5,000ドルなら家賃は1500ドル
です。
「収入が少ない人しか申し込めない」
と思われがちですが、実はそうでもありません。
収入の範囲は意外と広く、ニューヨーク市の例では年収25,000ドルから100,000ドルまでの幅が設定されていました。
つまり、高収入の部類に入る人でも都市部では適用されることがあるのです。
最近ではニューヨークだけでなく、サンフランシスコやシカゴ、フロリダ州サラソタなど、全米のさまざまな都市でアフォーダブル・ハウジングが増えています。
アフォーダブル・ハウジングの申し込み方
申し込む場合、アフォーダブル・ハウジングの情報を集めることから開始しましょう。
申込先の探し方
- ニューヨーク市:「NYC Housing Connect」で最新の募集情報を確認
- シアトル:「Seattle Housing Authority」のポータルサイトで登録
- その他の都市:「Affordable Housing Lottery ○○(住んでいる都市名)」で検索
また、地元の「Housing Preservation & Development(HPD)」や「Housing Development Corp(HDC)」に問い合わせるのも有効です。
一度に複数のロトリーに応募できるため、可能な限り多くの抽選に申し込むことが当選率を上げるコツです。
申し込んだあとは、ただ待つだけ。
各建物には数千人が応募することがあり、応募者はランダムに番号が振られます。
番号が低いほど、優先的に選ばれる可能性が高くなります。
「すぐに連絡が来ることもあるし、3か月~3年後になることもある」
それくらいの気持ちで待つのがよいと思います。
けれども意外なことに、一部の都市ではアフォーダブル・ハウジングの空室が長期間放置されていることがあります。
例えば、ニューヨーク市ブロンクスのあるアパートでは、月額1,250ドル(年収101,000ドル以下対象)という格安家賃なのに、1年以上も誰も住んでいなかったのです。
原因は
「市の規制によって、貸主が空室の再募集を自由にできないため」
だと指摘されています。
つまり、行政手続きの遅れが住宅供給の遅れにつながっているわけです。
当選確率を上げる方法
そこで、どうすれば当選しやすくなるのでしょうか。
確率を高めるには、以下の手順が参考になります。
① 地元優先の制度を活用
多くのロトリーでは、その地域に住んでいる人が優先されることが多いです。
申し込むときに、地元住民であることを証明できると有利になります。
② 公務員や特定職種は有利
警察官や教師、市の職員など、特定の職業の人は優遇されることがあります。
③ 障がい者や特定の条件を満たす人も優先される
病気や障がいを持っている人は、特別な枠で入居できる可能性があります。
④ 新築だけでなく「リリース物件」にも注目
多くの人は新築のアフォーダブル・ハウジングばかり狙いますが、すでに誰かが住んでいた「リリース物件」も対象になります。
これらの物件は競争率が低く、それなりに当選しやすい穴場なのです。
そして当選すると、本格的な審査が始まります。
提出する書類が多く、抜け漏れがあると無効になる可能性もあるので早めに準備しておきましょう。
必要な書類の例
- 銀行の残高証明
- 収入証明(給与明細や確定申告書)
- 資産証明(株やIRAなど)
- 現在の賃貸契約書
- 出生証明書や身分証明書
この審査をスムーズに通過するため、事前にソーシャルワーカーや支援団体のアドバイスを受けるのもおすすめです。
。。。
かくして、アフォーダブル・ハウジング・ロトリーは、知識と準備次第で当選の可能性を高めることができます。
- 収入がそこそこ高くても応募できる
- 地元優先や特定職種枠を活用する
- 新築だけでなくリリース物件も狙う
- 複数のロトリーに同時応募する
- 必要書類を事前に準備しておく
この制度を上手に活用すれば、都市部でも手ごろな家賃で快適な暮らしを手に入れる可能性があるのです。
興味のある方は
「どうせ当たらない」
と諦めず、興味がある方はお住まいの都市のアフォーダブル・ハウジング情報を調べてみてはいかがでしょうか。
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