こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
先だって法人のお客様のために大型物件探しをしていたのですが、パートナーから
「焼失した建物はアリか?」
という連絡が届きました。
先日はカリフォルニア州で山火事が多発し、売却を余儀なくされる方もいらっしゃいます。
また天災でなくとも通常の火事で建物の大部分を失い、売却を検討するオーナーもいるものです。
実際に、焼けた家やその土地が意外にも高値で売れている事例もでています。
焼け落ちた物件が売れるのは一体なぜなのか?
投資としては成り立つものでしょうか?
今日は焼失した物件について、ポイントを押さえながら見ていきましょう。
焼失した家が売れる理由
最近の事例として、焼失後のカリフォルニア州Altadena (アルタデナ)の9,109平方フィートの土地が$550,000のキャッシュ購入で売れました。
また、Palisades Highlands(パリセーズ・ハイランズ)では$999,000でリストされた焼失物件土地が100万ドル以上で成約。
「焼けた家なんて誰が買うの?」
と思うかもしれませんが、実は投資家や開発業者が積極的に買いに来ています。
その背景には下のような要因があります。
- 土地の供給不足
- カリフォルニアは住宅用地が少なく、特に平坦な土地は貴重。
- 焼失しても、再建できる土地は開発のチャンスになる。
- 建設資金が豊富
- 投資家やデベロッパーは十分な資金を持っており、リスクを取ってでも購入する。
- 投資家やデベロッパーは十分な資金を持っており、リスクを取ってでも購入する。
- リスクを避けたい売主が多い
- 再建には3~5年かかるケースもあり、負担を避けて土地だけを売る選択をする人が増えている。
- 保険金が十分でないケースでは、売却して次の生活に移る方が合理的。
とどのつまり、開発業者にしてみると十分な理由があるのです。
もちろん、焼けた家を買うのは簡単なことではありませんし、購入前に考慮すべきリスクがいくつもあります。
例えば、
- 建築コストの上昇
- カリフォルニアは建築規制が厳しく、人件費も高い。
- 1平方フィートあたり$500~$600の再建コストがかかるため、2000平方フィートの家なら約100万ドル。
- 損傷レベルの見極め
- 表面的な損傷:煙やススの清掃で済むレベル。
- 中程度の損傷:電気系統やフレームの交換が必要。
- 重度の損傷:完全に焼失し、基礎しか残っていない。
- 水害:消火時の水による追加ダメージも考慮が必要。
- 再建の許可と規制
- 市や郡の規制が厳しく、特に歴史的地区では再建に追加ルールがあることも。
- 土地が「レッドタグ」(安全上の問題で使用禁止)になっていると、追加の補修が求められる。
- 保険金の影響
- 既に前オーナーが保険金を受け取っている場合、価格に影響する。
- 再建時の保険適用範囲を事前に確認する必要あり。
等が考えられます。
それでも投資として考えるなら、適切な物件を見つけることが重要です。
具体的な探し方としては
- MLS(複数リスティングサービス):「As-Is(現状販売)」「Tear-Down(取り壊し前提)」といったキーワードをチェック。
- オークションや税差押え物件:火災後の未払い税金によって差し押さえられるケースもあり、安く入手できることがある。
- 現地ネットワークの活用:ローカルの不動産エージェント、建築業者、市役所の都市計画担当者とつながることで、未公開情報を得ることができる。
です。
結果として、
「適切な物件を選び、建築コストと規制を見極められれば、十分に投資として成り立つ」
ということになります。
とりわけカリフォルニア州の場合、土地不足を考えると
「焼失=価値ゼロ」
ではなく
「再生できる資産」
としての視点を持てることになります。
もちろん、全てのケースが成功するわけではなく慎重な調査とリスク管理が必要ですが、大きなリターンを得られる可能性も十分にあるのです。
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