こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
ここ数年、光熱費や携帯料金だけでなく、税金の支払いまでクレジットカードを活用する場面が増えてきました。
ところが、住宅ローン(モーゲージ)の支払いだけは「カード決済が一般的でない」どころか、「避けたほうがいい」と言われてきたのが実情です。
しかし最近、新しいサービスや仕組みが登場してきたことで、「本当にダメなの?」「メリットもあるんじゃない?」と改めて注目され始めています。
モーゲージをクレジットで支払う、意外な理由
なぜこれまでモーゲージにクレジットカードが使われにくかったのか。
一番大きいのは、やはりカード決済手数料の存在です。
貸し手からすると、取引額の3%超を手数料で差し引かれてしまうのは相当な痛手。
また、クレジットカード金利が住宅ローンの金利よりかなり高いため、うっかり残高を抱えてしまうと「負債スパイラル」に陥るリスクが高くなるのも理由の一つです。
そのため、「いくらポイントが欲しくてもハイリスクだよね」という声が昔から根強かったのです。
とはいえ、「毎月の支払いを一本化したい」「絶対に翌月完済できるから、ポイントを効率よく貯めたい」という人も少なくありません。
こうした背景があるからこそ、モーゲージでもカード決済を可能にするソリューションが注目を集めています。
新サービスが目指すもの
最近は、たとえば第三者代行サービスを利用してモーゲージの支払いをクレジットカード化するケースが増えています。
たとえば「モーゲージ会社がカードを受け付けない」場合でも、代行サービスがあなたのカードから引き落とし、モーゲージ会社へ振り込みや小切手で支払いをしてくれる仕組みです。
もちろん、代行サービスには利用手数料がかかるため、その費用対効果をしっかり考えないとポイント獲得分より手数料のほうが高くなる、なんてことにもなりかねません。
また、近ごろは「直接モーゲージをクレジットカード払いするわけではないが、アプリ上でモーゲージの支払い履歴を紐づけ、ポイントを付与する」タイプのカードも登場しています。
これは、利用者が銀行口座から普通にモーゲージを払いつつ、後日ポイントだけ受け取れる仕組みなので、比較的リスクが低いというのが特徴です。
ただし、カード自体の金利や年会費などが高めに設定されている場合もあるので、トータルコストを要チェックです。
クレジットカード払いのメリットとリスク
最大のメリットは、言うまでもなくポイントやキャッシュバックを得られること。
毎月の支払いが高額になりやすい住宅ローンだからこそ、カードのリワードが大きくなる期待があるわけです。
ただし、しっかり翌月以降に完済できることが前提。
もし残高を繰り越してしまえば、通常の住宅ローン金利よりずっと高いリボ金利や遅延損害金を支払うハメになるかもしれません。
そんなリスクを考慮すると、カード払いは「財務管理が得意で、ガチガチに完済できる人」に向いている選択肢と言えるでしょう。
法改正が及ぼす影響も見逃せない
最近、連邦議会ではカード金利の上限を10%にする案や、クレジットカードの決済手数料を引き下げる案などが浮上しています。
もしこうした法改正が通れば、カード会社が得る利益が大きく減り、そのしわ寄せでポイント還元が縮小される可能性もあります。
つまり、「今はお得に感じるけれど、将来はどうなるかわからない」という点も頭の片隅に入れておきましょう。
結局、高還元率を求めすぎると、逆に自分のクレジットスコアや将来のキャッシュフローを危うくするかもしれません。
総合的な視点で判断を
まとめると、モーゲージをクレジットカードで支払うという発想は、一見魅力的に見えるものの、実はリスクとの背中合わせ。
「ポイントは貯めたいが、金利負担は絶対に避けたい」
という人だけが上手に使いこなせる手段かもしれません。
私たち不動産エージェントからすると、まずは確実に毎月のローン返済を続けられるかどうかが第一優先。
そこにプラスアルファで「カードリワードを狙う余裕」があるなら検討してみる価値はあります。
とはいえ、どんなカードやサービスを使うにしても、利用規約や手数料、そして法改正の動きまでこまめにチェックし、冷静に損得勘定をすることが欠かせません。
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クレジットカードのポイントは確かに魅力的ですが、住宅ローンは人生の大きな買い物でもあります。
もし「ちょっとでも手数料が高いかも」と疑問を感じるなら、専門家に相談したり、シミュレーションをしっかり行うことがおすすめです。
くれぐれも負債が雪だるま式に膨れ上がらないよう、きちんと管理しながら、自分に合った最適な方法を選んでいただければと思います。
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