こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカの住宅市場で最近注目されているのが
「住宅購入契約キャンセルの急増」
です。
このことについて、全体像を見ていきましょう。
2025年1月、アメリカの住宅購入者による契約キャンセル率が過去最高水準に達しました。
不動産会社レッドフィンの調査によれば、1月のキャンセル率は14.3%で、前年同月の13.4%からさらに上昇しています。
このデータ収集が始まった2017年以来、1月としては過去最も高いキャンセル率となっています。
では、なぜこれほどキャンセルが増えているのでしょうか?
主な理由として挙げられるのが
- 住宅ローン金利の上昇
- 高騰する住宅価格
- 米国の貿易摩擦や政府支出削減に伴う経済的不安
です。
実際、2025年1月の全米不動産協会(NAR)の報告では、ペンディング(契約中)物件数も過去最低を記録しており、市場の脆弱さが浮き彫りになっています。
特に契約キャンセル率が高かった都市としては、アトランタが19.8%と最も高く、続いてオーランド、ラスベガス、ヒューストン、ジャクソンビルがそれぞれ約18%と続いています。
また、一部の市場では物件数が増えつつあるため、購入者がより慎重になり、
「もっと良い物件があるかもしれない」
と契約後のインスペクション期間にキャンセルするケースも多くなっています。
住宅ローンの金利も引き続き上昇傾向です。
2025年1月のアメリカにおける30年固定ローン金利は平均6.72%で、2024年9月の6.08%と比べて大幅に上昇しています。
専門家は2025年から2026年にかけても住宅ローン金利が6%台半ばで推移すると予測しており、市場の不安定さはしばらく続くと見られています。
こうした状況の中、私たち不動産の専門家たちは購入希望者に対し、諦めずに積極的に情報収集することを勧めています。
実際、何人かの不動産エージェントは、購入希望者が物件を逃した後も積極的に問い合わせを続けることで
「キャンセル後に再び購入チャンスを掴むケースが今年に入って既に数回もあった」
と述べています。
要するに、現在の住宅市場は不安定ではありますが、決して購入を諦めるべき状況ではないということ。
重要なのは経済や政治情勢などの変化を理解し、私たち専門家と連携して最新情報を取り入れながら、慎重かつ積極的に購入戦略を立てることかと思います。
住宅購入や市場動向について気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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