こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今回は、アリゾナ州で実際に起きた衝撃的な不動産詐欺事件をもとに、不動産投資家が知っておくべきリスクとその防止策について触れておきたいと思います。
2025年3月、アリゾナ州フェニックスで、家主の許可なく他人に家が勝手に売却されるという事件が起こりました。
被害者は、自分たちが所有していた家を不法占拠者(スクワッター)が勝手に売却してしまったことを後になって知ったのです。
スクワッターは無人の物件に侵入し、室内にあった個人情報を盗み出し、同物件を所有する夫妻の身分を偽って不動産売却を行ったという衝撃的事件。
驚くべきことに、この偽の取引は不動産投資家相手に約20万ドルで成立していました。
この事件の背景には、「タイトル詐欺(Title Fraud)」という犯罪があります。
アメリカの不動産売買は通常、権利書(タイトル)の所有権移転を通じて合法的に行われますが、悪質な犯罪者は偽の書類や署名を作成し、タイトル会社や公証人をだまして所有権を不正に移転させるケースがあります。
今回の場合もスクワッターが書類を偽造し、タイトル会社が騙されてしまいました。
基本的に、米国での不動産売買ではエスクロー会社/タイトル会社が取引の仲介に入ります。
タイトル会社には専任の弁護士が所属しており、取引は弁護士の主導で行われるのが常です。
そこで、こうした詐欺から自分の資産を守るために、投資家が取るべき具体的な対策は下記のとおりです。
【ステップ1:不動産記録を常時モニタリングする】
不動産が自分の知らないうちに売却されることを防ぐため、多くの自治体では不動産記録の変更を即座に通知するサービスを提供しています。
例えばGoogleアラートに自宅住所を登録しておけば、誰かが勝手にあなたの物件を売りに出した場合、すぐに検知できます。
【ステップ2:信頼できるタイトル会社と連携する】
タイトル会社は物件売買時に所有権が確実に移転されるよう、過去の所有履歴や負債などをチェックし、問題がないことを確認した上で取引を進めます。
またタイトル保険に加入することで、万が一こうした詐欺が発生しても金銭的なリスクから守られます。
【ステップ3:個人情報や重要書類を厳重に管理する】
自宅に残された個人情報が盗難にあうリスクを避けるため、不動産関連の書類や重要書類は必ず施錠可能な金庫や貸金庫で管理しましょう。
空き家になっている物件やセカンドハウスを所有している場合は特に、書類や郵便物を置きっぱなしにしないよう注意が必要です。
【ステップ4:異変に気づいたら即行動】
不動産の所有権に不審な変更があると感じたら直ちに郡の記録を確認し、警察や専門の不動産弁護士に連絡しましょう。
迅速な対応が不正な取引を取り消す鍵です。
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タイトル詐欺は決して他人事ではありません。
特に投資物件や空き家を所有している投資家にとっては、常に気を配るべきリスクと言えます。
積極的に自衛策を講じることで、自分の資産をしっかりと守っていきましょう。
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