こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
Zillowが新ルールを発表したようです。
「今後、MLSに登録されていない物件は、Zillowには掲載しない」
この方針転換は、投資家にとってはかなり大きな変化です。
Zillowが導入する“情報の公平化”ルール
Zillowは今年5月から、MLSに24時間以内に登録されない物件は自社サイト(Zillow、Truliaなど)に一切掲載しないという新基準を導入します。
その背景には、NAR(全米リアルター協会)の「Clear Cooperation Policy」があるとのこと。
このポリシーでは
「一度でも一般に向けたマーケティングを行った物件は、24時間以内にMLSに登録しなければならない」
という規定になっており、Zillowはこの原則を強化する形で動いたわけです。
ここでいう「一般向けマーケティング」には以下が含まれます。
- SNSへの投稿
- 自社ホームページでの事前告知
- メールマガジンやチラシの配布
- 庭に立てる「For Sale」看板
つまり
「事前に内々で宣伝しよう」
という手法そのものが、Zillowからの締め出し対象ということになります。
eXp Realtyも賛同、透明性重視へ
この動きに真っ先に賛同したのが、全米最大級のクラウドベースブローカー「eXp Realty」です。
eXpのCEOは「物件の可視性を最大化し、より透明で効率的な市場を実現するため」とコメント。
確かにMLSを通じてすべての買い手に平等なチャンスを与えるのは、公平性の観点からも理にかなっています。
今までの“裏ルート”はどうだったのか?
例えば、
実例:看板だけが出ていた物件に飛び込み
MLSに情報がない段階で、Zillowの「FOR SALE」看板を見て直接連絡。売主が「まだエージェントを正式に立てていない」状況だったため、エージェント不要の現金取引が成立。
このような手法は、Zillowの新方針では今後難しくなります。
Zillowがこのように“MLS以外のルートで出た情報は見せない”という方針を取るということは、物件情報の入り口が一つ消えることを意味します。
そうすると、不動さん投資家がすべき対応は、次の3つです。
MLSの直接チェックを強化する
ZillowやTruliaだけを見ていては情報が偏るため、MLSアクセスできるネットワークが必須です。
エージェントとの関係性を深める
“Coming Soon”や非公開情報を先回りで知るには、信頼される関係が必要不可欠。
買付判断スピードの強化
オフマーケットで得ていたアドバンテージが薄れる以上、今後はMLSに出た瞬間に動ける準備が重要です。
。。。
かくして、Zillowのルール変更は不動産市場の透明性を高めると同時に、投資家にとっては“情報戦略の再構築”が求められる転換点となりそうです。
これまでのように表に出る前の情報を使った仕入れが難しくなる中、独自のネットワークをどれだけ構築できるかが、今後の成功を分ける鍵になりそうです。
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