こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
本日は、金利の急騰が住宅市場にもたらす投資機会とリスクについて考察してみます。
関税問題をきっかけとする金利上昇の影響で、住宅購入者の間でリスクの高いローンを選ぶ動きが加速しています。
この流れは不動産投資家にとっても非常に重要なサインです。
まずは、現在の住宅ローン市場の状況を簡単に整理しましょう。
先週、30年固定金利型住宅ローンの平均金利はわずか1週間で6.61%から6.81%へと0.20%も急上昇しました。
その影響で、住宅ローン申請件数は前週比で8.5%減少しています。
一方、昨年の同時期と比較すると申請件数は13%多い状況ですが、実は市場に出ている住宅在庫数は前年同時期と比べて30%も増えています。
つまり、本来なら毎年のこの時期には購入意欲はもっと活発化していてもおかしくないのですが、経済の先行きに対する不安や金利の激しい変動により、購入に慎重になる人が増えているのです。
こうした環境下で目立つのが、「変動金利型住宅ローン(ARM)」の利用増加です。
変動金利型ローンの申請割合は、先週時点で9.6%と、2023年11月以来の高水準に達しました。
特に借入額が大きい人ほど、初期金利が低い変動金利型を選ぶ傾向が強くなっています。
このような金利上昇の局面で、不動産投資家が押さえておくべきポイントを整理しましょう。
- 金利上昇期における変動金利型ローンのリスク管理
- 住宅在庫の増加によって生まれる短期的な投資チャンス
- 購入意欲低下に伴う賃貸物件への投資妙味
- 金利変動リスクを抑えるためのヘッジ戦略
まず、変動金利型ローンのリスク管理についてです。
初期固定期間が短い変動金利型ローンは、その後の金利が上昇すると返済負担が急増する可能性があります。
そこで保有期間や返済計画について、事前に細かなシミュレーションを行うことが不可欠です。
住宅在庫の増加がもたらすチャンスについてはどうでしょうか。
昨年より在庫が30%増えたことで、徐々に売り手市場から買い手市場へとシフトしつつあります。
需給が緩んだ時期には割安で購入可能な物件や、交渉によって有利に取引できる物件が増える可能性があります。
つまり、投資家にとって市場が調整される今は、絶好の買い時になり得るということです。
そして、購入意欲が低下したことに伴う賃貸需要の増加にも注目です。
住宅購入が鈍化すると、相対的に賃貸住宅への需要は安定します。
ローンのハードルが高くなる環境では、賃貸マーケットが底堅く推移する傾向があり、キャッシュフロー目的の収益物件への投資が魅力的になります。
最後に金利の変動リスクを抑えるヘッジ戦略です。
例えば、固定金利型ローンの活用や金利スワップ取引を通じて、将来的な金利上昇リスクを軽減できます。
またローンタイプを複数に分散させることも、有効なリスク管理法の一つです。
まとめると、
- 変動金利型ローンの利用比率が2年ぶりの高水準
- 住宅ローン金利が1週間で0.20%上昇
- 住宅在庫が前年比で30%増加
- 借り手の需要が金利変動により鈍化
このあたりが、不動産投資家として押さえておきたい現在の市場動向です。
投資をご検討中の方は、ご自身の投資計画と照らし合わせて金利や市場の動きを慎重に分析し、賢明な判断を下していきましょう。
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