こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
カリフォルニア州の住宅市場の動向について、最近の報告書を基に深掘りしてみたいと思います。
2025年3月の既存住宅販売数が、経済不確実性や金利の上昇によりわずかに減少したという結果が出ました。
この動向は今後の住宅市場の行方に大きな影響を与える可能性があるため、注目すべきポイントです。
まず、2025年3月の住宅販売数は季節調整後年率換算で277,030件となり、前月の284,540件から2.3%の減少が見られました。
けれども前年同月の264,200件に比べると4.9%の増加を記録しています。
これにより2025年は依然として回復基調にあることが分かりますが、販売数は過去30ヶ月間、30万件を下回ったまま推移しています。
要するに、現在の市場が持つ慎重な姿勢が続いている、ということです。
さらに注目すべきは、カリフォルニア州全体の住宅価格です。
2025年3月の州全体の中央値は884,350ドルとなり、前月比で6.7%、前年同月比で3.5%の上昇が見られました。
結果として21ヶ月連続での価格上昇が確認されていますが、月間での上昇率は過去10年間の歴史的平均7.7%を下回る結果となっています。
価格上昇は依然として緩やかであり、経済的不安定要素が市場に影響を与え続けていることが読み取れます(それでも上昇し続けることは驚きですが)。
また、地域別の動向も興味深いです。
例えば、サンフランシスコベイエリアでは中央値が1,400,000ドルとなり、前年同月比で1%の微増となりましたが、販売数は35.5%の大幅増となりました。
その一方でロサンゼルスエリアでは中央値が834,830ドルとなり、前年同月比で4.2%の増加が見られましたが、販売数は23.5%の増加にとどまっています。
この違いは、地域ごとの経済的背景や不動産需要の変動を反映していると考えられます。
また、売れ残り在庫の動きにも注目する価値があります。
3月の売れ残り在庫指数(Unsold Inventory Index)は前月から0.5ヶ月減少し、3.5ヶ月となりましたが、前年同月比では0.9ヶ月増加しています。
結果として売れ残り在庫が増加し、市場での供給過多が懸念されています。
この傾向は、購入希望者が増えてきたにもかかわらず実際の販売に至らない理由の一つとして考えられます。
また、経済的不確実性により、金利の変動も大きな影響を及ぼしています。
2025年3月の30年固定金利は6.65%となり、前年同月比でわずかながら減少していますが、依然として高水準を維持。
金利の変動は住宅市場に直接的な影響を与えるため、今後の金利の動向に注視する必要があります。
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かくして、現在のカリフォルニア州の不動産市場において住宅価格の上昇は依然として続いていますが、経済的不確実性や金利の上昇が市場に与える影響も無視できません。
特に売れ残り在庫の増加や、地域ごとの販売数の違いが今後の市場動向を大きく左右する可能性があります。
総じていえばカリフォルニア州の住宅市場は依然として回復基調にあるといえますが、金利の変動や経済的不確実性が引き続き市場に影響を与える可能性があります。
今後数ヶ月間の動向を注視しながら、購入希望者や投資家は慎重な判断が必要となるではないでしょうか。
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