こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
家のリフォームを検討する際、どのようなプロジェクトが最も満足度が高く、また費用対効果が良いのか気になる投資家の方は多いかと思います。
2025年の全米リアルター協会(NAR)と全米リフォーム業者協会(NARI)の調査によると、住宅所有者が最も喜びを感じるリフォーム(Joy Scoreが高いリフォーム)は、
・マスターベッドルームの増築
・キッチンのアップグレード
・屋根の葺き替え
この3つのプロジェクトが満点の「10」を獲得しました。
けれども満足度が高いからといって、必ずしも費用対効果が良いわけではありません。
費用回収率(Cost Recovery)が高いリフォームとして注目されたのは、
・スチール製玄関ドアの新設(100%)
・クローゼットのリノベーション(83%)
・ファイバーグラス製玄関ドアの新設(80%)
です。
なぜこのような違いがでてくるのでしょうか。
「個人的な好みやデザインを重視するリフォームと、売却時の価値を高めるリフォームは根本的に違う」
というのが大きな理由です。
実際、不動産エージェントが物件売却前に推奨するリフォームとしては、
・家全体の塗装(50%)
・特定の部屋の塗装(41%)
・屋根の葺き替え(37%)
などが挙げられ、実用性や見た目の印象を大きく改善することが効果的であるとされています。
また、リフォームの理由として住宅所有者が挙げたのは、
・老朽化した表面や素材の更新(27%)
・エネルギー効率の改善(19%)
・気分転換(18%)
・2年以内に売却を計画しているため(18%)
という結果でした。
注目すべきは、住宅価格の上昇や金利の影響で引越しが難しくなっているにもかかわらず、大半(89%)の人は
「住宅価格の上昇がリフォームの決定要因にはならない」
と答えています。
むしろ多くの住宅所有者が築いた住宅エクイティを活用し、住宅ローンや貯蓄を利用してリフォームに投資している様子が伺えます。
さらにリフォーム後の満足度では、
・機能性や住み心地の改善(28%)
・耐久性のある素材や設備の導入(23%)
・見た目の美しさやデザイン性の向上(23%)
が特に重要な成果として挙げられ、リフォーム後は64%の住宅所有者が自宅への愛着が深まり、46%が生活空間をより楽しんでいると答えました。
もし費用が問題にならないのであれば、なんと92%の住宅所有者がさらに他の箇所もリフォームしたいと答えています。
。。。
かくして、リフォームは単なる資産価値向上だけではなく、日々の生活の満足度や愛着を深めるための投資としても考えられていることが分かります。
不動産投資家としては、Joy Score(満足度)とCost Recovery(費用回収率)の両方をバランスよく考慮し、物件価値と快適さを両立するリフォーム戦略を立てることが大切になりそうです。
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