こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今の時期の「フリップ(家のリフォーム転売)」について触れておきたいと思います。
不動産市場はここ数年、高騰した価格と高い金利の影響で、以前ほど簡単に利益が出せる状況ではなくなりました。
とはいえ、正しい戦略を持ち資金が十分にあれば、今でも十分に魅力的な投資手法です。
今も昔も変わらず、フリップ物件を探す際の最大のポイントは「最高の立地にある最も手頃な価格の物件」を選ぶことです。
構造的にしっかりしている家、屋根や窓が比較的新しく、HVAC設備が10年未満である物件を選ぶことが重要なのは変わりません。
そして理想的なのは表面的な改修(キッチン、床、壁の塗装など)だけで済む物件。
大掛かりな工事はコストがかかり、利益を圧迫する可能性が高くなるからです。
またフリップ物件を見つけるには、信頼できる不動産エージェントとの連携が欠かせません。
エージェントは最新の情報を持っているだけでなく、改修後の販売価格についても正確な見積もりを出してくれます。
競売や差押え物件のリサーチ、地域の公的記録を活用するのも効果的です。
利益目標としては、投資額の10〜20%のリターンを目安にします。
たとえば周囲で改修済みの家が30万ドルで売れている地域なら修繕後の価格の75%、つまり22万5000ドルから修繕費用を引いた金額が購入の上限です。
ちなみにフリップのための融資は、短期間のハードマネーローンを利用するケースが多いです。
ハードマネーローンは手続きがシンプルで、スピード感のある投資に向いています(*修繕後の早期売却が条件です)。
改修期間は4〜6週間が理想的。
市場が大きく動く前に売却することで、利益を確保し、金利や税金といった余計なコストを抑えられます。
修繕費用は必ずと言っていいほど予算を超えるため、あらかじめ余裕を持たせて予算を設定しましょう。
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かくして、フリップを始める際のチェックリストをごく簡単に整理してみます。
電気や水道などのユーティリティを確認
公共料金の開通を行います。
自分が住むわけではなくとも、電気がないと作業が思うように進みません。
また、水道を開通させることで配管関連の問題を早期に発見できます。
インターネットやケーブルTVの契約は不要でも、接続環境が整っているかどうかは確認しておくと良いと思います。
改修前の写真撮影
改修前の物件の写真を撮影します。
改修前の様子を記録しておくことは、後々あなた自身や請負業者が参照する際に大変役立ちます。
必要な許可を取得
続いて、改修工事に必要な許可申請を役所に行って取得します。
市役所の都市計画課や建築課を訪れ、工事着工前に必要な書類や許可を申請しましょう。
工事開始後に許可申請をすると、高額な手数料や罰金を課せられるリスクがあります。
ゴミ箱(ダンプスター)の手配
不要物を処分するため、ダンプスター(大型ゴミコンテナ)を手配しましょう。
古い資材や廃棄物を処分し、新しい資材を効率的に運び込むために必要不可欠です。
施工業者の選定
工事を自身で行わない場合、信頼できる請負業者を雇用します。
どのエリアを最も重点的にリノベーションするべきかを判断し、その分野の専門家を選びます。
資材の発注
リノベーションに使う資材を自ら発注しましょう。
業者任せにするより、自分でペンキや木材、配管材料などを購入すると、経費を大幅に削減できます。
施工スケジュールの管理
作業が早く終われば終わるほど、早く売却へと移れます。
外部業者を使う場合、毎日進捗状況を確認し、自分自身が作業する場合は、可能な限りスケジュールを厳守しましょう。
リノベーションが完了したら、次はいよいよ売却準備の段階に入ります。
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フリップの目的はあくまでも早期売却です。
改修が終わったら不動産エージェントと協力して適切な価格設定、ステージング(家具を置いての演出)、プロによる写真撮影を行い、売却の準備を進めます。
以前より難易度は高まっているといえますが、資金に余裕があり、慎重な計画を立てることができればフリップはまだまだ魅力的な投資手法だと思います。
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