こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
夏に向けたアメリカ不動産市場の年間ピークタイムに向かう今、家を売りに出す物件オーナーが
「市場に物件を出したけれども、ここで売却を中止するべきか、それとも継続すべきか」
について、そのタイミングの測り方に触れておきたいと思います。
住宅市場はここ数年、売り手市場と言われてきました。
けれども最近では住宅ローン金利が高止まりし、買い手側が慎重になる傾向が強まっています。
こうなると、売却期間が長引いてしまうことも珍しくありません。
そこで、売却を一旦中止すべきかどうかのポイントを見ていきましょう。
まず、家を市場から引き下げるべき「6つのサイン」をご紹介します。
①自分の経済状況が変わった場合
例えば、職を失ったり、収入が減少したり、大きな出費が発生したりといった場合です。
このような状況では次の家を購入する資金繰りが難しくなりますので、売却は見合わせる検討が必要です。
②低すぎるオファーしか来ない場合
最初の設定価格が高すぎると、低いオファーばかりになりがちです。
高めに価格を設定できない状況、かつ柔軟に価格を調整できない場合は、思い切って市場から引くのが良いかもしれません。
③修繕が必要な問題が見つかった場合
物件調査で重大な問題が指摘され、その後に買主側から契約が解除された場合。
その時は一旦修繕をしてから再出品するのが賢明です。
ある意味、買主のお金で重大な問題が発見されるわけですから、無料であぶりだされた問題を解決してから市場に再投入する方向がよいと思います。
④競争力のあるリフォームが必要な場合
近隣物件と比較して設備が劣っている場合。
特にキッチンやバスルームが古すぎて見劣りする場合、これら日常的に使う場所に魅力がないとオファーはイマイチになりがちです。
この場合、いったんは物件を市場から下げて、リフォームを検討もあった方がよいかもしれません。
⑤競合物件が多すぎて買い手が少ない場合
市場に物件が溢れている場合、無理に売り続けるより一時的に撤退し、市場状況の回復を待つ方が合理的です。
特に供給過多の場合、思ったような価格で売れないことはざらにあります。
いったんは引いて、様子を見るのもありです。
⑥担当エージェントが頼りない場合
委託したエージェントとのコミュニケーションがうまく取れない、販売状況の説明が不十分などの場合、一度リセットして信頼できるエージェントを探すべきです。
その際はきちんと書面で雇用契約を解除して、新たなエージェントを雇う必要があります。
。。。
市場から引くタイミングのサインとして6つの点をお伝えしましたが、その一方、売却を継続するべき「2つの検討ポイント」もあります。
一つ目は、「すでにマーケティング費用が発生している」という点。
売却を止めると、これらの費用は完全に無駄になってしまいます。
いくらかかったかにもよりますが、少し安めに売却したとしてもマーケティング費用が回収できる場合、そのまま売却を継続してもよいかもしれません。
二つ目は、「市場のタイミング」です。
売れにくい冬場に出品している場合、春のピークシーズンまで耐えることでより良い価格で売れる可能性が高まります。
市場サイクルは自分でコントロールすることはできませんので、市場サイクルの力に任せて市場に出したままも考えられます。
ただしあまりにも期間が長いと
「この物件は全然売れていないな」
と判断され最初から敬遠されてしまうかもしれませんので、やはり冬場に出すよりは売却を春先まで待つ、という方向が賢明とも言えます。
売却の撤退や継続は大きな決断ですが、状況に応じて冷静に判断していきましょう。
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