こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
米中貿易協定の進展が不動産市場にも影響を与えそうです。
先週末、米国と中国が90日間の関税削減に合意し、一時的とはいえ貿易戦争が緩和されました。
これにより米国の株式市場は大幅に回復し、S&P 500指数は3.26%の上昇を記録しています。
けれども一方で景気後退リスクから長期金利が上昇したため、住宅ローン金利はここ2週間で最も高い水準となりました。
連邦準備制度理事会(FRB)は最新の5月会合でも政策金利を据え置き、4.25%~4.50%の範囲に留める措置。
FRBのパウエル議長は貿易協議の結果が経済見通しに大きく影響するとし、慎重な姿勢を維持しています。
とすると、この状況は私たち不動産投資家にとってどのような意味を持つのでしょうか。
まず、金利が当面高止まりする可能性があります。
特に住宅ローン金利が高水準で推移する見込みであるため、購入者の資金調達コストが増加し、住宅市場に影響が出るかもしれません。
一方で、カリフォルニア州の住宅価格は依然として堅調であり、第1四半期の住宅取得可能指数(Housing Affordability Index)は前年同期比で横ばいながら17%へと改善しています。
また、Fannie Maeによる住宅購入意欲指数が4月にわずかに回復したものの、経済の不透明性から購入意欲は引き続き低調な状態です。
興味深いのは、市場がこうした不確実性を抱える中で、物件のステージング(内覧向けに家具等を設置すること)の重要性が高まっていることです。
全米不動産協会(NAR)の最新調査によれば、ステージングを行った物件は販売価格が最大10%高くなる可能性があり、市場に出ている期間も短縮できるとのこと。
具体的には、リビングルームやマスターベッドルーム、キッチンのステージングが効果的とされています。
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かくして、米中貿易協議の緩和は短期的には市場の安定をもたらしていますが、金利高や景気不安が完全に払拭されたわけではありません。
不動産投資家としては今後数ヶ月間の動きを慎重に見守りつつ、ステージングなど付加価値を高める工夫を取り入れて、物件の魅力を高めていくことが求められそうです。
市場の動きを的確に捉えて機敏に行動することで、今後のチャンスを掴むことができるはずです。
投資家にとっては今がまさに準備と工夫の時期だと言えるのではないでしょうか。
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