こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今日はHOA(Homeowners Association)に関連する差押え物件、いわゆる「Foreclosed HOA Properties」について押さえておきましょう。
不動産投資を考える上で、「差押え物件」は魅力的に映ります。
特にHOA物件の差押えは市場価格より安く手に入ることが多く、「掘り出し物」のイメージがあります。
けれども差し押さえ物件には多くの注意点や潜在リスクも存在するため、投資を検討するなら十分な理解が必要です。
最初にHOA物件とは何かを簡単に説明すると、Homeowners Associationが管理するコミュニティにある物件のことです。
マンションやタウンハウスが主流ですが、購入後は管理費(HOA fees)を毎月支払い、共用部分のメンテナンスや管理規則を順守する義務があります。
そこで、HOAが絡む差押え物件には、どのようなメリットとデメリットがあるでしょうか。
メリットとしては、
- 市場価格より低価格で購入可能
- HOAの厳しい規則が敬遠されるため競争が少ない
- 共用部分のメンテナンスがHOAにより行われるため、管理の手間が少ない
- プールやジムなど充実したコミュニティ設備が利用できる
などがあります。
その一方でデメリットとしては、
- 前の所有者が未払いの管理費や法的費用を残している可能性があり、購入者が負担を強いられることがある
- 管理組合(HOA Board)による審査があり、財務状況のチェックやインタビューが課されることもある
- 賃貸やリフォーム、ペットの飼育などの利用制限がある
- HOAの財務状況が悪い場合、突然の特別徴収(special assessment)が課される可能性がある
- 一部の州では元の所有者に「買戻し権(Right of Redemption)」が認められており、物件購入後でも一定期間内(最長180日間)に元の所有者が物件を取り戻す可能性がある
等が考えられます。
これらのリスクを避けるためには、事前に
- HOAの財務状況
- 規約(CC&Rs)
- 過去の議事録
などを徹底的に調べることが重要です。
また差押え物件の場合は物件の状態や未払い費用について開示が少ないため、信頼できる不動産エージェントのサポートや専門家によるインスペクションを受けることを強くお勧めします。
特に注意すべきは「Right of Redemption(買戻し権)」です。
カリフォルニア州やテキサス州を含む多くの州では、元の所有者が差押え後も一定期間内に物件を再取得する権利が残っています。
そのためこの期間が終了するまで融資が受けにくく、現金での購入が一般的になります。
まとめると、
- HOAの差押え物件はお得だがリスクもある
- HOAの財務状況やルールを深く理解する必要がある
- 「買戻し権」の影響を理解し、法律専門家に相談するのが安全
ということになります。
HOA物件への投資は魅力とリスクが共存していますが、十分な準備と理解があれば非常に良い投資チャンスとなり得ます。
興味のある方は専門家と共に詳細な調査を行い、慎重な判断を心掛けましょう。
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