こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
最近は「Cash-Out Refinance(キャッシュアウト・リファイナンス)」についてのお問い合わせが多いため、この点について触れておきたいと思います。
キャッシュアウト・リファイナンスとは、現在の住宅ローンを新しいローンに借り換えることで、自宅の資産価値(ホームエクイティ)から現金を引き出す方法のことです。
簡単にいうと、今のローン残高より大きな金額で再融資を受け、その差額分を現金として自由に使えるようにする仕組みです。
例えば自宅の市場価値が68万ドルで、現在のローン残高が30万ドルの場合、その差額である38万ドルを「ホームエクイティ」と呼び、このうち一部を現金として取り出すことができます。
「いくらぐらいキャッシュアウトできるか?」
といえば、
- 依頼するモーゲージ会社の方針
- 依頼人のクレジットスコア
- 依頼人に現在の収入
等により大きく違う為に一概に言えませんが、通常の融資を受けて物件を購入するときと同じように
「この借り手が返済できる」
と判断される範囲でキャッシュアウトできることは、ほぼ間違いありません。
そして人々がキャッシュアウト・リファイナンスを活用する主な理由は次のとおりです。
・自宅や投資物件のリフォーム資金
・高金利のクレジットカード負債の返済
・子どもの教育費や医療費などの突発的な支出
・新たな不動産投資資金
また、この融資で得た資金は所得として課税されないという大きなメリットがあります。
特に、現在のアメリカの住宅ローン金利は約6.83%(2025年5月1日時点)と高めではありますが、それでもクレジットカードの金利(約20%以上)に比べれば非常にお得な選択です。
けれども、注意点もあります。
もし現在の住宅ローンの金利が低い(例えば3〜4%)場合、新たなローンへの借り換えによって、金利負担が大きく増えてしまう可能性があります。
また、借り換え時にはローン総額の3〜6%程度のクロージングコスト(諸費用)がかかります。
例えば22.5万ドルの新ローンを組む場合、最大で6,750ドルの費用がかかることもあり、短期的な資金調達には向いていない場合があります。
さらに、30年ローンを再度設定すると、支払い期間が再び延びてしまうため、元本返済が進んでいる方にとってはデメリットとなることもあります。
その一方で、短期的に資金が必要な場合には、HELOC(ホームエクイティ・ライン・オブ・クレジット)という選択肢もあります。
HELOCは2つ目のローンとして既存の住宅ローンの上に設定され、引き出した金額のみ金利がかかるため、使い勝手が良いのが特徴です。
こうした背景から、不動産投資家としては以下のポイントを整理し、キャッシュアウト・リファイナンスを検討するのがおすすめです。
そのステップは
1.自宅や投資物件の市場価値と現在のローン残高を確認する
2.借り換え後の新金利と現在の金利を比較し、長期的なコストを評価する
3.資金の用途が一時的ならHELOCを検討する
といったところですが、不動産投資家が自身の状況をしっかりと分析し、最適な融資手法を選ぶことがワンランク上の成功へのカギとなるのです。
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