こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
カリフォルニアの住宅市場が、再び注目すべき局面を迎えています。
2025年4月、カリフォルニア州の住宅価格は過去最高となる91万160ドルの中央値を記録しました。
これは前年比で22ヶ月連続の上昇という驚異的な記録ですが、ここ最近の伸び率は0.7%に留まり、伸び悩みが目立ってきています。
その一方で、住宅販売数はここ4ヶ月で2回目の減少を記録。
前月比で3.4%、前年同月比でも0.2%の減少となっています。
なぜ住宅価格が高騰しているにも関わらず、販売数は落ち込んでいるのでしょうか。
最大の理由はやはり経済の不透明感と高止まりする住宅ローン金利だと思います。
4月にはインフレ率が4年ぶりの低水準となる2.3%まで落ち着きを見せましたが、それでも消費者の経済に対する不安は払拭されていません。
その証拠に、4月の小売売上高の伸びは前月の1.7%からわずか0.1%に急減速。
特に自動車販売は前月比0.1%減少、スポーツ用品店は2.5%減と、大きく落ち込みました。
これらのデータから読み取れるのは、消費者が今後の経済見通しに対して慎重姿勢を崩していないということ。
住宅市場においてもこの消費者心理の影響が顕著で、購入を検討していた人々が様子見を続けている状況です。
さらに、住宅建設の動向も懸念材料です。
4月の全米住宅着工件数は前月比で1.6%増えましたが、前年同月比では1.7%減少。
特に一戸建て住宅の着工は前年同月比で12%もの減少を記録し、許可申請数も5.1%の減少と、今後の住宅供給がさらに縮小することを示しています。
この減少の理由は建設業者が材料費の高騰や労働力不足、そして住宅需要の低迷に直面しているからです。
こうした状況を総合的に見ると、今後しばらくの間、住宅市場は不安定なまま推移すると予測されます。
価格上昇のペースは緩やかになる可能性が高く取引数の停滞は続く見込みですから、投資家や住宅購入を検討中の方にとってはこうした動向を注意深く見守りつつ、冷静な判断をすることが大切になると思われます。
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