こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
最近よく耳にする質問があります。
それは
「今、家を買った方がいいのでしょうか?」
というもの。
今日はこの疑問について、最新の市場動向と共に掘り下げていきましょう。
結論から言うと、家を購入すべきかどうかはもちろん、購入希望者の状況に合わせてケースバイケースです。
実際のところ、確かに現在の住宅市場は複雑です。
住宅ローンの金利は6〜7%の間を推移しており、多くの人が購入を躊躇しています。
事実、2025年4月のRealtor.comのレポートによると市場には変化が見られます。
例えば販売中の住宅数(在庫)は前年比で30.6%も増え、新規リスティングも9.2%増加しています。
その一方で成約件数は前年比で3.2%減少し、物件が市場に出ている期間も平均50日に延びています。
さらに全体の18%の物件で価格引き下げが行われ、売主側が柔軟になっていることがうかがえます。
とはいえ、住宅価格の中央値は431,250ドルと依然として高止まりしており、多くの人にとって手が届きにくい状況が続いているのです。
また住宅購入に必要な年収は2019年以降47,000ドルも増えて約114,000ドルとなっており、購入のハードルはまだまだ高いままです。
こうした背景から、購入に踏み切るべきかどうか迷う人が増えているのも納得できます。
けれども市場の状況だけを理由に購入を諦める必要はなく、ここで重要なのは次の3つのポイントです。
・Financial readiness(経済的な準備)
・Long-term goals(長期的な目標)
・Current market realities(現在の市場状況)
特に今の金利水準をどう考えるかが重要です。
専門家の多くは
「現在の金利は歴史的に見ればごく普通の水準であり、決して異常ではない」
と指摘しています。
また今後金利が下がるタイミングを見て再融資(Refinance)の戦略をとる人も増えています。
実際、金利が下がれば市場への参入者が一気に増え、激しい競争が再び始まる可能性もあります。
その場合は住宅価格自体がさらに高騰する恐れもあり、待つことが必ずしも正解とは限らないのです。
また、地域差も考慮すべきです。
テキサス州、フロリダ州、コロラド州などではすでに在庫がコロナ前を上回っており、買い手にとって有利な状況になっています。
逆に30万ドル以下の手頃な住宅はまだまだ不足しており、手が届きにくい状況が続いています。
そうすると、具体的にどんな人が今購入すべきなのでしょうか?
次の条件に当てはまる人は、今の市場で購入を検討してみる価値がありそうです。
・安定した収入と信用力がある方
・今後数年間は引っ越す予定がない方
・現在の市場での交渉力や選択肢の多さを利用したい方
反対に、以下に該当する方はもう少し待つ方が良いかもしれません。
・仕事や収入が不安定な方
・貯金や信用スコアを改善中の方
・まだ住宅ローンを払う準備が整っていない方
とはいえ、住宅購入は市場タイミングだけではなく、自分自身のライフイベントや長期的な計画に基づいて判断することが最も大切です。
「市場動向よりも人生のタイミングを優先すべき」
これこそ言い得て妙。
購入を考える際には市場だけに惑わされず、自分自身のライフスタイルと計画を基準に決断を下しましょう。
とどのつまり、家を買うベストタイミングとは市場ではなく、自分自身の準備が整った時だろうと思うのです。
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