こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
こちらは速報で出てきた最新情報です。
アメリカ不動産市場に大きな影響を与える最新の税制改革法案『One Big Beautiful Bill Act』の主要ポイントを見ていきましょう。
【中小企業向け控除が拡充】
まず注目すべきは、中小企業や個人事業主に有利な「適格事業所得控除(QBI)」が、現行の20%から23%に永久的に拡大されることです。全米不動産協会(NAR)メンバーの90%以上が恩恵を受ける見込みです。
【州税・地方税(SALT)控除が強化】
SALT控除の上限が現行の10,000ドルから40,000ドルへと4倍に引き上げられます(年収50万ドル未満の世帯対象)。この控除枠と所得制限は10年間にわたり毎年1%ずつ上昇する設計です。
【個人所得税率の恒久化】
2017年の減税法案(TCJA)で引き下げられた個人所得税率が永久的に維持され、さらにインフレに連動して調整されます。これは特に新規住宅購入を検討する世帯にとって非常に有利となります。
【住宅ローン利子控除(MID)の維持】
住宅所有者に重要な税制メリットであるMIDが現行レベルで永久的に維持されます。
不動産市場の安定を支えるためにも重要な措置です。
【1031交換と事業用SALT控除の保護】
不動産投資家がよく利用する1031交換(同種交換)制度も引き続き保護されます。
事業用SALT控除についてもほぼ変更はなく、不動産業界に直接的な影響はない見込みです。
【低所得者向け住宅税額控除(LIHTC)の強化】
低所得者向け住宅の開発支援を促進するため、LIHTCの主要な改善策が盛り込まれました。
これにより住宅供給が増加し、より幅広い層への住宅アクセスが期待されます。
【子ども税額控除が増額】
2028年まで子ども税額控除が一時的に2,500ドルへ引き上げられ、その後はインフレ調整が導入されます。子育て世帯の住宅購入能力を高める助けとなるのではないでしょうか。
【子ども向け投資口座の新設】
子どもの教育や初めての住宅購入など、将来的な資産形成のための特別な投資口座が新設されます。
【相続税・贈与税の恒久化】
相続・贈与税の免税額が1,500万ドル(インフレ調整付き)に恒久的に設定され、世代間の資産継承が容易になります。
【最高税率の引き上げはなし】
懸念されていた最高税率39.6%への引き上げは見送られました。
【ビジネス税制の重要3項目を復活】
研究開発費の全額即時償却、特別償却制度、利子費用控除制限の修正が含まれ、事業投資が促進されます。
【特定産業施設への即時償却適用】
製造業、農業関連施設への投資が即時償却可能となります。
【キャリード・インタレストの変更なし】
投資ファンド運営者向けの優遇税制「キャリード・インタレスト」の扱いにも変更はありません。
【オポチュニティゾーン制度が刷新】
オポチュニティゾーンへの投資促進制度が再編され、地方地域などへの投資誘導が強化されます。
。。。
かくして、トランプ二次政権によりもたらされる法案に懸念がありましたが、不動産市場と住宅購入を検討する人々にとって非常に有利な環境が整備されたといえると思います。
今後もこの法案の動向を注視していきましょう。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。