こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
「物件を購入する前に“ある検査”をしておくと、後で何千ドルも得をするかもしれない」
実はこれ、経験者からすると常識的な話ですが、初めて不動産投資をする方にとっては盲点かもしれません。
その検査とは、スタッコ(外壁材)の専門検査です。
スタッコとは見た目は滑らかで、仕上がりも美しいセメント系の外壁材で、特にアメリカ南西部やカリフォルニアなど、乾燥した地域で多く使われています。
見た目が良く断熱性や耐火性にも優れているため、多くの住宅で使われてきました。
ところがこのスタッコ、水に弱いという致命的な弱点があります。
水を吸い込みやすい「スポンジ型」構造
スタッコは“リザーバー・クラッディング(貯水型外壁)”というカテゴリに属します。
これはつまり、「水をはじく」のではなく、「水を一時的に吸収してから乾燥させる」タイプの素材。
乾燥地帯ではそれでも問題になりにくいのですが、
・湿気の多い地域
・雨が多いエリア
・気温の変化が激しい地域(凍結と解凍の繰り返し)
こうした条件が重なると、スタッコは内部に水を抱えたまま乾かなくなり「見えない水のダメージ」が建物をむしばみます。
ではなぜスタッコ検査が必要なのかといえば、一般的なホームインスペクション(住宅調査)は、スタッコの内部まで調べないからです。
つまり、スタッコの裏でカビが生えていても、木材が腐っていても、ほとんどの場合スルーされてしまうのです。
それを補うのが「スタッコ専門のインスペクション」です。
スタッコ検査の種類と費用
スタッコ検査には3つのレベルがあります。
- 目視検査:クラックや変色など、外から見える範囲を確認
- 非侵入型検査:赤外線カメラで壁内の温度変化から水分を探知
- 侵入型検査:壁に小さな穴を開けて、実際の水分値を測定
費用の目安は、一般的な住宅で $500〜$1,500。
侵入型検査を追加すれば さらに$200〜$500 ほどかかりますが、
その出費で 数万ドルの損失を防げる可能性があるなら、安いものではないでしょうか。
そして投資物件としての観点からここが投資家にとって一番重要なポイントですが、この「隠れたスタッコの損傷」によって、
・修繕費が10,000ドル〜50,000ドルかかる
・購入後すぐにテナントが退去し、家賃収入が止まる
・売却時に価格交渉で足元を見られる
そんな事態に陥るケースが後を絶ちません。
また、スタッコに問題がある物件は売却時にも苦労します。
「買い手がインスペクションで気づいてキャンセル」「融資が下りない」など、投資の出口に影響を与えるリスクもあるのです。
スタッコ検査をするべき物件の特徴
そこで、以下のような兆候があれば迷わず検査を依頼しましょう。
- スタッコ外壁に水平または広いヒビが確認できる
- 外壁周辺に茶色いシミ、塗装の膨れ、カビ臭
- 壁が柔らかく感じる、または浮いているように見える
。。。
かくして、スタッコ検査は「たった数百ドルで未来の大損失を防ぐ保険」のようなものです。
住宅の価値を守るため、または投資先としての安定収益を確保するためにも購入前の段階でスタッコ検査はお薦めです。
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